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意義深い日英2プラス2【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


2021年2月3日、4回目となる日英の外務・防衛閣僚会議がテレビ会議方式で実施された。日本側からは茂木敏充外務大臣及び岸信夫防衛大臣、英国側からはドミニク・ラーブ外務大臣及びベン・ウォレス国防大臣が参加し、会議後に両国による共同声明が発表された。

会議において4大臣は、 (1)日英を取り巻く安全保障環境が大きく変化している中、グローバルな戦略的パートナーである日英両国が「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力をさらに進展させる、(2)地域の安全保障を維持し、ルールに基づく国際秩序を支持するためリーダーシップを発揮する、(3)経済的、軍事的に手段による地域の他者に対する威圧の試みに反対する、というコミットメントを確認した。その他、新型コロナウイルス感染症対策や気候変動対応について意見交換している。

さらに、安全保障・防衛協力については、(1)英国のクイーン・エリザベス空母打撃群の東アジア地域への展開及び英国のインド太平洋地域へのコミットメントへの歓迎、(2)「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた共同訓練の実施等に向けた調整の推進、(3)海洋安全保障を含む安全保障分野において、途上国の能力構築支援のための協力、(4)北朝鮮関連船舶による国連決議違反である「瀬取り」に対する警戒監視活動における実践的な協力の推進、を再確認した。また、サイバーを含むその他の領域での協力や次期戦闘機システムに関する対話継続を歓迎した。

日本は、今まで英国の他、米国、オーストラリア、ロシア、フランス、インドネシア、インドの7カ国と「2プラス2」を実施している。特に英国とは1902年から1923年の間、「日英軍事同盟」を締結した歴史がある。英国は、かつての大英帝国のほぼすべての領土であった54の加盟国からなる政治連合「イギリス連邦」の盟主であり、オーストラリア、ニュージーランドはじめインド太平洋地域に、政治的に強い繋がりを有している。このように歴史的に強固な繋がりがあり、政治的に大きな影響力を有している英国との「2プラス2」開催は、今後のわが国及び地域の安全保障環境に大きく貢献することだろう。

サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

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