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気掛かりはウクライナ情勢だけでない


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27094.16;-138.71TOPIX;1922.99;-8.25


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は米株安の流れを引き継いで27000円割れからスタートしたが、米ロ外相会談による緊張緩和への期待で下げ渋って前場を折り返した。日足チャートを見ると27000円を下回る場面での底堅さが感じられる一方、上値切り下げの形状となっている。「政局相場」で盛り上がる以前の昨年2~8月に似た動きという印象を受ける。
個別では半導体関連を中心とした値がさグロース(成長)株の一角が前日に続きさえない。半面、海運株は輸送需要の増加を意識した買いが続いているようだ。前引けの日経平均が-0.51%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.43%。ここまでの東証1部売買代金は1兆5000億円あまりで、1日を通じては3兆円前後といったところか。

 新興市場ではマザーズ指数が-1.18%と続落。こちらも朝方から売りが先行し、取引時間中としては2020年4月14日以来、およそ1年10か月ぶりに700ptを下回る場面があったが、日経平均とともに下げ渋った。FRONTEO<2158>は新サービス発表を材料視する向きもあって-1.13%に踏みとどまっているが、前日までの大幅下落を踏まえれば戻りの鈍さが意識されざるを得ないか。買いを集めているのは前日上場したばかりのエッジテクノロジ<4268>などで、株式需給重視の物色となっていることが窺える。

 さて、金融市場全体としてウクライナ情勢に関するニュースに振らされる展開となっている。米ロ外相による対話の機会が設けられたのは明るい材料だが、米政権から
「ロシアが侵攻の口実作りのために偽旗作戦を進めている」「侵攻は目前」などといった発言が相次ぎ出ている点は気掛かり。前日にはロシアメディアがウクライナ軍による砲撃を報じている。懸念が完全に払しょくされるのにはなお時間を要するだろう。

 また、前日の米株市場では、失業保険申請件数や住宅着工件数といった経済指標の悪化に加え、セントルイス連銀のブラード総裁が「物価制御のため中立金利以上に政策金利を引き上げる必要もあるかもしれない」と述べるなど、投資家心理を冷やす材料が多かった。雇用市場だけでなく、住宅市場の状況もインフレ・金利上昇のもとで注目度が高まっている。今晩の米国では1月の中古住宅販売件数、来週22日には12月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数が発表される。もちろん金融政策の行方にも少なからず影響を与えるだろう。

 FRB高官に加え、市場関係者からも引き続き金融引き締め加速を予想したり、その必要性を強調したりする声が多く出ている。JPモルガン・アセット・マネジメントのボブ・マイケル最高投資責任者(CIO)などが0.5%の利上げでインフレ抑制を図ることに期待を示しており、米金融大手モルガン・スタンレーは年内の利上げ回数予想を6回、合計の引き上げ幅を1.5%(従来は1.25%)に上方修正した。

 アジア市場では上海総合指数が小幅に下落し、香港ハンセン指数は0.5%程度の下落。ドル・円相場は米ロ外相会談の報道を受けて一時1ドル=115.20円台まで急伸したが、足元伸び悩んでいる。株式市場でも売り方の買い戻しが入る可能性こそあるが、週末を前に積極的に買い持ち高を増やしづらいだろう。引き続きウクライナ情勢関連のニュースや米経済指標を見極めたいところでもあり、後場の日経平均は戻りの鈍い展開になるとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
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