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オフショア金融エコシステムとブロックチェーン技術は米中戦略ゲームの分水嶺(3)【中国問題グローバル研究所】


【中国問題グローバル研究所】は、中国の国際関係や経済などの現状、今後の動向について研究するグローバルシンクタンク。所長の遠藤 誉教授を中心として、トランプ政権の”Committee on the Present Danger: China” の創設メンバーであるアーサー・ウォルドロン教授、また北京郵電大学の孫 啓明教授らが研究員として在籍している。関係各国から研究員を募り、中国問題を調査分析してひとつのプラットフォームを形成。考察をオンライン上のホームページ「中国問題グローバル研究所」(※1)にて配信している。


◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している孫 啓明教授の考察「オフショア金融エコシステムとブロックチェーン技術は米中戦略ゲームの分水嶺(2)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。



四、ブロックチェーンのイノベーションが直面する課題とその動向
(一)ブロックチェーンのイノベーションが直面する課題
1. ブロックチェーン技術のフレームワーク自体はまだ未熟である
ブロックチェーンは生まれてからわずか10年しか経っておらず、ほとんどの技術と比べてまだまだ初期段階にあり、拡張性と効率は改善が必要で、ビジネスモデルも更に改善する必要がある。現時点では、まだ多分野分散型アプリケーション(DAPP)の大規模な商業利用に耐えることができない。同時に、秘密鍵の暗号化、スマートコントラクト、シャード、クロスチェーン、サイドチェーンなどの主要技術、DAG、DPOSなどの合意形成アルゴリズムとインセンティブ設計はまだ試運転の段階でしかなく、ブロックチェーンはまだプログラムやコードの抜け穴の改善が必要としている。

2. インフラ整備と規模化はまだ足りない
ブロックチェーンの正常な動作には、同期の最適化とリアルタイム変換など多くの問題を伴っている。ブロックチェーンに情報を記録するには、複数の関係者の参入とデータ同期を必要としている。現状では、ハードウェアとソフトウェアの構築はまだ時間がかかり、超大容量のブロックチェーンストレージシステムはまだ実現が困難である。同時に、ブロックチェーン技術の特性を従来型産業と結びつけるには、従来型産業のデジタル化、ネットワーク化、知能化を伴う必要があり、これも一朝一夕に達成できるものではない。大規模な利用にはまだ時間がかかる。

3. 業界の監督管理メカニズムはまだ改善の余地がある
ブロックチェーンの非中央集権的、仲介が不要な特性により、業界の監督管理が更に困難となり、その技術的特性によって、特定の個人または組織が所有し管理することができなくなる。たとえ法律でブロックチェーンの組織またはプロジェクトの創立者が予測可能な損害の連帯責任をすべて負わなければならないと決めても、創立者が匿名または多数であるため、責任者を特定できない可能性が残っている。

(二)ブロックチェーンの今後の動向
1. ブロックチェーンの既存の産業規模は巨大であり、そして高い成長率を維持している
世界的に見ると、ブロックチェーン産業には十分な推進力を持っている。ブロックチェーンの利用ケースは最初のデジタル通貨とマイニングマシンの生産から金融サービス業へ広がり、更にサプライチェーン、デジタル著作権、食品トレーサビリティなど多くの分野に浸透している。中国電子学会の集計によると、2017年世界のブロックチェーン産業規模は52億ドル、2018年は78億ドル、そして2019年の予測は120億ドルであり、2013年から2019年までの年間平均成長率は60%を超えている。

中国を見ると、ブロックチェーン産業にはまだまだ上昇の余地がある。インターネット大手の継続的な投資と新興テクノロジー企業の積極的な参入により、そして巨大な潜在市場があるため、ブロックチェーン産業は2-3年の短い期間で、現在の産業のすべての段階をカバーする準備ができている。ブロックチェーンを主要事業とする数百の企業は上流産業のハードウェア製造、プラットフォームサービス、セキュリティサービスから下流産業の産業技術応用サービス、そして産業の発展を支える投資と資金調達、メディア、人材サービスなど複数の段階を全部カバーしている。

2. ブロックチェーン産業には開拓の余地が大いにある
まずは、金融業での利用から、経済・社会の多分野、大規模、産業化への利用へ移行すること。かなりの数のブロックチェーン基盤は、ジャード、クロスチェーン、サイドチェーンなどの技術を利用し、商業利用レベルの高性能ソリューションの提供に専念している。米国、ドイツ、オランダ、シンガポールなどの国は既にブロックチェーンに基づき、物流追跡、生産製造、エネルギー決済、チャリティ管理などの多方面にわたる利用を展開している。

つぎに、ブロックチェーン、ビッグデータ、人工知能、モノのインターネットに代表される次世代の情報技術が体系的に、全体としてシナジーして、融合する傾向を示している。物理世界とデジタル世界の融合を実現すると、データと情報が信頼できる相互接続に基づき、使用価値と交換価値を持つことになる。
最後に、ブロックチェーンは高速な、智能な、汎用的、安全かつ統一な次世代情報インフラを構築することになる。電子手形、資産信託、物流輸送、食品医薬品安全トレーサビリティ、デジタルコンテンツの著作権などの分野におけるブロックチェーンの利用は、最終的に異なるタイプのユーザに対してより高速、より安全、より互換性が高い、より効率なサービスを提供することになるだろう。
中国の将来のブロックチェーン産業は、基礎理論と技術研究に力を注ぐ。特にブロックチェーンストレージ、暗号化、合意形成、クロスチェーンなどの主要技術の研究開発と応用を支援し、ブロックチェーン技術の学際的基礎研究と応用研究を促進し、インフラ構築を加速させる。5Gとブロックチェーンの融合を加速させ、国のパブリックチェーン、業界団体のブロックチェーンなどR&Dプラットフォームを試験的に推進し、ブロックチェーンの効率と実用性を高め、業界の応用レベル重点的に高める必要がある。中国政府はデジタル通貨取引の管理政策の検討を加速させるであろう。そしてブロックチェーン技術に基づく中国のデジタル通貨とオフショア金融事業には明るい未来があると、筆者は信じている。

(この評論は11月17日に執筆)

※1:中国問題グローバル研究所
https://grici.or.jp/



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