
年金の受給額はどのように決まる?
公的年金は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2つで構成されています。老齢基礎年金は、国民年金の加入期間などに応じて決まり、老齢厚生年金は現役時代の給与や賞与、厚生年金の加入期間などによって受給額が変わります。
老齢厚生年金のうち、現役時代の収入が反映されるものが「報酬比例部分」です。報酬比例部分は、厚生年金に加入していた期間の平均標準報酬額や加入月数などを基に計算されます。
そのため、同じ年齢から年金を受け取り始めた場合でも、現役時代の給与や賞与の水準、厚生年金に加入していた期間などが異なれば、受給額にも差が生じます。
なお、年金月額だけを見て現役時代の年収を正確に判断することはできません。老齢基礎年金の受給額や厚生年金の加入期間なども関係するためです。現役時代の収入水準を試算する場合は、まず年金額から老齢基礎年金を除き、老齢厚生年金の報酬比例部分を確認する必要があります。
年金月16万円と24万円の人の現役時代の年収差はどれくらい?
受給している年金額が月16万円の人と月24万円の人では、現役時代の年収にどの程度の差があったのかを試算してみましょう。
ここでは、厚生年金に42年間(504ヶ月)加入し、老齢基礎年金を令和8年度の満額で受け取っていると仮定します。また、今回の試算では便宜上、年金総額から老齢基礎年金の額を差し引いた金額を、報酬比例部分として扱います。
月16万円の年金を受け取っている場合、老齢基礎年金の月7万608円を差し引いた報酬比例部分は、年間で約107万2700円です。
厚生年金の報酬比例部分は、平成15年4月以降の加入期間の場合「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」で計算します。今回の条件では、次の式で平均標準報酬額を逆算する必要があります。
・平均標準報酬額=報酬比例部分の年額÷(5.481÷1000×加入月数)
・107万2704円÷(5.481÷1000×504ヶ月)=約38万8320円
平均標準報酬額を12ヶ月分に換算すると、約466万円です。したがって、年間換算額は約466万円と推定できます。
対して、月24万円を受給している人の報酬比例部分は、年間で約203万3000円です。同様の条件で計算を進めると、平均標準報酬額に基づく収入は、年約883万円になります。
以上の結果から、受給している年金額が月16万円の人と月24万円の人では、現役時代の年収には約417万円の差がある可能性があることが分かります。ただし、実際の年収は、厚生年金の加入期間や過去の報酬、賞与などによって異なる点に注意が必要でしょう。
年金額に差が生じる主な理由
年金額に差が生じる要因はおもに次の3つです。
・働き方による違い
・現役時代の給与や賞与による違い
・世代による違い
まず、働き方によって年金の受給額に差が生じる場合があります。会社員や公務員は国民年金に加えて厚生年金にも加入するため、自営業者やフリーランスなどと比べて、老後に受け取る年金額が多くなるケースがあります。
また、厚生年金に加入していた人の間でも、現役時代の給与や賞与の水準によって差が生じます。
さらに、世代による違いが年金額に影響したり、加入した時期や制度改正などによって保険料や年金額の水準が異なったりすることもあるでしょう。このように、年金額の差は現役時代の年収だけで決まるものではなく、働き方や厚生年金の加入期間など、複数の事情が関係しています。
年金月16万円と24万円では、現役時代の年収に400万円程度の差があった可能性
年金が月16万円と月24万円の場合、今回の条件で試算すると、現役時代の年収差は約417万円でした。年金月16万円では約466万円の年収、月24万円では約883万円が年収の目安となります。
ただし、年金額は現役時代の収入だけで決まるわけではありません。厚生年金の加入期間や老齢基礎年金の納付状況、受給開始時期なども関係するため、年金額から実際の年収を正確に判断することは難しいでしょう。
自分の年金額や現役時代の収入との関係を確認したい場合は、ねんきん定期便や年金振込通知書などを確認し、年金の内訳を把握しておくことをおすすめします。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 Q「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の違いは何ですか。
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について 令和8年4月分(6月15日(月曜)支払分)からの年金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
