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日経平均はレンジ上限レベルを明確に上放れてくる可能性


 15日の日本株市場は買い先行の展開から、足元のもち合いレンジを上放れてくることになろう。14日の米国市場はNYダウが556ドル高だった。カリフォルニア州などウイルス感染再燃により経済活動の再開を数段階戻す動きが見られ景気回復が遅れるとの懸念や米中関係の悪化懸念から下落で寄り付いた。

 しかし、引き続きウイルスワクチン開発期待が下支えとなり上昇に転じた。ハイテク株の利益確定が散見される一方、当局による大規模支援策が長期に渡って維持されるとの期待から引けにかけては景気循環株がけん引し上昇幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円高の22700円。円相場は1ドル107円20銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートとなろうが、グローベックスのNYダウ先物は300ドル程度上昇して推移しており、一段の上昇が見込まれる。米国ではモデルナの新型コロナウイルスワクチンの初期段階の安全性試験で、患者全員が抗体を獲得したと伝わっていることも材料視されよう。その他、中国は過去最大規模の米国産トウモロコシを購入したと伝わっており、第1段階の貿易合意に基づく目標達成へ前進したとの見方も支援材料になりそうだ。

 日経平均は足元でもち合いレンジでの推移が続いていたが、レンジ上限レベルである22700円処を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーの流れが強まることにより、一段の上昇が意識されやすいだろう。そのため、指数インパクトの大きい値がさ株が指数を押し上げてくるとみられ、ギャップスタート後の動向を見極めつつ、指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>などへは短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいところであろう。

 また、米国では景気敏感株の上昇が目立っており、相対的に出遅れが目立つバリュー株への見直しも意識されやすく、TOPIX優位の相場展開も意識しておく必要がありそうだ。また、米ハイテク株の戻りの鈍さが目立っていたほか、前日に失速していたテスラについても、自律反発程度の戻りであり、物色対象の変化も引き続き注視しておきたいところ。なお、本日はIPO3社がマザーズに上場するが、いずれも好スタートが見込まれており、個人の需給状況も良好とみられ、初値が付かない可能性があるなか、直近IPO銘柄へ資金が流れる展開もありそうだ。


<AK>

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