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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋り、来月の仏議会選見極めムードも


今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。フランス大統領選が市場の期待通りの結果に終わり、短期的な警戒は大きく後退。ただ、来月行われるフランスの国民議会選を見極めたいとのムードも広がり、リスク選好的な円売りは小幅にとどまる可能性があろう。

7日に行われたフランス大統領選・決選投票は、親EU派の中道系無所属候補のマクロン前経済相が、反EU派の国民戦線のルペン氏を破り、欧州政治への短期的な懸念は払しょくされたもよう。今晩の欧米市場でもマクロン氏勝利を消化する動きが予想され、ユーロ・円の上昇がドル・円を押し上げる展開が予想される。

ただ、アジア市場では、ドル・円は早朝の取引で112円98銭まで上昇後は伸び悩む展開になっている。ユーロ・円は4月23日の第1回投票前からマクロン氏の勝利を期待した買い戻しにより、この2週間余りで114円後半から124円前半とすでに10円近く上昇。利益確定売りが出やすい状況であり、ドル・円の押し上げ材料にはなりにくい可能性もある。

また、市場では、早くも来月実施されるフランス国民議会選への思惑が広がり始めた。新大統領に就任するマクロン氏の支持勢力である中道系が過半数を獲得できるかが最大の焦点。国民戦線は議会選では議席増が見込まれ、投票結果によっては新大統領の政権運営が窮地に追い込まれる可能性もあり、目先のユーロ買いを弱める材料となりそうだ。

一方、5日に発表された米国の4月雇用統計は堅調な内容となり、連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げ観測が一段と高まっている。ある短期筋は「利上げは6月の後、9月か12月にさらに1回のマックス3回がメーンシナリオ」と指摘。ただドル・円は、113円台ではドル売りが強まるとの見方から買いが入りづらく、ドルの上昇は小幅にとどまろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:45 メスター米クリーブランド連銀総裁講演
・23:00 米・4月労働市場情勢指数(予想:+1.0、3月:+0.4)



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