橋本氏対談(2)スマートコントラクトとDeFi:逃れられない「規制」と「バグ」(2)【実業之日本フォーラム】
白井:従来の金融技術をスマートコントラクトで作り変えると、具体的にはどのようなユーザー体験になるのでしょうか?
橋本:白井さんがご指摘のように、理論上、カウンターパーティーリスクはなくなりますので、これは非常に大きなイノベーションです。ブロックチェーンの世界は、鍵を持っていることが全てであり、それ以上でもそれ以下でもありません。社会的な知名度や銀行口座に幾らお金があるかは関係ありません。
金融機関で何らかの金融取引を行う際には、社会的な地位が高い人であればその信用が考慮され、担保の差し入れは恐らく少なくて済むでしょう。しかし、ブロックチェーンの世界では、私という人格は、私がブロックチェーン上で持っている資産が全てです。ブロックチェーンの世界は、一切、そういうものを参照することができません。そのため、デリバティブ取引をしようとしたときには、多くの担保の預け入れが求められることになります。ビル・ゲイツがブロックチェーン上で1億円持っているのと、私がブロックチェーン上で1億円持っているのとは、対等に扱われます。
人件費もかかりませんので、証券会社に払う手数料のようなものは、当然、安くなるでしょう。
白井:サービスの受け手とサービスの供給側との中間のコストがなくなり、人件費が無くなり手数料などのコストが下がるというのは、大きな利点だと思います。また、カウンターパーティーリスクがない点も非常に魅力的です。
中国は、2020年7月にデジタル人民元にスマートコントラクトを実装することを発表しました。また、これに加えて「ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)」というブロックチェーンのプラットフォームを作っており、デジタル人民元やスマートコントラクトとの融合を考えているのではと想像しております。BSNは、2020年4月25日に国内の商業利用向けにローンチされ、8月10日に世界的にローンチが行われたと報じられています。ホワイトペーパーによると2020年末には世界全体で200ノードに増えることが見込まれており、運用コストは従来のブロックチェーンサービスの20%程度、チェーンを形成して運用を開始するには年間わずか150~200ドルで済むと言われています。
私は技術者ではないため、その詳細についてわからないところも多いのですが、簡単に、しかも安くアプリケーションを開発できるようですので、ブロックチェーンのアプリケーションを開発する上では非常に便利な仕組みのようです。これで作られるアプリケーションにデジタル人民元が使われ、スマートコントラクトが活用されることになる。これは、決済などの人々の営み、現実社会の経済活動が、一体として機械仕掛けで動くという高効率な社会だと思いますが、いかがでしょうか。
橋本:ブロックチェーン上にスマートコントラクトがあるというのは、究極的にはプラットフォームとして完結できる概念です。これまで全銀ネットでやりとりされている円を使って個々のユーザーに何かサービスを提供しようと考えると、別のシステムを作り、資金を集め、大規模な開発を行うことが必要でした。一体としてつながってはいないものの中で、電子的なお金が依拠しているというのが現状です。デジタル人民元の例では、そこがひとつの共通基盤でカバーされることになる。これは非常に便利ですね。プライバシーの議論などをさておけば、ですけれど。
ただ、ひとつ忘れてはいけないのは、スマートコントラクトはバグがあったら大変という点です。イーサリアム上のさまざまなスマートコントラクト、DeFiでは、誰もが頑張ってバグがないように設計しているのですが、実際に多くのケースで、具体的には2件に1件ぐらいはバグがあります。バグがあると、そこに預けられているお金は全部ハッカーに持っていかれてしまいかねません。ハッカーにある程度のノウハウがあれば、いまのところ警察に捕捉されることなく、ドル紙幣や金(ゴールド)などに換金することができます。スマートコントラクトはバグがあると本当に大変なのです。
白井: えっ、バグはそんなに多いのですか?
橋本:世界で最初のスマートコントラクトのバグの事件として有名なのがThe DAO事件です。このときにはハッカーに数百億円ものお金が取られました。あまりにも被害の規模が大きかったため、「ブロックチェーンを少し巻き戻したほうがいいのではないか」という議論がなされました。そして、イーサリアムは巻き戻すことを選択しました。しかし、いまの世界で、巻き戻していてはきりがない。あまりにもいろいろなところでバグによって何億円、何十億円単位での資金が流出しています。かつてイーサリアムが巻き戻しを選択できたのは、ユーザーが一部のオタクだけであったからで、ここまで広がっていなかったから選択肢になったわけです。ただ、デジタル人民元の世界になってしまえば、絶対に巻き戻しはできません。
絶対に巻き戻すことができない中で、スマートコントラクトを使ったサービスをどんどん作っていくのは、相当にチャレンジングなことです。概念的にそこで閉じることができても、そこから抜け出すことができないということでもあります。慎重な開発のもとでもバグが避けられない中で、いろいろなサービスを普及させていくには、それなりに高いハードルが存在します。
ハッキングした犯人を見つけ出すことは、できる場合とできない場合があります。原理的にはできないのですが、見つかるケースは、結構、古典的な手法で見つかります。攻撃には最低限の資金、数万円程度をブロックチェーン上で用意する必要があるのですが、これをどうやって安全に入手するかというのは課題です。たとえばビットフライヤーで買ったイーサリアムを自分のウォレットに送ってハッキングの原資に使うことを考えた場合、まず必要なのはビットフライヤーの口座です。仮に本人確認に自分のパスポートを使っていたならば、捕捉されてしまいます。最初のビットコインの入手は意外と難しいのです。
仮に他人から買ったパスポートで登録したとすると、私とは関係がない人の名前のパスポートを使うことになるわけですが、接続時のIPアドレスが発覚の糸口になるケースもあります。IPアドレスを隠す技術はVPNなどいくらでもあるのですが、たまにVPNの接続が切れていたりして、意図せず本当のIPアドレスで接続していたりするケースもあるのです。そういうところがきっかけとなり、古典的なIPアドレスの捜査から捕まる場合もあったりします。
「橋本氏対談(2)スマートコントラクトとDeFi:逃れられない「規制」と「バグ」(3)」に続く
■実業之日本フォーラムの3大特色
実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。
(1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム
・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する
・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う
(2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア
・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く
・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える
(3)「ほめる」メディア
・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
<TY>
白血病克服の43歳女性タレント、51歳俳優夫のSNSで近影公開に「かわいい」の声
和田アキ子、長嶋茂雄さん妻から「あきこって強いのよ」と声かけられた思い出
タモリさんは「たまごです」12年ぶり出演ユニットがド緊張 共演女性歌手に相談すると…
ドジャース名物リポーター、デニムのセットアップコーデ公開「湿度85%」と困った顔文字
風間俊介「小ざかしい」リアクション絶賛され「分かる気する」足立紳監督の失言?にツッコミ殺到
【楽天】浅村栄斗、死球で倒れ込みスタンド騒然 治療後に一塁ベースへ「頑張れ浅村」コール
深川麻衣、大好きな梅干しを食べて「死にそうになった」その理由とは
【中日】チーム最年長39歳大島洋平、約1年ぶりの盗塁成功 今季3度目のスタメン起用
大谷翔平をゲッツーに打ち取った継投ズバリ「マッチアップ信じた」カージナルス・マーモル監督
スタンフォード大・佐々木麟太郎、かつてジャッジら在籍のサマーリーグ参戦 6月15日開幕
長嶋一茂、「家族としてお許しいただきたいけれど…」妹・三奈さんらとの病室での会話明かす
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
ヒカル、浮気相手とのLINE流出にドン引きの声「キモすぎる」「吐きそう」
小倉優子、不自然な“二重ライン”にネット騒然「やっぱり整形?」
藤本美貴、夫・庄司智春がしていたら「結婚しなかったと思う」“習慣”を発表
武田鉄矢、昨年死去した大物俳優をライバル視していた「1人だけ、ライバルと思った人がいた」
あのちゃん実名告白「めんどくさい芸能人」が台本と違いスタジオ騒然
西田ひかる「なんとかならなかったのかな」コンビニ備蓄米視察で小泉農相「大きなうねり」発言に
大谷翔平の長女へ、ロバーツ監督がピンクの〝ポルシェ〟プレゼント 昨年は大谷がミニポルシェ贈る
37歳女性タレント、元交際相手から送られてきた“写メ”にドン引き「デリカシーなさすぎ」
父が再婚の丸山隆平(36)現在の家族関係がとんでもないことになっていたと話題に
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
ヒカル、浮気相手とのLINE流出にドン引きの声「キモすぎる」「吐きそう」
多部未華子(30)結婚の裏事情あまりにも恐ろしすぎると話題に!
ガーシー、佐野ひなこの暴露を示唆でネット騒然「ファンだったのに」
【おすすめアニメ50選】完結済み!定番から最新作まで!
「名探偵コナン」最大の謎、蘭姉ちゃんのあの角の正体がついに判明
浜崎あゆみ、バスト丸見えの投稿にネット騒然「巨乳すぎて不自然」
長嶋一茂、「家族としてお許しいただきたいけれど…」妹・三奈さんらとの病室での会話明かす
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然

白血病克服の43歳女性タレント、51歳俳優夫のSNSで近影公開に「かわいい」の声
和田アキ子、長嶋茂雄さん妻から「あきこって強いのよ」と声かけられた思い出
タモリさんは「たまごです」12年ぶり出演ユニットがド緊張 共演女性歌手に相談すると…
ドジャース名物リポーター、デニムのセットアップコーデ公開「湿度85%」と困った顔文字
風間俊介「小ざかしい」リアクション絶賛され「分かる気する」足立紳監督の失言?にツッコミ殺到
【楽天】浅村栄斗、死球で倒れ込みスタンド騒然 治療後に一塁ベースへ「頑張れ浅村」コール
深川麻衣、大好きな梅干しを食べて「死にそうになった」その理由とは
【中日】チーム最年長39歳大島洋平、約1年ぶりの盗塁成功 今季3度目のスタメン起用
大谷翔平をゲッツーに打ち取った継投ズバリ「マッチアップ信じた」カージナルス・マーモル監督
スタンフォード大・佐々木麟太郎、かつてジャッジら在籍のサマーリーグ参戦 6月15日開幕