
中小企業の47%が「半年後の資金繰りに不安」
大同生命保険株式会社の「大同生命サーベイ(2026年6月度調査)」によると、半年後の資金繰りについて「非常に不安」と回答した企業は10%、「やや不安」は37%でした。合わせると47%となり、半数近くの企業が今後の資金繰りに不安を感じていることが分かります。
一方、「あまり不安はない」は27%、「不安はない」は19%、「わからない」は7%でした。
資金繰りに影響を与えている要因を尋ねたところ、最も多かったのは「原材料・仕入価格の上昇」の51%です。次いで「売上減少」が29%、「人件費の増加」が21%、「借入返済負担」が11%となりました。
資金繰りの問題は、借入金の返済だけで生じるとは限りません。仕入価格や人件費が増える一方、十分に売上を確保できなければ、手元に残る資金が減る可能性があります。複数の負担が重なることも想定しておく必要があるでしょう。
原材料費や人件費の負担は以前からみられている
企業が原材料費や人件費を負担に感じている状況は、今回の調査だけにみられるものではありません。
2024年6月度調査では、「支払いが負担となっているもの」として「原材料費・仕入費用」が34%で最も多く、「人件費」が31%で続きました。また、自社の資金繰りについて「今後、支障が出てくる」と回答した企業は41%でした。
2025年5月度調査でも、支払いが負担となっているものは「原材料費・仕入費用」が36%、「人件費」が31%でした。原材料費・仕入費用は2024年の34%から2ポイント上昇しています。さらに、燃料費も15%から20%へ上昇しました。
設問内容が異なるため、2024年から2026年までの数値を単純に比較することはできません。しかし、複数年の調査から、原材料や仕入れ、人件費などのコスト負担が企業の課題として継続していることがうかがえます。
金利上昇だけでなく「物価高と重なった場合」を警戒する企業も
こうした状況で注意したいのが、借入金利の上昇です。
2026年6月度調査で、借入がある企業に金利上昇による経営への影響を尋ねたところ、「物価高騰の要因が重なれば大きな影響がある」と回答した企業は40%でした。
一方、「大きな影響はない」は35%、「利息負担により赤字経営となる」は10%、「利息負担により廃業や事業縮小を検討」は5%となっています。なお、この設問は複数回答です。
原材料・仕入価格や人件費などの負担がすでにある場合、そこに金利負担が加わることで、資金繰りへの影響が大きくなる可能性があります。
金利上昇への対策は「借入額を抑える」が22%
では、借入のある中小企業は金利上昇にどのような対策を取っているのでしょうか。同調査によると、主な回答は以下の通りです。
・借入額を抑える:22%
・製品・サービス価格を見直す:16%
・光熱費・人件費などのコストを見直す:16%
・返済を早める:14%
・新規借り入れや借り換えの時期を早める:10%
・借入金の一部または全部を固定金利に変更:5%
一方、最も多かった回答は「特に対応はしない」の38%でした。なお、こちらも複数回答となっています。
まずは資金の流れを把握し、自社に合った対策を考えよう
資金繰りに不安があるからといって、すぐに借入額を減らすことだけが対策とは限りません。
2026年6月度調査の監修者コメントでは、金利上昇だけを切り離して考えるのではなく、売上減少やコスト増、金利上昇が重なった場合の資金繰りをあらかじめ確認することが重要とされています。
具体的には、入出金を見える化するほか、コスト上昇の根拠を踏まえた価格の見直し、固定費や運転資金の点検、金融機関との継続的な対話などが挙げられています。
仕入価格や人件費、金利など、企業側だけではコントロールしにくい要因もあります。そのような状況だからこそ、まずは自社のお金の流れを把握し、複数の負担が重なった場合にも資金を確保できるか確認しておくことが大切です。
まとめ
大同生命サーベイでは、仕入価格や人件費などの負担が続くなか、今後の資金繰りに不安を感じている企業が一定数みられました。
金利上昇への対策には、借入額を抑えるほか、価格やコストの見直しなどさまざまな方法があります。まずは自社の入出金や借入状況を把握し、複数の負担が重なった場合も想定しながら、自社に合った対策を検討することが大切です。
出典
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2026年6月度調査)
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2025年5月度調査)
大同生命保険株式会社 大同生命サーベイ(2024年6月度調査)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
