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IMFのコロナシナリオと経済影響【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】


IMFは4月の「世界経済見通し」のベースライン・シナリオで、2020年の世界経済成長率をマイナス3.0%、2021年をプラス5.8%と予測した。従来、2022年~24年はプラス3.6%成長が予想されていたが、今回は2022年以降の見通しには言及されていない。

ただ、状況があまりにも不透明なこともあり、上記のベースライン・シナリオの他に、コロナショックに応じて、3通りのリスクシナリオが提示されている。シナリオ1は、2020年のウイルス蔓延との戦いの影響を、ベースライン想定より約50%長く見積もったもの、シナリオ2は、2021年に2回目の感染が穏やかに発生することを考慮したもの(影響度は初回の2/3程度)、 シナリオ3は「2020年の長期化+2021年に再発」と、両者を組み合わせたものである。

シナリオ1では、2020年のGDPはベースラインを3%下回り、その後ベースラインに向かって徐々に回復するものの、ベースラインより約1%低い状態が続くことが見込まれている。シナリオ2では、2021年のGDPはベースラインをほぼ5%下回る。そして、シナリオ3の「2020年に長期化+2021年再発」では、2021年のGDPはベースラインをほぼ8%下回り、その後回復するが、2024 年でもベースライン4%超下回ったままとなる。ただ、2022年には2019年の水準を回復する見通しとなっている。

一方で、予想成長率を見ると、シナリオ3における2020~21年の予想は、ベースライン想定を大きく下回る。ただ、その分だけ、テクニカルではあるものの、2022~24年の伸びはベースライン・シナリオを上回る見通しとなっている。

(株式会社フィスコ 中村孝也)



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