
結婚後に購入した家は、原則として財産分与の対象になる
法務省によると、財産分与とは、夫婦が共同生活の中で築いた財産を離婚時に公平に分ける制度です。財産分与の対象になるのは、結婚後に築いた預貯金や不動産などです。夫婦それぞれの貢献を考慮し、原則として2分の1ずつ分けることが一般的です。
また、法務省は夫の収入で購入した家でも、妻が家事などを分担して夫を支えていた場合、実質的には夫婦の財産になると説明しています。 そのため、夫の単独名義のマイホームでも、財産分与の対象になる可能性があります。
ただし、購入時の価格をそのまま半分に分けるわけではありません。
例えば、家の現在の価値が3000万円で、住宅ローンの残高が2000万円なら、差額は1000万円です。頭金などの特別な事情がなければ、この1000万円を夫婦で分けることが考えられます。
まずは家の現在の価値と住宅ローンの残高を確認することが大切です。
独身時代の貯金から出した頭金500万円は、財産分与で考慮される可能性がある
裁判所の「裁判手続 家事事件Q&A」によると、結婚前から各自が所有していた財産は、原則として財産分与の対象にはなりません。このような財産を「特有財産」と呼びます。特有財産とは、結婚前から持っていた預貯金や、結婚後に相続などで取得した個人の財産です。
今回のケースでは、夫が独身時代に貯めた500万円は、もともと夫の特有財産にあたります。
ただし、その500万円を住宅の頭金に使った場合、必ず全額を返してもらえるわけではありません。
例えば、4000万円の家を購入する際に、夫が独身時代の貯金から500万円を出し、残りの3500万円を住宅ローンで支払ったとします。
この場合、購入価格の12.5%を夫の特有財産で負担したことになります。財産分与では、この割合を現在の住宅の価値に反映させる方法などが考えられます。
仮に家の現在の価値が3000万円なら、その12.5%は375万円です。ただし、これは計算上の一例であり、375万円を必ず受け取れるわけではありません。実際には住宅ローンの残高や返済状況なども考慮されます。
つまり、「結婚後に購入した家だから、すべて半分ずつ」と決まるわけではないのです。
頭金500万円を考慮してもらうには、通帳や振込記録などの証拠が重要
頭金500万円を財産分与で考慮してもらうには、そのお金が独身時代の貯金だったことを証明する必要があります。例えば、結婚前の預金残高が分かる通帳や、住宅購入時に500万円を支払った振込記録などが証拠になります。
特に重要なのは、結婚前に持っていたお金が、実際に住宅の頭金として使われたことを示すことです。
結婚前から使っていた口座に結婚後の給与などが入っている場合、お金の出どころが分かりにくくなることがあります。そのため、住宅購入時までのお金の動きも確認しておきましょう。
通帳がない場合は、銀行に過去の取引履歴を発行してもらえるか問い合わせる方法があります。ただし、保存期間によっては取得できない場合もあります。
また、裁判所の「裁判手続 家事事件Q&A」によると、財産分与の調停では、必要に応じて当事者に資料の提出を求め、合意に向けた話し合いを進めます。そのため、住宅の売買契約書や住宅ローンの残高証明書なども準備しておくとよいでしょう。
夫婦間で意見がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用することも可能です。頭金の扱いは個別の事情によって異なるため、弁護士に相談することも検討しましょう。
まとめ:独身時代に負担した頭金を証明し、公平な財産分与を目指そう
結婚後に購入したマイホームは、原則として財産分与の対象になります。しかし、独身時代の貯金から頭金500万円を負担した場合、その事情が考慮される可能性があります。
ただし、500万円が必ず全額返ってくるわけではありません。住宅の現在の価値やローン残高、頭金の出どころなどによって判断が変わります。
まずは結婚前の通帳や住宅購入時の支払い記録を集め、自分が負担した金額を証明できるようにしましょう。必要に応じて専門家にも相談し、公平な財産分与を目指すことが大切です。
出典
法務省 りこんポータル
裁判所 裁判手続 家事事件Q&A Qどのような財産が,財産分与の対象となるのですか。、Q財産分与の調停では,どのように話合いが進められていくのですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
