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NYの視点:米国の製造業回復は順調も消費が当面全体経済の回復を抑制か


米供給管理協会(ISM)が発表した7月ISM製造業景況指数は54.2と、6月52.6から予想以上に上昇し、昨年3月来で最高となった。ウイルスパンデミックが起因した混乱から製造業は引き続き回復基調にある。調査対象企業のセンチメントは6月に続き楽観的。

同指数の重要項目である新規受注は61.5と、2019年9月来で最高となった。また、生産も62.1と、2018年8月来で最高。受注残(back log)も51.8と45.3から50を突破し活動の拡大に転じ、2019年4月来で最高となった。このことは、将来の新規受注を増加させるとの期待にもつながっている。世界経済の回復も手伝い輸出も50.4と5カ月ぶりの活動拡大に転じた。国内経済活動の再開で輸入も53.1と5カ月連続の50割れで活動縮小から拡大に転じ、2019年2月来で最高となった。

唯一、雇用の伸びが冴えないことは懸念材料となる。44.3と、42.1か上昇したものの12カ月連続での50割れで活動縮小を続けている。ただ、強い新規受注や受注残の増加が潜在的に雇用を今後、押し上げる可能性も指摘されている。

■7月ISM製造業景況指数
景気指数:54.2(6月52.6)
新規受注:61.5(56.4)
仕入れ価格:53.2(51.3)
生産:62.1(57.3)
受注残:51.8(45.3)
入荷遅延:55.8(56.9)
在庫:47.0(50.5)
顧客在庫:41.6(44.6)
雇用:44.3(42.1)
輸出:50.4(47.6)
輸入:53.1(48.8)

順調な回復にもかかわらず、米国経済全体に占める製造業の割合は3割前後に過ぎず、引き続き停滞している消費が全般的な景気回復を当面抑制する可能性が警戒される。







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