TISと東和薬品、東邦大学医療センター佐倉病院に「ヘルスケアパスポート」を導入
- 2025年02月20日 13:00:00
- マネー
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TIS株式会社と東和薬品は、佐倉病院にTISの提供する「ヘルスケアパスポート」を導入し、患者ケアに役立てていると発表しました。このサービスは、PHR基盤を活用して患者と医療従事者の間で健康・医療情報を安全に共有することを可能にします。特に、がん化学療法患者が副作用を報告しやすく、薬剤師が自宅療養中の服薬状況や体調をスムーズに把握するのに役立ちます。導入後約1年間で50人程度の患者が利用し、治療の継続や副作用の管理に大きく貢献しています。今後は地域医療連携のさらなる拡充を目指します。
外来がん化学療法の患者が「ヘルスケアパスポート」を通じて無理なく副作用症状を報告することで、薬剤師が自宅療養期間中の患者の服薬状況や体調変化をスムーズに把握することが可能になり、より患者に寄り添ったケアを実施できるようになりました。
TISの「ヘルスケアパスポート」は、生活者の健康・医療情報を医療従事者や家族と共有できるPHR※1基盤サービスです。生活者による情報共有の意思表示(オプトイン)に従って、健康・医療情報を安全かつ双方向に共有できる仕組みをサービス利用型で提供しています。
TISと東和薬品は、2021 年に「ヘルスケアパスポート」の協業販売に向けたアライアンス契約を締結し、「ヘルスケアパスポート」の普及、サービスの最適化を進め、持続可能な地域医療連携の実現の後押しを目的として活動しています。個人の健康データの基盤づくりに貢献するため、TISはヘルスケアデータを適切に一元化・共有するシステムの開発・運営を担い、東和薬品は幅広い販売網を通じた「ヘルスケアパスポート」の普及を担っています。
※1個人が、自分自身の医療情報や健康情報(バイタルデータ)を一元管理する仕組み。パーソナルヘルスレコードの略。
佐倉病院「ヘルスケアパスポート」導入の背景
近年、がん化学療法で使用する抗がん剤・副作用を抑える薬は飛躍的に進歩し、治療は在宅・外来へとシフトしています。飲み薬が10種類を超える患者も多く、決まった時間・サイクルで服用し続けるのは容易ではないため、佐倉病院とかかりつけ薬局の薬剤師が連携(薬薬連携)し、服薬状況や体調変化をモニタリングしています。2020年に、がん薬薬連携関連の加算新設※2や、専門医療機関連携薬局(がん)の認定、薬局の服薬フォローアップが法律で義務化されたこともあり、患者の体調を管理するうえで薬局の役割は非常に大きくなっていました。
病院薬剤師は、抗がん剤の調製や服薬指導等に加え、医師が決定した抗がん剤の治療方針に従って、適切な治療薬・副作用を抑える薬を医師に処方提案します。患者は外来で点滴等の治療を受け、自宅療養へ移行後は、薬局薬剤師が処方箋に基づき患者に薬を提供し、自宅療養期間中のフォローを担当します。薬局薬剤師はバイタル情報・副作用症状を確認するため、抗がん剤投与1週間後を目途に患者宅に電話をかけ、ヒアリングを行っていましたが、断片的な情報しか得られないことや、副作用に合わせた適切なタイミングでのフォローが難しいこともありました。また、体調が悪く会話すること自体がつらい患者も少なくないことから、患者が無理なく正確な状況を伝えられる新たな手段を検討することにしました。
※2外来化学療法の質向上を目的として、医療機関と薬局が連携して患者をフォローする取り組みを評価する加算。「化学療法の経験を有する医師や薬剤師による副作用の発現状況の評価」「副作用の発現状況を記載した治療計画等の文書の交付」「療養のため必要な栄養の指導を実施する場合の管理栄養士と連携」が算定要件に挙げられる。
TISと「ヘルスケアパスポート」選定理由
サービス導入の検討にあたり、チャットを中心とするコミュニケーションツールや日々の健康情報を記録するPHRサービスなどが候補として挙げられましたが、副作用症状の報告という特殊な用途に対応できる方法が見つからない中、2022年中頃に東和薬品から「ヘルスケアパスポート」の活用が提案されました。TISと「ヘルスケアパスポート」が評価されたポイントは以下の通りです。
・血圧や体温といった基本的なバイタル情報だけでなく、『吐き気』『嘔吐』といった副作用症状を柔軟にカスタマイズできる点
・プラットフォーム型で、病院と薬局が同じ報告内容を見ながら初期対応について相談できる点
・チャット形式ではない方法で、患者と医療従事者双方の負担を軽減しながら双方向のコミュニケーションができる点
・TISは、セキュリティ要求の厳しい金融業界でのシステム実績が豊富であり、技術面で信頼できる点
導入効果
2022年後半より、門前薬局である専門医療機関連携薬局のあやめ薬局下志津店と、約1年をかけて症状報告画面のカスタマイズと技術検証を実施しました。抗がん剤による副作用症状として、重症度別に入力可能な12項目をカスタマイズで追加し、5段階から選択し記録できる『体調』の項目や、どれにも該当しない症状をフリーフォーマットで記録できる『気づいたこと』の項目も追加され、患者がより簡単に詳しく状況を報告できるようになりました。また、カスタマイズの作業と並行して、「ヘルスケアパスポート」の「施設間連携メモ」機能を利用し、共通基盤の中で情報を共有するテストも実施しました。このテストでは、病院薬剤師と薬局薬剤師が、患者が報告した同じデータを見ながらチャットで初期対応の相談等ができること、薬局から病院に提出する副作用状況報告書(トレーシングレポート)のPDFが安全性を保ちつつ送信できることが確認されました。
こうして、2024年1月から抗がん剤治療患者に向けた「ヘルスケアパスポート」のアプリ導入勧奨をスタートし、約10ヶ月で延べ50人程度が利用しています。患者からは、「入力が簡単だから続けやすい」という声や、つらい副作用症状を報告した時に薬局から電話やメッセージで助言を行ったり、病院への受診を促したりすることで、「安心して治療に臨めた」「治療に役立った」という声も挙げられています。「ヘルスケアパスポート」導入以前は薬局薬剤師が電話で、トレーシングレポートに記載されたすべての症状をヒアリングしていたためかなりの時間を要していましたが、導入後は適切なタイミングで、患者が特につらく感じる症状を重点的にヒアリングし、その改善に集中できるようになりました。
東邦大学医療センター佐倉病院 薬剤部 平井 成和氏コメント
「病院薬剤師と薬局薬剤師の距離が縮まり、“薬薬連携”がよりスムーズになったと感じます。今後、医療機関や介護施設、行政など地域包括ケアの担い手の関わりが重要性を増していくでしょう。各プレイヤーが安全なプラットフォームの上で患者さんの情報を共有し、それぞれの役割をより発揮できるようになることを望んでいます。
また、患者さんが「ヘルスケアパスポート」で報告するようになって約10カ月、適切な服薬マネジメントに役立っており、自宅で服用する副作用対策の薬を上手く活用できず抗がん剤の量を減らしたり、治療を中断したりするといったケースは起きていません。医療情勢を熟知した東和薬品と、地域医療の基盤サービスを有するTISのパートナーシップで、患者さんのよりよいケア、住民のヘルスケアリテラシー向上の力になっていただくことを期待しています。」
本件の詳細は以下URLもご参照ください。
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_169.html
「ヘルスケアパスポート」について
「ヘルスケアパスポート」とは、地域の医療従事者と生活者が健康・医療情報を双方向に共有できるPHR 基盤サービスです。生活者自身が健康・医療情報を記録・管理する PHRとしての役割と、地域の医療施設が連携して医療情報を共有する地域医療連携システムとしての役割の両者を担います。生活者の同意のもと、地域の病院、診療所、調剤薬局、福祉施設等はそれらの情報を参照することで、日々の処置・対応に役立てることができます。また、健診結果や日々の記録などの健康情報を管理・活用することで健康増進を支えます。
本サービスの詳細は、以下URLをご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/healthcare-passport/
東邦大学医療センター佐倉病院について
東邦大学医療センター佐倉病院は、東邦大学の3番目の病院として『自然・生命・人間』の建学の精神の下、1991年に西洋医学(蘭学)の街・佐倉で誕生しました。地域中核病院かつ高度急性期病院として高度で安全な医療の実践に努めており、現在は災害拠点病院、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、がん診療連携協力指定病院など多くの指定や機能を有する病院として活動しています。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
東和薬品について(https://www.towayakuhin.co.jp/)
東和薬品は、「私達は人々の健康に貢献します 私達はこころの笑顔を大切にします」という企業理念のもと、コア事業であるジェネリック医薬品事業に加え、「健康の維持」や「病気になる前の状態(未病)を健康な状態に戻す・または悪化させない」といった健康関連事業に関する取り組みをおこない、「健康寿命の延伸」に貢献し、いつの時代も世の中や地域社会に必要とされる企業を目指しています。
本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 ヘルスケアサービス事業部
ヘルスケアプラットフォームサービス部 ヘルスケアパスポート担当
TEL:050-1702-4053 E-mail:healthcare-passport@ml.tis.co.jp
配信元企業:TIS株式会社
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