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日経平均は大幅続伸、1年半ぶり2万円回復、需給状況は大きく改善


 日経平均は大幅に続伸。279.28円高の20139.31円(出来高概算10億5000万株)で前場の取引を終えた。2万円回復は2015年12月以来、約1年半ぶり。米5月ADP雇用統計が予想を上回る内容だったことを受けて、週末の米雇用統計への期待も高まる格好となった。シカゴ日経225先物清算値(19930円)にサヤ寄せする格好から19900円を回復して始まった日経平均は、寄付き直後にあっさり2万円の大台を回復すると、その後も強含みの展開が続く中、前引けにかけて上げ幅を拡大させている。

 セクターでは証券が上昇率トップとなったほか、鉄鋼、銀行、石油石炭、海運、鉱業、保険、非鉄金属が堅調。一方で、食料品、情報通信、水産農林が小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、TDK<6762>が日経平均をけん引する格好。東証1部の騰落銘柄は、値上り数が1400を超えており、全体の7割を占めている。

 日経平均はあっさり2万円の大台を回復し、その後も上げ幅を広げてきている。225先物はランチライムで一時20190円まで上げ幅を広げてきており、後場はショートカバーを誘い込む流れになりやすいだろう。もち合いレンジを突破したことで需給状況は大きく改善することになり、上へのトレンドが強まりやすいだろう。

 一方で、ロシアゲート問題に揺れるトランプ政権だが、FBIのコミー前長官に圧力をかけたとされる問題で、コミー氏が早ければ来週にも上院情報特別委員会で証言する意向であることが明らかとなっている。週末の雇用統計が予想を上回ったとしても、政治混乱リスクが高まりやすいなか、強弱感が対立しやすいところでもある。
(村瀬智一)


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