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M&Aで起こる「のれんの減損」~第2回減損が発生する過程—日本郵政の事例~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)


こんにちは、フィスコマーケットレポーター馬渕磨理子の「eワラントジャーナルの気になるレポート」です。

eワラントジャーナルのコラムで「日本郵政のM&Aで起こるのれんの減損」についての記事を見つけましたのでご紹介いたします。

日本は現在、バブル末期の1980年代後半、ネットバブルの2000年初頭に続いて、第3の海外M&Aブームの真っただ中にあると言われています。そんな中で、日本郵政<6178>はグローバル物流企業への脱皮を目ざしてトール社を買収しました。しかし、その買収は適正価格を大幅に上回る「高値づかみ」になった可能性があります。同コラムでは、日本郵政のトール社減損事例について解説しつつ、将来の予測(デューデリジェンス)に対しての甘さに言及しています。

のれんの金額とは、買い手が期待して高く購入した会計上の『高く買った分』であると言えます。そのため、『期待外れの結果となった場合は、のれんは当初の金額よりも実際は小さい、と考えることになり、価値を減らす必要があります。そして、のれんの資産価値を減少させる際に損失が発生』すると、減損の過程を同コラムでは解説しています。

M&Aの過程の企業価値算定のアプローチのプロセスとして、同コラムでは『アセット・アプローチ』と『インカム・アプローチ』を紹介しています。アセット・アプローチと呼ばれる企業価値評価での算定では、『買収金額が資産−負債の金額の何倍程度になるのかを検討』します。インカム・アプローチでは、『企業の価値を将来に入ってくるお金から計算』します。

これを、日本郵政の場合に当てはめてみますと、アセット・アプローチでは、トール社の『資産−負債の価値がおよそ1,400億円』であり、そのトール社を『6,100億円と資産価値の4倍以上で買収』したことになります。一方、インカム・アプローチでは『買収時に日本郵政はトール社の企業価値を7,900百万豪ドル(当時の為替レートから、約7,500億円程度)と見積もっていた』ようで、『「7,500億円の会社を6,100億円で買える。」という感覚』が働いていた可能性が高いかもしれません。残念ながら、『買収時に見積もった約7,500億円の企業価値は、2017年4月のリリースによれば2,600百万豪ドル(2017年4月の為替レートから、約2,200億円程度)と1/3未満にまで下落しています』と述べられています。

同コラムでは、『当然、当時の細かな算定資料は入手できませんのではっきりとはいえませんが、将来の予測に対してかなり甘い見通しを立てていた可能性は否定できません』と締めくくっています。


なお、上記の記事の詳細は、eワラント証券が運営している「eワラントジャーナル」の5月8日付のコラム「M&Aで起こる「のれんの減損」~第2回減損が発生する過程—日本郵政の事例」にまとめられています。

馬渕磨理子の「気になるレポート」は各種レポートを馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合がありますので、ご留意くださいませ。

フィスコマーケットレポーター 馬渕磨理子




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