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3月期末に向けた配当志向の物色に向かいやすい


 11日の日本株市場は、売り一巡後はこう着感が強まりやすい相場展開になりそうだ。10日の米国市場ではNYダウが112ドル安だった。ロシアとウクライナ外相の停戦交渉で進展はなく、さらに2月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る上昇だったことから、インフレへの警戒感が改めて強まった。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを警戒した売りも再燃し、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比440円安の25060円。円相場は1ドル116円10銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。ただし、前日には上昇幅が一時1000円を超える場面も見られていただけに、反動安も意識されていたとも見られる。日経平均の5日線は25281円辺りに位置しているため、売り一巡後に同線辺りでの底堅さが見られるようであれば、次第に押し目狙いの動きも意識されてくる可能性はありそうだ。予想を上回るCPIを受けてハイテク株などは手掛けづらくなりそうだが、来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げに対する見方は変わらないと考えられ、仕掛け的な売りに押される局面においては、短期的なリバウンド狙いになりそうだ。

 また、SQ通過によって市場の関心は3月期末に向けた配当志向の物色に向かいやすいと考えられる。昨日は日本郵船<9101>の強いリバウンドが目立っていたが、6%を超える上昇を見せたものの、予想配当利回りは依然として10%を超えている。流動性があり時価総額がある程度大きい好配当銘柄などへは権利取り最終日直前までのキャピタルゲインを狙った動きも意識されやすいだろう。

 また、米VIX指数は30.23に低下した、2月半ば以降の上昇基調は継続しているものの、ややトレンドを割り込みつつあるため、リスク回避姿勢はそれ程強まらないと考えられる。もっとも、ウクライナ情勢を巡り不確実性の高い外部環境であり、関連する報道によっては荒い値動きは警戒しておきたいところ。ロシアとウクライナ外相会談での進展への期待は高まってはいなかったと見られるが、ロシアは軍事作戦の続行を表明するなか、明確なリスクオンの状態には時間を要することになりそうだ。

 物色としては配当志向のほか、外部環境の影響を受けづらいIT関連のほか、再生エネルギーなどテーマ性のある銘柄などに短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。
<AK>
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