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売り一巡後は23000円レベルでの底堅さを見極め


 29日の日本株市場は新型コロナウイルス感染再拡大を嫌気した欧米市場の下落影響からリスクオフとなり、日経平均は23000円の攻防になりそうだ。28日の米国市場ではNYダウが943ドル安と大幅に下落。欧米で新型コロナウイルスの流行が再拡大しており、欧州最大経済のドイツや第2位のフランスがパンデミック対策で規制を再び強化したため世界経済の見通しが悪化。大統領選への不透明感も手伝い投資家が保有株を手仕舞う動きに拍車がかかり終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比360円安の23060円。円相場は1ドル104円30銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップスタートとなり23000円での攻防を余儀なくされそうである。ただし、足元では薄商いの中で積極的な売買は手控えられていたほか、先物市場では23000円割れを想定したショートポジションが積み上がっていたこともあり、23500円を割り込んだ辺りからは慎重姿勢が強まっていたため、波乱の展開にはならないだろう。売り一巡後の積極的なリバウンドを狙う流れは期待しづらいところであろうが、売り一巡後は23000円レベルでの底堅さを見極めたいところだろう。

 また、欧州ではフランス全土で2度目の外出制限が導入されるなか、29日に開催される欧州中央銀行(ECB)の政策委員会会合において金融緩和策を講じるとの見方が浮上しており、売り込みづらくさせそうである。また、決算発表が本格化するなか、昨日の取引終了後に決算を発表したソニー<6758>は通期計画を上方修正しており、コンセンサスを上回っている。ギャップスタートとなるなかで冷静に決算を評価する流れとなるようだと、市場は冷静に判断しているとの見方につながる。

 業績改善がみられている銘柄などへは売り一巡後の押し目を拾う動きも意識されやすい。また、足元で不安定な値動きが続いているマザーズ市場においても、欧米市場の下落影響は避けられないとみられるが、直近のリバウンド局面での底入れ意識は高まっておらず投資家は冷静だった。そのため、波乱の展開にはならず、反対に大きく下落する局面においては、資金回転が早いものの短期的なリバウンド狙いの動きが強まりやすいだろう。


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