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「川の近くじゃないから大丈夫」と火災保険の「水災補償」を外しました。ゲリラ豪雨で自宅が浸水したら、修繕費はすべて自己負担になるのでしょうか?


「川の近くじゃないから大丈夫」と火災保険の「水災補償」を外しました。ゲリラ豪雨で自宅が浸水したら、修繕費はすべて自己負担になるのでしょうか?

「川が近くにないから安心」は本当? 現代の水害リスク


火災保険の契約時や途中の見直しで、「保険料を少しでも安くしたい」という理由から水災補償を外してしまうケースが見受けられます。特に「近くに大きな河川がない」「高台に住んでいる」といった理由で外した人もいるかもしれません。

 

しかし、近年の水害の形は大きく変化しています。特に注意が必要なのが、短時間に局地的な大雨が降るゲリラ豪雨や線状降水帯による「内水氾濫(都市型水害)」です。

 

これは、下水道や排水路の処理能力を超えた雨水が路上にあふれ出る現象で、近くに川がない住宅街や都市部であっても、道路が冠水し、床上・床下浸水被害に遭う事例が全国で相次いでいます。

 

また、大雨に伴う「土砂災害(崖崩れ・土石流)」も火災保険では水災補償の対象となります。川の有無だけでなく、周辺の地形や環境の変化に合わせたリスク確認が必要です。

 


床上浸水でかかる修繕費用とは?


床上浸水が発生した場合、単に水や泥を掃除すれば元通りになるわけではありません。床板の張り替え、断熱材の交換、壁紙の張り替え、床下の清掃・消毒・乾燥作業などが必要となり、数百万円単位の修繕費がかかります。さらに家具・家電や自家用車などが被害を受ければ、損害額は1000万円近くまで膨らむことも珍しくありません。

 

特に、教育費や住宅ローンの返済で支出が膨らみやすいファミリー層にとって、手元の生活防衛資金や教育資金から数百万円もの修繕費を突発的に捻出することは、家計に深刻なダメージを与えます。

 


火災保険の「水災」に対する補償内容


火災保険の水災補償は、台風や豪雨による洪水(床上・床下浸水)、内水氾濫、高潮、土砂災害(崖崩れ・土石流)によって建物や家財が損害を受けた場合に補償されます。

 

少量の水濡れでは対象外となり、一般的に以下のいずれかの条件を満たす必要があります。




・床上浸水または地盤面から30cmを超える浸水が発生した場合

・建物や家財の再調達価額(復旧にかかる費用)に対して30%以上の損害が生じた場合



原則として、実際の損害額(修理費や泥の清掃・消毒費)から自己負担額(免責金額)を引いた額が、契約した保険金額を上限に支払われます(実損払い)。なお、保険料を安く抑えるために「支払限度割合(実損の70%まで」や「損害額に応じた定率払い」といった特約を付けている契約では、受け取れる保険金が制限されるため注意が必要です。

 

幅広い被害に対応している火災保険の水災補償ですが、補償されないケースもあります。




・地震、噴火、津波に起因する損害(「地震保険」の補償対象です)

・台風で屋根瓦が飛んできて窓ガラスが割れ、雨が吹き込んだ(火災保険の「風災補償」の対象です)

・マンションの上階で水漏れによる損害(火災保険の「水濡れ補償」の対象です)

・自宅の給排水管の事故による損害(火災保険の「水濡れ補償」の対象です)

・老朽化による雨漏り など



まとめ


気候変動などの影響により、火災保険の加入当初には想定していなかった被害に見舞われるケースも増えています。補償がない状態で床上浸水などの被害に遭うと多額の修繕費が全額自己負担となり、家計が破綻しかねません。

 

「川から離れているから」「高台だから」と思っても、内水氾濫や土砂災害のリスクがあります。まずは最新のハザードマップで自宅周辺を確認しましょう。

 

保険料の負担が気になる場合は、「自己負担額(免責金額)」を設定したり、地域の危険度に応じた「リスク細分型保険」を選択したりすることで、補償を維持しながら保険料を削減できます。

 

万が一の巨大リスクに備え、わが家の水害リスクと契約内容を一度見直しておくことが大切です。

 

執筆者 : 宮野真弓

FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者


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