
会社都合退職とは?
文字通り、会社側の事情から従業員本人の意思にかかわらず、退職を余儀なくされるケースです。その主な理由として、以下のようなものが挙げられます。
(1)会社の倒産、リストラ
(2)解雇(事業所の廃止などによる解雇)
(3)派遣社員などの雇い止め
(4)仕事の内容が雇用契約書と大きく異なる
(5)いじめや嫌がらせなどのハラスメント
(6)大幅な給与カットや給与未払い
(7)残業時間が慢性的に長い
自己都合退職とは?
自己都合退職とは、従業員本人の意思によって退職するケースです。従業員それぞれのタイミングで、退職に至る理由もさまざまです。
(1)ライフイベント・ライフプランなどによる退職(結婚、子育て、引っ越し、介護など)
(2)会社への不満、待遇アップ、キャリアアップ
(3)病気などの健康面の問題
(4)親の財産の相続
会社都合と自己都合による退職後の違いは?
両者の違いによって、退職時あるいは退職後に影響が及ぶ場合があります。その主な影響は以下の3つです。
(1)失業手当(失業保険)
会社都合の場合には、ハローワークへの申請から約1ヶ月で失業手当を受け取ることができます。給付に関しても、給付開始日は最短でハローワークでの受給手続きから7日間(待期期間)の経過後となり、給付日数も勤続年数や年齢によって90日から330日と長期となるケースが多く、結果として、給付総額も多くなります。
一方、自己都合の場合は、原則として申請から受け取りまでの期間は約2ヶ月を要し、給付開始日も7日+1ヶ月経過後で、給付日数も90日から150日と制限されます。
(2)退職金
退職金制度は会社によってその有無を含めてさまざまですが、一般的には、勤続年数や退職理由によって支給額が計算されます。
一般的には、自己都合の場合には会社都合の場合よりも減額(低いテーブル)で計算されるケースが多いです。会社によっては、一定年齢に達した従業員への「早期退職制度」を勧奨する場合もあり、その場合には退職金の優遇などが行われることがあります。
(3)転職時などの履歴書への記載
会社都合の場合、一般的には履歴書の経歴に記載する退職理由には、「会社都合による退職」(具体的な理由があればそれを記載)と記載します。この場合には、通常、前職の退職がやむを得ない理由であったと判断されます。
一方、自己都合の場合、退職理由は「一身上の都合により退職」などと記載するため、転職の面接時などには、より具体的な理由などを詳しく質問されることがあるかもしれません。
まとめ
これまで見てきたとおり、基本的には会社都合による退職と判断されたほうが従業員にとって有利となるといえるでしょう。会社都合か自己都合かの判断は、失業手当の給付条件となるので、ハローワークがそれぞれの退職理由から最終判断することになります。
もし、その判断に不服がある場合には、雇用保険審査官に審査請求することができます。その際には、客観的証拠として、就業規則や雇用契約書、タイムカード、賃金台帳など、実際の退職理由を裏付ける書類が役立ちます。
退職しようとお考えの方は、退職前の段階においても、どのような書類が必要になるのか、その内容などを確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
厚生労働省 Q&A ~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
厚生労働省 ハローワーク インターネットサービス 基本手当の所定給付日数
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
