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コロナショックによる格差拡大、在外送金は20%減【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


世界銀行によると、2019年の在外送金額は総額6,533億ドルであり、送金額が大きい国は、インド(831億ドル)、メキシコ(386億ドル)、フィリピン(352億ドル)、エジプト(268億ドル)、フランス(264億ドル)などであった。送金は中低所得国の貧困を緩和し、栄養状態を改善し、教育への支出を増やし、恵まれない世帯の児童労働を減らすという経済効果があった。

多くの国では、コロナショックに見舞われた3月以降、感染防止のためのロックダウン政策の導入を余儀なくされた。その結果、世界的に経済活動が一時的に大きく縮小したが、その影響は海外労働者も受ける。世界銀行は、2020年の在外送金額が20%減少すると見込んでおり、ヨーロッパと中央アジア(27.5%)、サハラ以南のアフリカ(23.1%)、南アジア(22.1%)で高い減少率が予想されている。

世界のGDP合計に対する在外送金額は0.76%にとどまるため、20%減少したとしても、世界経済全体への影響は限られよう。ただ、その依存度は国によって大きく異なる。特に多くの中低所得国では、在外送金への依存度が高い経済構造の国が少なくないため、在外送金が縮小すると、自国経済の消費に対する悪影響も不可避となる。対GDP比で送金額が高い国は、トンガ(40.7%)、キルギス(33.2%)、ハイチ(32.5%)、タジキスタン(29.0%)、ネパール(28.6%)などである。フィリピン(10.2%)、エジプト(10.2%)なども、在外送金に対する依存度が高い。

(株式会社フィスコ 中村孝也)



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