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NYの視点:FOMC議事録、政策方針で柔軟性強調、現時点で利下げは予想せず


米連邦準備制度理事会(FRB)は3月19日—20日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表した。FRBはこの会合で、中国や欧州経済の成長鈍化を理由に利上げを見送り、景気判断・見通し、インフレ、金利見通しをそれぞれ引き下げ年内の利上げを見送る方針を示した。

議事録の中で、リスクの上昇で、大半のメンバーが年内の金利据え置きが正当化されると見ていることが再確認された。同時に、一部のメンバーはもし、経済の成長が長期の潜在的水準を上回った場合は、「年後半の利上げが適切」と主張。数人のメンバーは経済動向次第で、金利政策が「利上げ」「利下げ」どちらの方向にもシフトする可能性に言及するなど、委員会の柔軟な姿勢が示された。

景気判断では、さまざまな不透明感から、昨年10−12月期の成長減速が1−3月期も継続すると見ている。リスクには英国の欧州連合(EU)離脱、国内の消費の弱さが長期化すること、欧州や中国経済の成長減速の深刻化などを挙げた。ただ、景気減速やリスクが存続する中、景気の弱さは「一時的」との判断で、メンバーは概ね経済活動の拡大が続き、労働市場も引き続き強く、インフレも2%前後で推移すると見ている。FOMCが注視している米労働省が10日発表した消費者物価指数(CPI)のコア指数は前年比で+2%と予想外の低下となったが、目標値はかろうじて保っている。

FOMCは万が一、リセッションの兆候などが見られたら利下げに踏み切る準備があることを証明したものの、現時点で利下げは予想していないようだ。

●政策:
リスクにより、年内の政策金利据え置きが正当化

●見通し:
景気次第で金利は両方に動く可能性、
もし、経済が長期の潜在的水準を上回った場合は年後半に利上げも

●景気判断:
昨年10−12月期の成長減速が1−3月期も継続する見通し

●不透明リスク:
・英国の欧州連合(EU)離脱、
・国内の消費の弱さが長期化すること
・欧州や中国経済の成長減速の深刻化




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