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【中国の視点】中国の不動産市場:富裕層による資金撤退が加速、中間層とは逆方向


中国の不動産市場に対する見方が分かれている。仲介業者がまとめたデータによると、昨年は中間層による住宅取引は活発になったとは対象的に、富裕層による投資資金の撤退は目立ったという。

専門家は、中国の不動産バブルの崩壊時期について、現時点でははっきり言えないと指摘した。ただ、欧米や日本の不動産市場に比べると、いつ崩壊してもおかしくない状態だと警告した。不動産バブルの絶頂期といわれていた1990年の日本の不動産価値対同年の日本国内総生産(GDP)比で約200%となった。また、住宅ブームが発生した
2006年の米国不動産の価値は対同国のGDP比で160%だった。

現在の中国におけるこの比率は250%まで上昇している。これは全世界の統計が始まってからもっとも高い水準を更新している。これは危険な状態にあると警告されている。また、米利上げに伴い、中国人民銀行(中央銀行)も金融政策に引き締めに傾いているため、今後の中国の不動産市場に対し、ネガティブな見方はやや優勢になっている。

エコノミストは、中国経済が過去十数年の成長モデルについて、インフラと不動産投資の拡大などに依存していたと指摘。今後の10年は消費拡大などを通じて経済成長をけん引するとの見方を示した。ただ、成長ペースが4%台まで鈍化する可能性があると指摘された。成長ペースの鈍化に伴う住宅価格の下落圧力が高まるため、不動産に絡んだ不良債権が急速に増加する恐れがあると警告された。

さらに、1990年以降に生まれた世代について、消費が上の世代に比べて拡大する可能性があるものの、貯蓄する習慣が乏しいため、今後の中国の貯蓄率は現在の28%から5-6%まで急速に低下すると予測され、中長期的には中国経済の足かせになる恐れがあると指摘されている。


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