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中国の地方隠れ債務が「GDPの60%」、巨大な信用リスク伴う=米S&P



米格付大手S&Pグローバル・レーティングス(以下、S&P)はこのほど、中国地方政府の「隠れ債務」規模が40兆元(約648兆円)に達したとの調査報告を発表した。これによると、2017年中国の公的債務総規模は国内総生産(GDP)の60%を占めた。S&Pは中国の債務問題について、「巨大な信用リスクを伴っている」と警鐘を鳴らした。

中国の地方政府は、インフラ建設や不動産投資の資金調達のために、地方融資平台(LocalGovernmentFinancingVehicles,LGFV)を設立し、社債を発行してきた。中国当局は、この部分の社債を地方政府の債務ではないと定めている。S&Pは、こうした地方政府の隠れ債務は2017年まで、30~40兆元(約480兆~648兆円)まで膨らんだとの見方を示した。

在米中国経済学者の何清漣氏は以前、中国の公的債務による大規模な債務不履行(デフォルト)の可能性が高いと指摘した。同氏によると、世界金融危機を受けて、2009年中国当局が打ち出した景気刺激策の下で、4兆元(約64兆円)とLGFVによる20兆元(約320兆円)余りの資金が中国国内不動産市場とインフラ投資に投じられた。同氏は、中国経済は自転車操業だと批判した。

米中貿易戦の白熱化で、中国経済の鈍化が鮮明となっている。当局は景気にテコ入れするため、これまでのデレバレッジ政策(債務圧縮)から一転、緩和的な金融政策に転換した。またインフラ投資計画を拡大するため、積極的な財政政策の強化を表明した。今後地方政府が抱える債務が一段と増えると懸念されている。

最近中国当局は、金融リスクの拡大を阻止する狙いで、LGFVの破たんを容認する動きを見せている。

今年8月、中国新疆ウィグル自治区の地方政府融資平台、「新疆建設兵団第6師国有資産経営有限責任公司」は国内で発行した5億元(約80億円)規模の債券について、期限内に利払いと償還金の返済が困難だとし、実質上のデフォルトを発表した。デフォルトした初めてのLGFVとなった。

地方政府の債務危機拡大に警戒したS&Pは9月12日、中国の天津市、重慶市、無錫市、長沙市などのLGFV7社について、格付けを1段階引き下げた。S&Pは「中国当局のLGFVへの支援は時間の経過とともに強まる可能性がある」との見方を示した。

また米格付大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスも同日、江蘇省や湖南省などのLGFV5社の格付けを引き下げた。

9月13日、中国当局は各地方政府に対して、債務超過となったLGFVについて破産させる方針を通達した。

香港紙サウス・チャイナ・モーニングポスト(16日付)によると、S&Pのアナリストは中国のLGFVのデフォルトリスクは以前より高まっていると指摘した。

(翻訳編集・張哲)



【ニュース提供・大紀元】




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