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NYの視点:ベージュブック、5月FOMCでの追加利上げを妨げず


*07:35JST NYの視点:ベージュブック、5月FOMCでの追加利上げを妨げず 連邦準備制度理事会(FRB)が公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、4月初旬までの経済活動は前回報告3月初旬からほぼ横ばいと報告された。9地区連銀が横ばいを報告、残り3地区連銀が活動の緩やかな拡大を報告した。

3月初旬の中堅行2行の破綻を受けて広がった金融システム状況を巡りいくつかの地区はシステムを巡る不透明感や流動性不足を警戒し銀行が貸付基準を厳格化していると報告。大幅な景気減速が報告されておらず、金融混乱後、景気の先行きもほぼ変わらずで、影響が限定的となっていることが明らかになった。消費は横ばいながら、旅行関連は強く、さらに、全般的な物価は緩やかに上昇。住宅価格や賃貸は過去最高水準で安定していると報告されている。

融資への影響も地区により様々。破綻したシグネチャー銀が基盤としていたNY地区は「金融状況は劇的に悪化」と報告。また、シリコンバレー銀が基盤としていたサンフランシスコ地区も「貸付がかなり減少した」と報告した。しかし、それ以外の地区では、フィラデルフィア地区が「貸付の緩やかな拡大」を報告したほか、アトランタ地区も「大規模な銀行預金流出は見られない」と、破綻の影響が一部地区にとどまっており、現状で、全国規模に発展していないことが明らかになった。

同報告はFRBが次回5月連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策決定において参考材料とするが、5月FOMCの利上げを大きく妨げる内容とはなっていない。

■5月米地区連銀経済報告(ベージュブック)
*金融混乱後も経済活動、景気先行き、ほぼ横ばい
*消費横ばい、旅行関連は強い
*全般的な物価は緩やかに上昇。住宅価格や賃貸は過去最高水準で安定
*金融:
NY地区:金融状況は劇的に悪化
SF地区:貸付がかなり減少
STルイス地区:金融状況は安定
フィラデルフィア地区:貸付は緩やかに拡大
アトランタ地区:銀行の大規模な資金流出は見られない

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