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NYの視点:ベージュブック、物価圧力上昇示すもサプライズなくFRBの姿勢変更は困難か


米連邦準備制度理事会(FRB)は4月初旬から5月後半にかけて集められた情報をもとに集計された地区連銀経済報告(ベージュブック)で全米地区の経済が緩やかなペースで拡大していることが明らかになった。さらに、数地区は、ワクチン接種ペースの加速やパンデミック対策の規制の緩和が経済にプラスの影響を与えたとし 経済成長は引き続き堅調だと楽観的な見解を示した。注目の物価圧力は「前回に比べてさらに上昇した」と言及されている。

供給と需要の不均衡さが引き続き生産を抑制。ただ、短期的には経済への影響は限定的としている。見通しは依然非常に楽観的で、全国的な経済の回復、物価圧力の上昇、一部のセクターでは、雇用確保に苦労していることが再確認された。全般的に賃金の伸びは緩やか。労働需要は強いが供給は逼迫しているため、多くの企業が雇用確保のためボーナスの支給や、初任給の引き上げをしていると報告。サプライチェーンの混乱は経済に悪影響を与えると言及されている。

ベージュブックの結果は6月15−16日に開催されるFOMCで金融政策決定の材料となる。回復ペースの加速や物価圧力を示すインフレの一段の高進を示唆する結果が、現状でFRBの考えを大きく変えることは困難と見られる。FRBはいずれ多くの労働者が職場に復帰しサプライチェーンの逼迫もいずれ緩和すると予想している。現在、いくらかの物価圧力が見られるものの、持続的とは考えていないと繰り返している。

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