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夫婦共稼ぎで、小学生の子どもが2人いる30代のAさん、今は賃貸ですが、近い将来、家を購入したいと考えています。住宅ローンの金利のタイプには、変動金利と固定金利があると聞きましたが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか


夫婦共稼ぎで、小学生の子どもが2人いる30代のAさん、今は賃貸ですが、近い将来、家を購入したいと考えています。住宅ローンの金利のタイプには、変動金利と固定金利があると聞きましたが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか

変動金利とは


住宅ローンの変動金利は、短期プライムレート(短プラ)を基準に決められています。

 

短プラは、日銀の政策金利の影響を受けやすいため、日銀が政策金利を引き上げると、短プラも上昇します。そして、短プラが上がると住宅ローンの変動金利も上昇します。金融機関の変動型「店頭金利(基準金利)」は、短プラに1%程度を上乗せして決められるのが一般的です。

 

ただし、実際に借りるときは、この基準金利がそのまま適用されるわけではありません。そこから「優遇幅」としてローンを借りる人の申込内容や取引条件などにより一定の金利が引き下げられ、最終的に「適用金利」が決まります。変動型の住宅ローンの金利は、多くの場合、半年ごとに見直されます。

 

ただし、金利が見直されても、毎月の返済額にすぐ反映されるとは限りません。金融機関によっては、毎月の返済額を5年ごとに見直す「5年ルール」や、見直し後の返済額を従前の返済額の125%を上限とする「125%ルール」を設けています。

 

「5年ルール」では、原則として、5年間は返済額を据え置きます。5年後に毎月の返済額を見直す際には、その時点の金利、ローン残高、残りの返済期間などに応じて、その後の毎月の返済額が見直されます。

 

返済額が大幅に増える場合でも、見直し後の返済額がそれまでの返済額の125%を超えないようにする「125%ルール」が設けられている場合もあります。

 

このように、変動金利では、金利が上昇した場合でも、毎月の返済額にすぐ影響が出るとは限りません。「5年ルール」や「125%ルール」には、金利が上昇した場合でも、毎月の返済額の増加を一定程度に抑え、家計への影響を和らげる効果があります。

 

一方で、これらのルールがあるからといって、金利上昇の影響そのものがなくなるわけではありません。金利が上昇しても、毎月の返済額が変わらない間は返済額に占める利息の割合が大きくなり、その分、元金の減り方が遅くなる可能性があります。

 

その結果、返済期間全体で支払う利息が増え、返済期間を通じて支払う利息が増えて、トータルの返済負担が大きくなる可能性があります。

 

また、すべての金融機関が「5年ルール」や「125%ルール」を採用しているわけではありません。一部のネット銀行などでは、これらのルールを設けず、金利の変動に合わせて、毎月の返済額が見直される仕組みとなっています。

 


固定金利とは


新規に借り入れる住宅ローンの固定金利は、一般に長期金利を決める際の指標となる10年国債利回りなどを参考に設定されます。そのため、長期金利が上昇すれば新規向けの固定金利も上昇し、長期金利が低下すれば固定金利も低下する傾向があります。

 

しかし一度、全期間固定型の住宅ローンを契約すれば、35年の返済期間だとしても借入時に決められた金利が、原則として返済終了まで適用されます。

 

返済途中で市場の金利が上昇しても、逆に低下しても、契約した住宅ローンの金利が変わることはありません。これが全期間固定型の大きな特徴です。

 


変動金利と固定金利のメリット、デメリット


国土交通省によると、令和7年(2025年)時点で、住宅ローン利用者の約8割が変動金利型を利用しています。

 

変動金利型が選ばれる一番の要因としては、固定金利と比較して金利が低いということが挙げられます。2026年9月現在、大手金融機関やネット銀行の新規借入では、変動金利が年1%前半ですが、全期間固定型の代表的な商品であるフラット35では、返済期間21~35年の最頻金利が年3.46%となっています。

 

このように、変動金利と固定金利の間に大きな金利差があります。一方、変動金利は、将来金利が上昇すると、毎月の返済額が増える可能性がありますが、固定金利は借入時の金利が高い代わりに、金利上昇による毎月の返済額への影響を抑えられます。

 


まとめ


変動金利と固定金利には、それぞれメリット、デメリットがあります。住宅ローンを選ぶ際には、現在の金利水準だけで判断するのではなく、今後の金利上昇に対してどの程度のリスクを取れるのか、家計にどのくらいの余裕があるのか、返済期間はどの程度なのかなどを踏まえて検討することが大切です。

 

なお、金利の上昇局面では、長期金利は短期金利に先行して上がる傾向があります。「最初は変動型で借りて、金利が上がり始めたら固定型に借り換えよう」と思っても間に合わない可能性があることに注意しましょう。

 


出典


国土交通省 住宅ローンの金利リスクの普及啓発について

 

執筆者 : 篠原まなみ

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士


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