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日経平均は下落、売り仕掛け警戒のなか、任天堂やソニー等に資金シフト


 日経平均は下落。171.91円安の19192.76円(出来高概算9億3000万株)で前場の取引を終えた。日経平均は売り先行で始まると、その後一時19095.39円と19100円を下回る場面をみせた。注目されたトランプ次期米大統領による記者会見では、「日本などとの貿易で米国は多額の損失を被っている」などと述べ、米利益最優先を強調。また、薬価高騰を理由に製薬業界に適切な入札方式を導入する意向を発表したほか、防衛予算のコスト削減に言及した。
円相場は1ドル114円台に突入する場面もみられており、嫌気売りにつながっている。

 セクターでは医薬品が下落率トップ。倉庫運輸、小売、ゴム製品、鉄鋼、建設、精密機器、繊維、銀行、保険の下げが目立つ。一方で、原油相場の上昇を受けて石油石炭が上昇率トップ。水産農林、証券、機械が小じっかり。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。指数インパクトの大きいところでは、ユニファミマ
<8028>、アステラス薬<4503>、ファーストリテ<9983>、コナミHD<9766>、塩野義薬<4507>
が軟調。半面、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、NTTデータ<9613>、コマツ<6301>が堅調だった。

 トランプ次期大統領の会見は想定内といったところであったが、円相場が1ドル114円台と円高に振れて推移していること、医薬品株の下落が重しとなっている。これにより日経平均はあっさり25日線レベルを捉えてきており、踏ん張りどころであろう。価格帯別出来高をみると、比較的商いの薄いところであり、一気に25日線まで下げてきた点についてはそれ程驚きはなさそうである。ただ、午後は日銀のETF買い入れへの思惑が強まりやすいなか、上値の重さが強く意識されてくるようだと、短期筋の売り仕掛け的な商いに注意する必要があるだろう。

 その中で、底堅い値動きをみせている任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、日本カーボン<5302>、ソニー<6758>、コマツ<6301>辺りに資金が向かいやすそうである。
(村瀬智一)


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