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NYの視点:5月雇用統計は市場予想やトランプ大統領の期待を上回る内容に


米労働省が1日発表した5月の雇用統計では、非農業部門の就業者数が前月比+22.3万人、失業率は4月から0.1ポイント低下して3.8%、平均時間給は前年比+2.7%の伸びを記録した。また、非農業部門の就業者数は3月と4月の2カ月間で1.5万人上方修正された。5月の雇用統計は大方の市場関係者の予想やトランプ大統領の期待を上回る内容となった。

市場関係者が最も注目していた平均時間給の伸びが市場予想をやや上回ったことから、年内に合計4回の利上げが実施される可能性はやや高まった。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出するFed Watchによると、年4回以上の利上げが実施される確率は6月1日時点で34.3%に上昇している。(5月31日時点では26.4%)

市場関係者の間では「年4回の利上げが織り込まれたわけではないが、労働市場が完全雇用の状態に近づいていることが再確認された」との見方が広がっている。減税政策の効果が出てくるのはこれからになるとみられており、今年後半にかけて雇用の拡大が続く可能性は一段と高まった。また、市場関係者の一部は「平均時給は緩やかに上昇していくことになり、上昇率は一時的に前年比3%に達する可能性がある」と指摘している。

ただし、トランプ政権がカナダやメキシコ、欧州連合(EU)からの鉄鋼とアルミニウムに輸入関税を課したことは雇用市場に悪影響を及ぼす可能性があることから、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利引き上げを急がず、各種経済指標を点検しながら、金利引き上げを慎重に進めていく姿勢を保つとみられる。株式市場関係者の間からは「今年の利上げは6月を含めてあと2回で結構、来年は2回程度が妥当」との声が聞かれているが、経済の実態を考えると願望ではなく、妥当な見方と言えるだろう。




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