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相場一段高に必要なシナリオとは?


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;26869.82;+379.29TOPIX;1907.26;+24.93


[後場の投資戦略]

 前日の欧米株式市場が大きく上昇し、国内でも需給イベントへの警戒感が後退するなか、買いに弾みがつき、日経平均は午前からレンジを断続的に切り上げる強い展開となった。

 今晩の米6月雇用統計を前に様子見ムードも広がりやすいところだが、米10年債利回りの落ち着いた動きやナスダックの4日続伸劇を追い風に、短期的に傾き過ぎた悲観の揺り戻しが起きているようだ。雇用統計については、雇用者数が予想を大幅に下回るようなことがなく、平均賃金の伸びが予想並みにとどまれば、景気後退懸念とインフレ懸念が同時に緩和することとなり、その場合には相場は一段と上値を試すことになりそうだ。

 先週末に発表された米6月ISM製造業景気指数では新規受注の50割れがネガティブな事として話題になった。ただ一方で、60台後半で続いていた入荷遅延は57.3までに大きく低下し、価格も依然として高い水準とはいえ、80台半ばでの推移から70台後半にまで低下した。ニューヨーク連銀のサプライチェーン圧力指数にもピークアウト感が見られつつあり、少なくとも財・モノに関するインフレ圧力はかなり後退してきている様子。

 モノから移行してきた新たなインフレ主要因されるサービス分野については、まだインフレ沈静化の兆しが見られておらず、油断はならない。しかし、雇用統計で平均賃金の伸びが予想を下回れば、サービス分野でのインフレ抑制の目処も見えてくると捉えられ、足元でリバウンドを強めている相場が一段と上値を試す展開はあり得よう。

 いま、市場が期待しているのは上述した話が実現したうえで、7月のFOMCでは最後の0.75ptの利上げが行われ、同時に9月は0.5pt、その後は0.25ptが有力とする利上げ幅のペースの鈍化、そうしたFRBの超タカ派からタカ派への移行シナリオだろう。

 すでに高官発言などを受けて上述した利上げペースのシナリオは織り込まれているため、7月のFOMCでこうした道筋が示されれば、相場の底入れはより確実なものになってきそうだ。

 ただ、その前にはいくつかの関門が立ちはだかっている。今晩の米6月雇用統計もそうだが、来週13日に発表される米6月消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上回るようなことがあると、上述した期待シナリオは消失してしまう。また、来週からは米国で金融大手を皮切りに4-6月期決算が始まる。今回の企業決算シーズンが景気後退懸念をより強めてしまうのか、それとも大きく後退させてくれるものになるのかという点も大きく相場を左右してこよう。

 後場の日経平均はアジア市況がしっかりとした動きのなか、堅調推移が続きそうだ。雇用統計前に持ち高調整が入ることも想定されるが、中国では財政省が地方政府に対して7-12月に1兆5000億元(約30兆円)相当の特別債発行を許可する方針と伝わるなど、景気浮揚策に関する報道が相次いでいる。中国での新型コロナ感染再拡大は懸念材料としてくすぶるものの、同国での景況感回復期待が相場の下支え要因として働くことに期待したい。
(仲村幸浩)
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