
残業代も、基本的にはその年の給与収入に含まれる
会社から支払われる基本給だけでなく、残業手当なども原則として給与として扱われます。
そのため、本人が希望してシフトを増やしたわけではなくても、残業代によって年間の給与収入が増えれば、その年の所得税を計算するときの収入額にも反映されます。
2026年分は、給与収入178万円以下なら所得税がかからないケースがある
2026年分について、給与収入だけでほかに所得がない人は、給与収入が178万円以下であれば原則として所得税はかかりません。2026年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額は74万円、基礎控除は一定の所得の人で104万円となり、合計178万円が一つの目安になっています。
たとえば年初には年収170万円程度を想定していた人が、残業で年間180万円になった場合、178万円という目安を上回ります。
ただし、実際の税額は社会保険料控除、生命保険料控除など、その人が利用できる所得控除によっても変わります。したがって「180万円になったから必ず所得税が発生する」と単純には言えません。
「壁」を超えても、超えた瞬間に収入全体へ課税されるわけではない
所得税は、給与収入そのものにそのまま税率を掛けるのではありません。給与所得控除や基礎控除、社会保険料控除などを差し引いたあとに残る「課税される所得金額」を基に計算します。また、所得税率は課税所得に応じて5%から45%まで段階的に設定されています。
そのため、税金の目安を少し超えたことで、増えた残業代以上に所得税が増えて手取りが逆に大幅に減る、という理解は正確ではありません。一方で、住民税や配偶者の税控除、社会保険の扶養などは別の基準で判定されるため、「所得税の壁」だけを見ればよいわけでもありません。
毎月の源泉徴収と、最終的な年税額は別
会社員の場合、毎月の給与から所得税が源泉徴収されています。しかし、最終的な税額は1年間の給与額や各種控除を基に年末調整などで精算されます。残業が増えた月に所得税の天引き額が増えていても、それがそのまま年間の最終税額になるとは限りません。
2026年度の税制改正は原則として2026年12月1日に施行され、2026年分の所得税に適用されます。そのため、2026年11月までの源泉徴収事務には変更がなくても、12月の年末調整では改正後の控除額を使って精算されます。
まとめ
自分からシフトを増やしていなくても、残業代が増えれば年間の給与収入は増え、所得税に影響することがあります。ただし、税金の「壁」を少し超えただけで、給与全体に突然税金がかかるわけではありません。
2026年分では、給与収入だけでほかに所得がない人について178万円が一つの目安ですが、実際の所得税は各種所得控除によって変わります。年末に源泉徴収票を確認し、年間給与と控除額を見て判断することが大切です。
出典
国税庁 No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか
国税庁 No.1410 給与所得控除
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
