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コロナ後を見据えつつ目先的な調整も


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;19521.25;-117.56TOPIX;1425.74;-7.77

[後場の投資戦略]

 日経平均は前日、米経済の再開期待を背景とした米株高を先取りして600円近く上昇。本日は目先の利益を確定する売りが優勢となっている。売買代金上位の動向を見ると、ソフトバンクGや半導体関連株のような米ハイテク株高の流れを引き継ぐ銘柄が堅調。反面、メガバンク株や自動車株といった大型のバリュー(割安)株は軟調で、このあたりのは前日の当欄でも指摘したとおりだろう。その他では景気敏感セクターから内需・ディフェンシブセクターへのリバランス(資産構成の調整)的な動きが見受けられる。ここまでの東証1部売買代金は1兆円をやや上回る程度。マザーズ指数は3日続伸しており、やはり新興ハイテク株を見直す動きが続いている。

 日経平均の日足チャートを見ると、19400円近辺に位置する5日移動平均線を割り込むことなく、前引けでは19500円台をキープ。ひとまず目先調整の範囲内と言えるだろう。NYダウ先物が時間外取引で下落しているものの、中国・上海総合指数や香港ハンセン指数は小動き。TOPIXが0.54%の下落で前場を折り返しているため、後場には日銀による上場投資信託(ETF)買い入れが実施される公算が大きい。積極的に上値を追う材料こそ乏しいものの、後場も日経平均は底堅く推移しそうだ。

 国際通貨基金(IMF)は14日、世界経済見通しで2020年成長率予測を-3.0%に引き下げた。ただ、米株式市場の反応は限定的だった。経済再開に向けた見通しが出てくれば、市場はそれを織り込んでいく。とはいえ、原油相場が再度急落するなど、懸念材料が全くないとも言えない。産油国が合意した減産は新型コロナによる需要減少に見合った規模ではないとの見方が根強くあったところに、サウジアラビアがアジア向け原油を大幅値下げしたことが伝わった。度々述べているが、産油国それぞれの思惑を考慮すると協調体制が万全なものか慎重に見極める必要があるだろう。また、かねて懸念されていたが、ドル需給ひっ迫が和らぐなかで円相場に上昇圧力がかかっているように見受けられる点も気掛かり。

 コロナ後を見据え相場が戻りを試すなかでも、こうした調整を挟む場面は今後も出てきそうだ。
(小林大純)


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