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短期的な値幅取り狙いの動きが中心


27日の日本株市場は、トランプ次期大統領の関税案やSNSの投稿に対する警戒感から売りが先行する展開となっています。米国市場では最高値更新の先高感があるものの、貿易摩擦への懸念が売買を手控えさせる要因となっています。円相場は1ドル153円00銭台で推移しており、シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円安です。200日線や25日線が抵抗線として意識され、短期的な値幅取りが中心となりやすい状況ですが、材料の出た銘柄に短期資金が集中しやすくなっています。長期的にはバリュー株へのシフトや中小型株にも注目が向けられています。

*08:39JST 短期的な値幅取り狙いの動きが中心  27日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、こう着が強まる相場展開になりそうだ。26日の米国市場はNYダウが123ドル高、ナスダックは120ポイント高だった。トランプ次期大統領が示した中国、メキシコ、カナダに対する追加関税案による影響を警戒し、朝方は売りが先行した。その後、イスラエル治安内閣がレバノン停戦合意を承認したとの報道で中東情勢の悪化懸念が後退、さらに、米連邦準備理事会(FRB)が公表した11月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、労働市場や経済の下方リスクが後退したと指摘されるなか、プラス圏を回復した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円安の38330円。円相場は1ドル153円00銭台で推移している。

 日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢の展開から始まりそうだ。米国市場ではNYダウ、S&P500指数が最高値を更新するなど、先高期待が高まっているが、トランプ氏のSNSの投稿によって貿易摩擦への警戒が積極的な売買を手控えさせそうである。前日の日経平均株価は38020円まで売られ、節目の38000円を割り込まなかったほか、75日線が支持線として意識されるなか、いったんは自律反発の動きもありそうだ。ただし、200日線、25日線辺りが抵抗線として意識されやすく、同線突破を狙った買いの勢いは限られよう。

 また、今回のトランプ氏のSNSへの投稿が為替市場で大きな変動につながった。ボラティリティが高まるなか、トランプ氏のSNSへの注目が集まりやすく、それ故に発言内容においては一段と過剰な反応をみせてくる可能性もあるだろう。積極的にポジションを傾けにくい需給状況になりやすく、材料の出た銘柄などに短期資金が集中しやすい。短期的な値幅取り狙いの動きが中心になりやすい一方で、いったん値動きが鈍くなると資金の逃げ足も速くなるため、フットワークが重要になりそうだ。

 長期的なスタンスの資金については、バリュー株へのシフトになりそうだ。米国ではエヌビディアが小幅ながら反発したことが指数インパクトの大きい値がさハイテク株の安心材料になりそうだが、SOX指数は弱い値動きだったこともあり、リバウンド期待は高まりにくいと考えられる。半導体株については、戻り待ち狙いの売りが入りやすいとみておきたい。そのほか、全体相場が不安定ななか、海外勢のフローも週末にかけて減少するとみられるなか、インデックス売買に振らされにくい中小型株へのシフトも意識されよう。
<AK>
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