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コラム【最新クリプト事情】:ミームコインの熱狂は犬からカエルへ(マネックス・ユニバーシティ 松嶋 真倫


*09:58JST コラム【最新クリプト事情】:ミームコインの熱狂は犬からカエルへ(マネックス・ユニバーシティ 松嶋 真倫 SNSが普及してからというもの、「ミーム」の存在は金融市場を常に賑わしている。「ミーム」とは、SNSなどを通じてある流行が爆発的に拡散される現象を表し、今ではインターネット上の群集による流行り廃りによって価格が急騰・急落する投資銘柄を指すことが多い。

2021年には米国のゲームストップ株がRedditというSNSでの盛り上がりをきっかけに20倍近く急騰し、直後に上昇分を打ち消すほどの暴落を見せたことが話題となった。暗号資産でもドージコイン(DOGE)という柴犬をモチーフとした銘柄が、イーロン・マスク氏による支持をきっかけに50倍以上急騰し、やはり直後に暴落したことが注目された。

そして2023年5月に入ってペペコイン(PEPE)という暗号資産投資家に人気のカエルキャラクターを看板に掲げた銘柄が「ミーム」として新たに注目されている。2023年4月に発行が始まって、当初1PEPE=約0.00001円で取引されていたものが、5月6日には1PEPE =約0.0005円まで50倍近く急騰した。この一瞬の値上がりによって大金を手にした人もいるようだ。

PEPEの熱狂は「Ordinals」というビットコイン関連プロトコルの登場によって起きた。Ordinalsではビットコインの最小単位である1satoshiごとに何かしらのデータを紐づけることができ、2023年2月にはビットコインNFTが投資家の人気を集めた。これを応用して独自のトークン規格「BRC-20」が考案され、PEPEなどのミームコインが次々に発行されている。

ビットコインで独自トークンを発行できるようになったと言っても、イーサリアムのように複雑な機能を実装できるわけではなく、PEPEなどを保有しても何の使い道もない。理論価格に基づいて売買を繰り返す株式投資家からすれば暗号資産投資家の生態は理解できないだろう。しかし、多くが過去の失敗に懲りず一攫千金を夢見てミームコインに殺到している。

ミームコインの熱狂は今後も入れ替わりで続くだろう。それでこそ暗号資産らしいと思えるが、投機に沸いた後には大きな下落が訪れることを肝に銘じておきたい。


マネックス証券 マネックス・ユニバーシティ 暗号資産アナリスト 松嶋 真倫
(出所:5/15配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)


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