
食品の消費税率が1%になっても、外食は10%のまま
現在、日本の消費税率は原則10%ですが、酒類や外食などを除く飲食料品には8%の軽減税率が適用されています。軽減税率とは、特定の商品について通常より低い税率を適用する制度です。
国税庁が2026年9月に公表した資料では、2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる改正案が示されています。ただし、法案の成立を前提とした内容です。
この改正案では、スーパーやコンビニなどで販売される食品や持ち帰り弁当は1%の対象になります。一方、飲食店の店内で食べる外食は対象外となり、10%のままです。
例えば、同じ飲食店でランチを注文しても、店内で食べる場合と持ち帰る場合では税率が異なります。そのため、食品の消費税率が1%になれば、外食と持ち帰りの税負担の差は現在より大きくなります。
800円のランチを年間240日購入すると、税負担の差は約1万6000円
それでは、夫婦それぞれの消費税負担を計算してみましょう。
今回は、夫が800円の外食ランチ、妻が800円の持ち帰り弁当を年間240日購入するものとします。800円は税込価格とし、税率が変わっても価格は変わらないと仮定します。税込価格に含まれる消費税額は「税込価格×税率÷(100+税率)」で計算できます。
夫の外食ランチには10%の消費税がかかるため、800円に含まれる消費税は約72.73円です。年間240日では約1万7455円になります。
一方、妻の持ち帰り弁当に1%の消費税が適用されると、800円に含まれる消費税は約7.92円です。年間240日では約1901円になります。
両者を比較すると、表1のようになります。
表1
| 項目 | 夫(外食) | 妻(持ち帰り弁当) |
|---|---|---|
| 1食の税込価格 | 800円 | 800円 |
| 消費税率 | 10% | 1% |
| 1食分の消費税 | 約72.73円 | 約7.92円 |
| 年間240日分の消費税 | 約1万7455円 | 約1901円 |
※筆者作成
年間の税負担の差は約1万5554円です。つまり、同じ800円の昼食でも、外食のほうが年間約1万6000円多く消費税を負担する計算になります。
ただし、これは税込価格が800円のまま変わらない場合の比較です。実際の販売価格によって税負担額も変わります。
食品の消費税率が1%になると、800円の持ち帰り弁当の税負担は年間約1万2000円減る
次に、持ち帰り弁当について、現在の税率8%と引き下げ後の1%を比較してみましょう。
税込800円の弁当に含まれる消費税は、税率8%の場合、1食当たり約59.26円です。年間240日では約1万4222円になります。
これに対して、税率1%の場合は年間約1901円です。税込価格を800円に固定すると、年間の消費税負担は約1万2321円減る計算になります。
ただし、税負担が減ることと、実際の支出が減ることは同じではありません。
例えば、現在800円(税込)の弁当について、税抜価格を変えずに税率だけを8%から1%に引き下げた場合、税込価格は約748円になります。
この場合、1食当たり約52円安くなり、年間240日では約1万2444円の節約につながります。
一方、原材料費や人件費などの影響で、販売店が税込価格を800円に据え置く可能性もあります。その場合、購入者が支払う金額は変わりません。そのため、税率が引き下げられた際は、実際の販売価格も確認することが大切です。
まとめ:食品の消費税率が1%になれば、持ち帰り弁当のほうが税負担を抑えられる
食品の消費税率が1%に引き下げられた場合、外食には10%、持ち帰り弁当には1%の税率が適用される想定です。
税込800円のランチを年間240日購入すると、消費税負担は外食が約1万7455円、持ち帰り弁当が約1901円となり、その差は約1万5554円です。
ただし、税負担の差がそのまま節約額になるわけではありません。毎日の昼食代を抑えたい場合は、税率だけでなく実際の販売価格にも注目し、外食と持ち帰りを上手に使い分けてみましょう。
出典
国税庁 飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.6102 消費税の軽減税率制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
