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夫は「月給30万円」で勤怠は15分単位。毎日10分の“残業切り捨て”で「3年で28万円」が消滅!? 本人は「仕方ない」と言いますが、子どもの“塾代3万円”のため節約してるのに…会社に請求できないのでしょうか?


夫は「月給30万円」で勤怠は15分単位。毎日10分の“残業切り捨て”で「3年で28万円」が消滅!? 本人は「仕方ない」と言いますが、子どもの“塾代3万円”のため節約してるのに…会社に請求できないのでしょうか?

毎日15分未満を切り捨てる勤怠は、認められていない


労働時間は、毎日きちんと把握し、それに基づいて賃金を払う必要があります。1日ごとに一定の時間に満たない労働時間を一律に切り捨て、その分の賃金を払わないことは、労働基準法違反です。

 

静岡労働局は、勤怠管理システムで1日の時間外労働のうち15分に満たない時間を切り捨て、その分の残業代を払っていない例を、違反として挙げています。毎日の残業は1分単位で記録するのが原則で、常に切り捨てる計算は認められていません。

 

例外として、1ヶ月の残業時間の合計に30分未満の端数があれば切り捨て、30分以上なら1時間に切り上げる処理は、事務を簡単にする目的で認められています。ただし、これは月の合計に対する処理で、毎日の切り捨てとは別のものです。

 


毎日10分の切り捨ては、3年でいくらになるか


今回のケースでは、夫の所定労働時間を1日8時間、月の平均を160時間(1日8時間×20日)とします。時間外労働の割増率は25%以上と決まっているため、1.25倍で計算します。






・30万円÷160時間=1875円(1時間あたりの賃金)

・1875円×1.25=約2344円(割増を含めた1時間あたりの残業代)

・2344円÷60分×10分=約390円(1日10分の残業代)




年240日働くとすると、1年分は次のとおりです。






・10分×240日=2400分(1年で切り捨てられる時間)

・2400分÷60分=40時間

・2344円×40時間=9万3760円(1年分の残業代)




未払いの賃金を請求できる期間は、支払日から原則5年ですが、当分の間は3年とされています。






・9万3760円×3年=28万1280円(さかのぼって請求できる3年分)

・28万1280円÷3万円=約9ヶ月分(塾代月3万円に置き換えた場合)




なお、所定労働時間や手当の扱いによって、この金額は変わります。

 


残業代を請求するには、どんな記録を残せばよいか


会社の勤怠記録は15分単位に丸めた時刻のため、実際に仕事を終えた時刻が分かる記録が必要です。

 

使えるのは、15分単位に丸める前のタイムカードの打刻時刻、パソコンを起動・終了した記録、業務メールを送った時刻などです。会社の記録が手に入りにくい場合に備えて、毎日の始業と終業の時刻を手帳やスマホに書き留めておくと安心でしょう。給与明細も、払われた残業時間と見比べるために保管しておきましょう。

 


会社にどう伝え、応じてもらえないときはどうするか


まずは夫本人から人事や総務に、記録を添えて「1分単位で計算し直してほしい」と伝えるのが第一歩です。過去の未払い分の支払いもあわせて求め、やり取りはメールなど形に残る方法にすると、後で確かめやすくなります。

 

請求できる期間は月ごとの支払日から数えるため、動くのが遅れるほど古い月の分から請求できなくなります。会社が応じない場合は、労働基準監督署への相談も選択肢の1つです。

 


まとめ


毎日15分に満たない残業を切り捨てる勤怠は認められておらず、残業代は1分単位で払うのが原則となっています。

 

今回のケースでは、切り捨てられる残業代は1日約390円です。1年では約9万4000円になります。さかのぼって請求できる3年分は約28万円で、塾代の9ヶ月分あまりにあたります。

 

「仕方ない」とあきらめる前に、実際の終業時刻の記録を残し、会社に1分単位での計算を求めてみるとよいでしょう。

 

執筆者 : 高橋祐太

2級ファイナンシャルプランナー技能士


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