船橋洋一氏インタビュー 地経学、デジタル人民元 そして日本のこと vol.3【フィスコ 株・企業報】
文:清水 友樹/写真:大塚 成一
日本における独立系のグローバル・シンクタンク、アジア・パシフィック・イニシアティブの船橋洋一理事長は、このほど最新刊『地経学とは何か』(文春新書)を上梓した。日本政府はこの4月から国家安全保障局の中に経済安全保障ユニットを創設し、地経学を外交政策の主要テーマとした。世界は地経学の時代に突入している。船橋氏に、日本の地経学的課題、なかでも「デジタル人民元」が世界に及ぼす影響、そして日本の今後などについて聞いた。
■ドルの時代は終わっていない 依然、アメリカの強みは通貨ドルにある
深センではファーウェイやテンセントが生まれた。「中国は知財を盗んでここまで来た。真の独創性はない」という意見もあるが、私はそうは思わない。一党独裁の政治体制は最後のところ個人のイマジネーションを干からびさせるとは思うが、少なくとも今後10年、中国の技術革新は止まらないだろう。
技術革新は、マーケットと結合し、多数のカスタマーに使われて初めてイノベーションをもたらすが、中国は技術革新によるディスラプティブな影響を甘受する巨大なカストマー、つまり中国共産党がいる。彼らは、政治体制を維持するため、そして、アメリカとの競争に勝つため、死に物狂いでこの技術革新を進めていくだろう。
資本主義的な発想では、需要があって初めて社会実装が生まれるが、中国は需要をつくってから社会実装しようとする。自分たちの体制をより強くするために新しいテクノロジーを積極的に活用しようとする中国共産党が需要の創出を担保してくれるのだから、マーケットの参入者は「中国共産党が買ってくれる」と安心できる。だから、巨大な市場が一気に生まれる。
こうした背景を持つ中国だからこそ、早晩、デジタル人民元はリリースされるはずだ。はじめから一気にクロスボーダー、つまり海外で取引させるのではなく、まず国内で実験するところから始めるだろう。デジタル人民元の最大の狙いは、ドルの通貨覇権、つまり基軸通貨としてのドルに対抗することだ。
もともと、中国は人民元そのものを準備通貨にすることを考えていた。2009年のリーマン・ショック直後に当時の中国人民銀行総裁・周小川は「米ドルだけが準備通貨の時代が終わった」と言った。リーマン・ショックでアメリカが衰退し、ドル時代が終わると見たわけだ。その後、SDR(特別引き出し権)の構成通貨に人民元が入ったことで、立派な国際通貨になったわけだが、依然として多くの国が外貨準備として人民元を保有することはない。全世界の外貨準備に占めるシェアは、日本円ですら3〜4%あるのに、人民元は1%程度しかない。
そうなった理由が二つある。ひとつは変動相場制をとっておらず、自由に売買ができない点にある。もうひとつは2015年〜16年に株価が大暴落した際に、資本流出に対して、利上げで防衛せずに資本流出規制を敷いたことだ。いざとなると資本規制されるような通貨では、決済通貨として使えても、価値の保存手段としては怖くて持つことができない。人民元は通貨覇権のパワーゲームでオウンゴールで敗退したとみてよい。
アメリカは石油の純輸出国になったし、シリコンバレーや世界最高の大学、シンクタンク、などで依然として多くの強みを持つが、なんといっても世界の基軸通貨であるドルが最大の強みだ。
たとえば、イランの核開発に対して、アメリカは制裁措置をとっているが、そのなかのひとつが、イラン金融機関の国際的取引からの締め出しだ。
国際金融の決済システム「SWIFT(国際銀行間通信協会)」は、アメリカにとって最強で最後の砦といえるかもしれない。2016年時点で200以上の国・地域、約1万1000の金融機関がドル取引にこの決済システムを使うが、すべての送金データをニューヨークで把握することができる。もしSWIFTから除外されれば、国際取引ができなくなるため、除外された銀行はあっという間につぶれてしまう。
北朝鮮の金王朝やオサマ・ビンラディンが秘かに資金を動かしたことは、このドル決済システムを監視できたからこそ突き止めることができた。
もしSWIFTから除外されれば、国際取引ができなくなるため、除外された銀行はあっという間につぶれてしまう。
(つづく~「船橋洋一氏インタビュー 地経学、デジタル人民元 そして日本のこと vol.4【フィスコ 株・企業報】」~)
【船橋 洋一 Profile】
1944年、北京生まれ。ジャーナリスト、法学博士。一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。英国際戦略研究所(IISS)評議員。東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社入社。北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、朝日新聞社主筆。主な作品に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『カウントダウン・メルトダウン』(文藝春秋)、『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』(朝日新聞社)、『地経学とは何か』(文春新書)など。
●船橋 洋一著 『地経学とは何か』 本体価格900円+税 文春新書
地理的条件、歴史、民族、宗教、資源、人口などをベースに国際情勢を分析する「地政学』では、地政学的課題を解決できなくなっている。アメリカや中国といった超大国は経済を武器として使う—それこそが「地経学」。地政学に経済という要素を加えた視点なくして、現代の世界を俯瞰できない。新たな視点を与えてくれる一冊だ。
<HH>
古舘伊知郎「本当にうまくやりましたね」 事実婚発表たかまつなな氏をニヤリと祝福
「毎日が新しい1日」フリーマン、悪夢振り払う先制打 同僚とのタイトル争いは「チームとして」
大谷翔平、メジャー最速で120得点に到達、メジャー単独トップ独走中 2位ジャッジの97得点
二階堂ふみ、結婚後初の近影を投稿 白いうなじの美しい和服姿「日本の美」
「普通に投げれば打たれない」大谷翔平の登板にNHK解説が期待&提言「もう少し間を取って」
【甲子園】県岐阜商、日大三との準決勝を前に練習 横山温大「切り替えてきました」と気合
NHK朝ドラ「ばけばけ」にシャーロット・ケイト・フォックス出演「大変うれしい」5年ぶり来日
平野綾、離婚発表後も多忙極める「2週間くらいずっと体壊してたさ」「頑張るさ」
【甲子園】ベスト4出そろう 日大三は過去2度V、県岐阜商は1度 学校別優勝回数
災害時にも、日常にも。BLUETTI(ブルーティ)が「防災の日」を前に「ポータブル電源のある暮らし」を提案!害対策の重要性と推奨モデルを紹介、お得に購入できる「防災キャンペーン」も開催
新幹線“キセル乗車” 驚がくの手口とは
水卜麻美アナ、生放送で突如号泣 スタジオ騒然 大粒の涙ボロボロこぼし「ごめんなさい…」
あのちゃんが実名告白「もっと笑顔にしたい」38歳元アナ女優「めっちゃ暗い、何かたまってる」
細木数子さんに「うるせーな、クソババア!」暴言吐いた62歳女性芸人「上から言われたので…」
「けしからん格好」23歳タレント“衝撃バストライン”に悶絶の声「奇跡のスタイル過ぎる」
大谷翔平が提訴された不動産巡る訴訟 投資会社が自社に全責任と主張「異議申し立ては根拠ない」
カンニング竹山「アッコにおまかせ」生放送を急きょ欠席 和田アキ子「さっき電話しましたけど」
<1分で解説>福山雅治さん、フジ「不適切会合」への出席認める
体の一部切除手術の起業家グラドル、大胆ピンク色のビキニ大公開!プールサイドに乗り上げ強調
松本人志飲み会参加元セクシー女優、怒りの投稿「こうゆう奴は地獄に落ちてほしい」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
新幹線“キセル乗車” 驚がくの手口とは
オードリー若林結婚で嫁の名前がソッコーで特定する動き始まる
水卜麻美アナ、生放送で突如号泣 スタジオ騒然 大粒の涙ボロボロこぼし「ごめんなさい…」
【おすすめアニメ50選】完結済み!定番から最新作まで!
大谷翔平と代理人バレロ氏が訴えられる、ハワイの高級リゾート住宅建設プロジェクトを巡り
二階堂ふみとカズレーザーが結婚を発表
あのちゃんが実名告白「もっと笑顔にしたい」38歳元アナ女優「めっちゃ暗い、何かたまってる」
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
サンモニ膳場貴子が「失言生謝罪」の青木理氏に“17文字”でコメント

古舘伊知郎「本当にうまくやりましたね」 事実婚発表たかまつなな氏をニヤリと祝福
「毎日が新しい1日」フリーマン、悪夢振り払う先制打 同僚とのタイトル争いは「チームとして」
大谷翔平、メジャー最速で120得点に到達、メジャー単独トップ独走中 2位ジャッジの97得点
二階堂ふみ、結婚後初の近影を投稿 白いうなじの美しい和服姿「日本の美」
「普通に投げれば打たれない」大谷翔平の登板にNHK解説が期待&提言「もう少し間を取って」
【甲子園】県岐阜商、日大三との準決勝を前に練習 横山温大「切り替えてきました」と気合
NHK朝ドラ「ばけばけ」にシャーロット・ケイト・フォックス出演「大変うれしい」5年ぶり来日
【甲子園】ベスト4出そろう 日大三は過去2度V、県岐阜商は1度 学校別優勝回数
平野綾、離婚発表後も多忙極める「2週間くらいずっと体壊してたさ」「頑張るさ」
災害時にも、日常にも。BLUETTI(ブルーティ)が「防災の日」を前に「ポータブル電源のある暮らし」を提案!害対策の重要性と推奨モデルを紹介、お得に購入できる「防災キャンペーン」も開催