
夫の預金500万円で妻名義の投資信託を購入すると贈与税がかかる?
夫の預金500万円を妻に渡し、妻が自分の財産として投資信託を購入した場合、原則として贈与税の対象になります。
贈与税とは、個人から財産を無償でもらった際にかかる税金です。夫婦間であっても例外ではなく、妻が専業主婦かどうかも直接の判断基準にはなりません。
ただし、夫婦間で移動したお金がすべて贈与になるわけではありません。
例えば、夫が妻に毎月15万円を渡し、妻が食費や日用品の購入などに使う場合、通常必要と認められる生活費であれば贈与税はかかりません。
一方、生活費として受け取ったお金でも、預金や投資に回した場合は贈与税の対象になり得ます。今回のケースのように投資信託の購入を目的として500万円を妻に渡した場合は、生活費としての非課税扱いにはなりません。
なお、単に妻の口座にお金を預けただけで、実際には夫の財産として管理している場合は、贈与が成立していない可能性もあります。ただし、妻名義で投資信託を購入すると、財産の所有者が誰なのか問題になるため注意が必要です。
500万円を妻に贈与した場合の贈与税はいくら?
贈与税には、1年間に受け取った贈与の合計額から110万円を差し引ける「基礎控除」があります。
例えば、夫から妻に500万円を贈与し、妻がその年にほかの贈与を受けていない場合、税金の計算対象となる金額は390万円です。
夫婦間の贈与には、原則として「一般税率」が適用されます。今回のケースでは税率20%、控除額25万円となるため、贈与税は次のように計算できます。
・(500万円-110万円)×20%-25万円=53万円
つまり、500万円を妻に贈与すると、53万円の贈与税がかかる計算です。
贈与税は財産を受け取った妻が申告・納税します。原則として、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに手続きが必要です。申告を忘れると、延滞税などが発生する可能性もあります。まとまった資金を移した場合は、早めに税務署や税理士に確認しましょう。
夫婦で投資信託を購入するときに贈与税を避けるには?
贈与税を避けながら夫婦で資産形成を進めたい場合は、資金を所有する本人の名義で投資する方法を検討しましょう。
例えば、夫の預金500万円を投資に使うのであれば、夫自身の証券口座で投資信託を購入する方法があります。夫が自分の財産を運用するだけなら、妻への贈与は発生しません。
また、妻が独身時代から貯めていたお金など、自分の財産を使って投資する場合も、夫から新たに贈与を受けるわけではありません。妻に資金を贈与して投資してもらう場合は、年間110万円の基礎控除を活用する方法もあります。
例えば、妻が1年間に受け取る贈与の合計額を110万円以下に抑えれば、暦年課税では原則として贈与税がかかりません。ただし、最初から複数年にわたる贈与を約束している場合は、別の課税関係が生じることもあります。
なお、妻がNISAを利用する場合も注意が必要です。NISAでは投資で得た利益が非課税になりますが、投資資金を受け取る際の贈与税まで非課税になるわけではありません。
すでに500万円を妻名義の口座に移している場合は、資金移動の目的や購入状況を整理し、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
夫婦の資産形成では資金の出どころと口座名義に注意しよう
夫婦で資産形成するためのお金でも、夫の預金500万円を妻に贈与して投資信託を購入した場合は、原則として贈与税がかかります。
今回のケースでは、妻がほかに贈与を受けていなければ、贈与税は53万円となる計算です。
ただし、実際に贈与が成立しているかどうかは、資金移動の目的や財産の管理状況などによって判断されます。
夫婦で資産形成を進める際は、誰のお金で投資するのかを明確にすることが大切です。本人名義での運用や年間110万円の基礎控除を活用し、税金の仕組みを理解したうえで資産形成を進めましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
