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日経平均は4日続伸、日本電産への反応はひとまず安心感


 日経平均は4日続伸。144.20円高の22769.58円(出来高概算6億1121万株)で前場の取引を終えた。前日の海外市場では、ボーイングの決算が好感されたほか、欧州連合
(EU)が英国の離脱延期申請を全会一致で支持したことで、合意なきEU離脱への懸念が後退し、米主要3指数は揃って反発。これにより、シカゴ日経225先物清算値は大阪比145円高の22795円になり、為替市場でも1ドル=108円台後半と円安・ドル高が進行するなか、本日の東京市場は朝方から買いが先行した。23日の米SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)下落の一因となったテキサス・インスツルメンツ決算反応については前日の東京市場で既に織り込まれており、本日はハイテク株の一角に自律反発の動きがみられた。また、通期業績見通しを下方修正した日本電産<6594>は朝方に出た売り一巡後は下げ渋る展開となっている。

 セクターでは、鉱業、ゴム製品、石油石炭製品、医薬品が上昇した一方で、繊維製品、水産・農林業、その他金融業などはさえない。売買代金上位では、トヨタ自動車<
7203>、東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>、レオパレス21<8848>、三井住友<8316>、三菱UFJ<8306>、ファナック<6954>、コマツ<6301>が上昇。また、アルツハイマー病治療薬への期待が続くエーザイ<4523>は、格上げの動きも追随しストップ高買い気配となった。一方で、ウィーカンパニーに対する支援を巡って再建への不透明感が先行するソフトバンクG<9984>が2%安になったほか、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、日本電産、ソニー<6758>などもさえない。

 英国が今月末にEUから離脱することは難しくなったことから、トゥスクEU大統領は離脱期限を来年1月末まで延期する英政府の要請を受け入れるよう加盟国に提案したと報じられている。EU加盟国による会合でトゥスク大統領の提言が検討されるようだが、23日までに結論は出なかった。報道によると、25日にEU加盟国の会合が再度開かれるもようであり、市場では、EUは3カ月の延期を容認するとの見方も広がっているが、マクロン仏大統領は離脱期限を11月15日までとすることを要望しているという。
離脱期限が延期されるかどうか、米中貿易摩擦問題同様にこちらも予断を許さない状態がしばらく続くことから、後場にかけては短期筋による指数先物への断続的な買いの動きも次第に減少してくる可能性がある。

 一方、本日最も市場反応が注目されていた日本電産による通期営業利益予想の下方修正に関しては、先行投資分の追加費用300億円を織り込んだことが背景にあり、実質ベースでは上方修正の形になったことから、ネガティブな反応は限定的に留まっている。ひとまずセンチメントに悪影響を与えなかったことは、安心感に繋がる可能性があるとみられる。これにより、本格化する日本企業の上半期決算を前に、今後のアク抜け感や業績底入れ期待の高まりつつあるハイテク関連株への買い戻しには引き続き注目が集まろう。


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