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中国の国有大手銀行6行、上半期は軒並み減益 不良債権18%増の銀行も



米中貿易戦争や中共ウイルス(新型コロナウイルス)の流行などで景気が低迷し、中国の銀行業界の今年上半期の収益性は前年を下回った。半期報告書によると、中国の国有銀行6行と全国株式制商業銀行9行は、いずれも純利益が大幅に減少した。

*主要国有銀行6行の半期報告書:純利益減少

8月30日夜までに、中国の主要国有銀行6行が上半期の業績を発表した。工商銀行の親会社に帰属する当期純利益は、前年同期比11.4%減の約1488億元(約2兆2480億円)となった。

中国政府認定の三大経済専門紙の一つである「中国証券報」によると、疫病の流行、利益還元、準備金増加などが主因で、主要国有銀行6行の純利益はいずれも前年と比べて減少したと報じた。具体的には、郵政儲蓄銀行が9.96%、農業銀行が10.38%、建設銀行10.74%、工商銀行11.40%、中国銀行11.51%、交通銀行14.61%とそれぞれ減少した。

*商業銀行9行の半期純利益は11.44%減

中国金融情報サイト「第一財経」によると、華夏銀行、平安銀行、光大銀行、民生銀行、浙商銀行などの商業銀行の純利益は前年同期比で10%以上の減少となった。なかでも、華夏銀行の純利益減少が最も深刻で、同比11.44%減となった。平安銀行は同比11.2%減、民生銀行は同比10.02%減。

一部のアナリストは、「現在、民間企業および中小企業は依然として大きな経営圧力に直面しており、これが銀行資産の質にも潜在的な圧力をもたらしている。さらに、資本市場、政府プラットフォームおよび不動産における既存のリスクの解決は、長期的かつ継続的なプロセスになるだろう」と分析した。

*銀行の不良債権の増加による金融危機が懸念

中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)の統計によると、今年4~6月期(第2四半期)末の商業銀行の不良債権残高は2兆7400億元(約42兆5400億円)に達し、1~3月期(第1四半期)末と比べ1243億元(約1兆9297億円)増加したことがわかる。

6月末時点で、主要国有銀行6行の不良債権比率は、1~3月期末と比べて上昇した。なかには、民生銀行の2020年半期報告書によると、同行の不良債権残高は642億5600万元(約9976億円)で、上昇幅が18.04%となった。

銀保監会の郭樹清主席は、国営新華社通信の取材に対し、今年上半期、銀行業界における新たな不良債権が増加しており、近い将来、相当額の融資を回収できないと懸念をあらわにした。

全国で展開する商業銀行、恒豊銀行は、2019年8月に中国当局に接収された。同行は、2016年の業績報告書において、不良債権比率を1.78%とした。しかし、2018年末、同銀行の不良債権比率は28.44%で、不良債権残高が1635億6100万元(約2兆5393億円)であることが明らかになった。

信用格付け世界大手の米S&Pグローバル・レーティングは今年2月、中国の銀行業界の不良債権が7兆7000億元(約120兆円)増え、10兆1000億元(約157兆円)になった可能性があると分析した。

金融学者の何軍樵氏は、中国の不良債権拡大について、「国有企業に対してむやみに資金を提供したことのほかに、役人と企業が結託して銀行から融資を詐取してきたことも原因の一つだ」との見解を示した。

同氏は、中国当局が紙幣の大量印刷、不良債権の帳消し、または不良債権の金融商品化で、金融機関の破たんを遅らせようとしていると指摘した。しかし、「米国との間で金融的なデカップリング(切り離し)が発生すれば、中国国内で、システミックな金融危機が直ちに起こるだろう」との懸念を示した。

(大紀元日本ウェブ編集部)



【ニュース提供・大紀元】




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