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【休日に読む】一尾仁司の虎視眈々(1):◆自民大勝、海外情勢に目向く◆


〇国内は企業決算、米中情勢に関心〇

週末相場は、57年ぶりに訪れたチャンスを逃さないと、お祭り好き有志?のお陰で、日経平均14連騰が維持された。朝安だったが、時間外のNY株高、香港株の切り返し、円安基調などが追い風となった。場中は日銀の買いが入ったと思ったが、出動しておらず、地合いの強さを示す事例となった。今朝方の時間外取引では、日経平均先物21700円前後の攻防、ドル円114円接近の展開で、不測のニュースが飛び出さない限り、戦後最長の15連騰が見込まれる。ただ、台風通過中で、閑散相場の可能性がある。日経平均のゾーン想定は20500~22000円を継続する。勢い加速で22000円接近なら、スピード警戒感につながろう。

総選挙結果は、ほぼ事前予想通り自民大勝となった。目立ったのは、安倍首相の慎重姿勢と組織票で手堅いとされた公明、共産の退潮。両党は、機関紙販売を資金源とするが、新聞退潮の影響を受けているとされること、支持者・活動家の高齢化、地盤としてきた商店街の衰退の影響、トップの在任が長期化し新鮮味が得られないなどで共通する。日本の社会構造の変化を象徴する印象だ。

総選挙後の施策が一気に動き出さないとすれば、国内要因は3月期決算企業の第2四半期決算に移る。既に業績上方修正を発表した銘柄でも材料出尽くし感から売られるところがあり、再度見直しの動きが広がるか注目点となろう。

スケジュール的には、25日発表予定の中国共産党指導部のメンバーが注目される。日経新聞が「王岐山氏、最高指導部退任」を報道しており、後任は趙楽際・中央組織部長(習氏に近いとされる)としている。常務委7名体制は維持するとしているが、メンバーは各紙で微妙に異なるので、注目ポイントとなろう。習主席が3時間半演説で言及しなかった対北朝鮮姿勢が明らかになるかも注目点。

米国では月内に明らかになるとされるFRB議長後任人事の行方が、まず焦点。徐々に、11月上旬のトランプ・アジア歴訪に向け、対北朝鮮対策、米中通商問題などの注目度が増そう。

19日付ブルームバーグは、「油断の先に痛みか、ジャンク債運用者が株に投資シフト」と題する記事を配信した。それによると、年初来最高の投資利回りを上げているフィデリティ・キャピタル・アンド・インカムファンドは株式投資比率を2割余りに増やしている。ルーミス・セイレス・ハイインカムファンドなどが追随していると言う。ハイリスク・ハイリターンのジャンク債(低格付け債)ファンドが株式運用を増やしているのは、米株高を支えるグレートローテーション(債券から株式へ)が運用競争の段階に移行していることを示す。金利先高観、ドル高基調などの変化によって、これらの資金が債券に戻る時に株価は調整場面となり易い。トランプ減税の行方なども含め、米国情勢はこの視点を持って置きたい。

以上


出所:一尾仁司のデイリーストラテジーマガジン「虎視眈々」(17/10/23号)



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