令和3(2021)年の回顧と令和4(2022)年の展望(元統合幕僚長の岩崎氏)(2) 【実業之日本フォーラム】
(2)増長する中国
中国は、2021年は、習近平政権の2期目の4年目(発足から9年目)であり、2期10年の総仕上げの時期であった。私はこれまでも何度となく指摘してきたように、習近平主席は、ある時から「夢」を抱くようになってきていると思われる。その「夢」とは、「中国の夢(中華民族の偉大な復興)」であり、「習近平個人の夢」でもある。そして、彼の最終的なゴールは、毛沢東・トウ小平を越えることであり、「中華民族の永遠の英雄(皇帝)」になることである。その「夢」を達成する為には、2期10年では短か過ぎる。更に時間が必要である。
しかし、国家主席の任期期間は、憲法に2期10年との条文が明記されていた。これは、毛沢東が長期に亘り政権に就き、政治的に混乱したことへの反省や、権力の集中を防ぐ目的で明記されたものである。この規定により、トウ小平、江沢民、胡錦涛元主席は2期10年で退陣した。ところが、習近平主席は、2018年、この憲法の条文を「削除」する改正案を全人代に提出したのである。全人代は当然ながら、抵抗できず、可決・成立となった。これで、習近平主席は、憲法上、彼が希望する限り、国家主席の席に居座ることが可能となった。
また、この他に、中国共産党はこれまで個人崇拝を禁じていたにも拘らず、党規約の中に「習氏思想」を記述し、その普及に努めている。各学校のカリキュラムも全て変更し、子供たちから教育を開始している。既に、習近平主席の神格化が始まっているのである。しかし、憲法上、国家主席の在任期間の制限が無くなったとは言え、習近平主席の任期が自動的に延長されるものでもないだろう。3期、4期と継続する為には、周りを説得できる、それなりの手柄(成果)が必要である。昨年7月は中国共産党創立100周年でもあった。ここで習近平主席は約1時間に及ぶ演説を行い、「中国に対する虐待、抑圧、支配を許さない」と述べている。
これは基本的に米国への警告であり、そして、米国へ警告を発することが出来るようになったことを自慢する演説である。習近平が自慢する他の大きな成果の1つは、米国のオバマ大統領が中国を「大国」と発言したことであり、2つ目は、昨年までの約3年間、香港への締め付けを強化し、最終的に「香港」を手中に入れたことである。「香港」は英国からの返還の際、向こう50年(~2047年迄)は「一国2制度」を維持する事が約束されている。まだ、その期間の半ばも経過していない時期に「香港」を北京の言いなりにすることが出来た。「一国2制度」は有名無実化してしまったのである。大きな手柄である。この他にも「南シナ海の埋め立て・軍事化・行政区発令等の権益拡大」、「尖閣列島への海警局公船派遣」、「西太平洋への艦艇・航空機展開」、「台湾への威嚇」等々は彼の成果であろう。この様な事から習近平主席は、第3期目をほぼ確実にしたと言っても過言でない。
習近平主席と米国の関係では、米国のトランプ大統領は、予測不能で極めて厄介な大統領であったものの、トランプ大統領の関心事はごく限られており、御しやすい面もあったと思われる。一方、バイデン新大統領はトランプ大統領に比較し紳士であり、予測可能な大統領である。
昨年11月16日のオンラインによる米中首脳会談の中で、バイデン大統領が「両国は衝突回避に責任があり、その為のガードレールが必要」との認識を述べたのに対し、習近平主席は「米国との共通認識の下に両国の発展を主導したい、これは国際社会の期待でもある。」と述べた。米国を諭すような発言であり、国際社会をリードするのは米国と中国の2つの大国であるとの認識を示した。
私は、この会談を、習近平主席がかなりの余裕を持って対応していた一方、米側にあまり成果がなかったとも感じた。多くの中国国民は、この会談風景を見て、「中国は米国に並ぶ大国になった」と感じた事であろう。習近平主席の大きな成果である。
(3)我が国の政情不安定
安倍総理の突然の退陣で、一昨年前(令和2年、2020年)の夏から急遽総理に就いた菅首相は、総理就任後も粉骨砕身コロナと戦い続けた。昨年の夏以降は、コロナの新規感染者数も減りはじめ、多くの国民は、菅総理が昨年秋以降も、自民党総裁・総理大臣を継続されると思っていた。ところが、大方の予測を覆し、突然、菅総理は、最後までコロナ対策に専念するため、総裁選への不出馬を表明された。総理大臣を降りるとの宣言である。私は、菅総理が総裁選へ出馬しないと全く考えていなかった。大きな驚きであった。
この後の自民党総裁選には、新人候補4名が臨み、見事に勝利されたのが岸田氏である。岸田氏は、安倍政権で長い間、外務大臣として活躍され、諸外国にも名前と顔が知られている極めて温厚で堅実な政治家である。自民党総裁選に次ぎ、衆議院選挙が行われ、自民党は若干議席を失ったものの、予測を遥かに上回る議員数を獲得することになった。多くのメディアや政治評論家によれば、総裁選候補者4名(岸田氏、河野氏、高市氏、野田氏)による議論が功を奏したのではとの分析である。国民の前で忌憚のない討論や意見発表を連日行ったことが、国民へ安心感を与えたのであろう。私自身も、この議論を拝聴し、久々に内容のある、いい議論であったと感じた。
昨年10月に発足した岸田政権への支持率は高く、その後のオミクロン株への対応も素早く、また国会では超大型補正予算を決定したこともあり、政権への支持率は上昇傾向にある。岸田総理が就任し、まだ日が浅いことから評価するには時期尚早であるが、岸田政権のスタートダッシュは成功している。
「令和3(2021)年の回顧と令和4(2022)年の展望(元統合幕僚長の岩崎氏)(3) 【実業之日本フォーラム】」に続く
岩崎茂(いわさき・しげる)
1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。
写真:ロイター/アフロ
■実業之日本フォーラムの3大特色
実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。
1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム
・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する
・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う
2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア
・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く
・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える
3)「ほめる」メディア
・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
<FA>
歌手井上あずみ 所属事務所が近況報告「歌声も徐々に取り戻しつつりあります」
「大竹マンゴスチン」って誰?草なぎ剛が番組で連呼!本人もまさかの“改名”検討
路上で頭から血を流した女性死亡 所持品が散乱 名古屋
自民・森山総務会長「解散、そう遠くない可能性」 鹿児島での講演で
【宝塚】月組トップ月城かなと本拠地に別れ「清く正しく美しく、そして朗らかに」
エルフ荒川、ギャルメーク“封印” ロリータ風衣装で「ばぶメイクしてもらいました」
金魚鉢の虫を取りたかったはずなのに……なぜか液体化してしまう猫ちゃん
元日本ハム芝草宇宙監督率いる帝京長岡が春連覇 「夏に向けて最高のステップ」
【ヤクルト】塩見泰隆、左膝前十字靱帯と半月板損傷で全治は未定と球団発表
【阪神】才木浩人、爆笑ヒーローインタビュー「もうちょっと点取って」プロ4度目完封勝利
何があった!?「エアコン」が想定外の壊れ具合!投稿者に話を聞いた
73歳神田正輝「旅サラダ」生放送で“12歳下俳優”から呼び捨てされ激論
岡本夏生(56)、1600日ぶりにブログを更新した現在が衝撃
曙と熱愛した相原勇(52)の現在が衝撃的すぎると話題に
ユーチューバーもこう氏、元彼女・成海瑠奈について赤裸々告白
55歳森口博子「だっちゅーの」鮮やかビキニ姿披露にX歓喜「破壊力ハンパない」「スゴすぎ」
「ふてほど」25歳女優“薔薇ブラ”でポロリ寸前?過激衣装に「見えちゃう」「刺激強すぎ」
大物炎上系ユーチューバー”衝撃の預金残高”公開「すげぇ」「エグい」驚きの声
水原一平容疑者 最高刑「懲役33年」トレンド入り 「人生詰んだ」「稀代の詐欺師」の声
玉置浩二の妻、青田典子(53)の現在がとんでもない事になっていると話題に
何があった!?「エアコン」が想定外の壊れ具合!投稿者に話を聞いた
岡本夏生(56)、1600日ぶりにブログを更新した現在が衝撃
深夜のファミリーマート徘徊、必ず入っている「フエラムネのミニチュアおもちゃ付」を探し求めた結果……
完全にダマされた! 『ラヴィット!』あのちゃん“事故レベル”大暴走は『水ダウ』遠隔操作のしわざだった ネットも納得
ユーチューバーもこう氏、元彼女・成海瑠奈について赤裸々告白
ガーシー、またも綾野剛の暴露写真でネット歓喜「この写真見て笑っちゃう」
玉置浩二の妻、青田典子(53)の現在がとんでもない事になっていると話題に
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
ガーシー、佐野ひなこの暴露を示唆でネット騒然「ファンだったのに」
ガーシーが綾野剛のLINE公開でネット騒然「ショック」「すごいエンタメ」
歌手井上あずみ 所属事務所が近況報告「歌声も徐々に取り戻しつつりあります」
「大竹マンゴスチン」って誰?草なぎ剛が番組で連呼!本人もまさかの“改名”検討
路上で頭から血を流した女性死亡 所持品が散乱 名古屋
自民・森山総務会長「解散、そう遠くない可能性」 鹿児島での講演で
【宝塚】月組トップ月城かなと本拠地に別れ「清く正しく美しく、そして朗らかに」
エルフ荒川、ギャルメーク“封印” ロリータ風衣装で「ばぶメイクしてもらいました」
金魚鉢の虫を取りたかったはずなのに……なぜか液体化してしまう猫ちゃん
元日本ハム芝草宇宙監督率いる帝京長岡が春連覇 「夏に向けて最高のステップ」
【ヤクルト】塩見泰隆、左膝前十字靱帯と半月板損傷で全治は未定と球団発表
【阪神】才木浩人、爆笑ヒーローインタビュー「もうちょっと点取って」プロ4度目完封勝利