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【矢野経済研究所プレスリリース】ニュートリション市場に関する調査を実施(2023年)~0歳から100歳に至る全世代対象の市場に着目、高齢者の栄養補給と若年・中年層の栄養改善に寄与する食品市場が伸長~


株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のニュートリション市場を調査し、セグメント別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

1. 市場概況

少子高齢化と被介護高齢者の増加、コロナ禍のストレス・生活習慣病の悪化、子供の孤食・偏食問題などが取り沙汰される中、現代日本において、健康の維持増進や健康寿命の延伸は国、自治体、企業、個人のいずれにおいても大きな課題となっている。しかしながら、食を中心とした生活習慣の改善が進んでいるとは言い難い。こうした背景のもと、0歳から100歳に至る全世代を対象としたニュートリション(栄養)の重要性が改めて見直されている。

健康の維持増進や健康寿命の延伸を目指すニュートリション市場は現状、高齢者向けの介護食や病者食の調理品(給食)市場が大きなシェアを占めているものの、在宅高齢者の増加を背景として栄養補給食品などの加工食品や在宅配食サービス市場が拡大している。また、人々のライフスタイルが多様化するなかで、フェムケアフードや完全栄養食、パーソナライズフードなどの新興市場が急成長しており、若年層を中心に支持が高まっている。
育児用ミルク・ベビーフード、フェムケアフード、完全栄養食、パーソナライズフード、経口補水液、病者食(特別食・制限食)、在宅配食サービス、高齢者向け栄養補給(低栄養予防)食品、介護食(嚥下食・咀嚼困難者食)、流動食の10市場から構成される2022年度のニュートリション市場規模を前年度比102.1%の1兆7,136億円と推計した。
なお、主に高齢者向けの市場(病者食、在宅配食サービス、高齢者向け栄養補給食品、介護食、流動食)を中心に複数の市場にまたがる製品やサービスが存在すること、同一市場の中で調理品(給食)と加工食品を区分している場合も加工食品を使用した調理品も存在することから、それらを明確に区別して市場規模を算出することは困難なため、ニュートリション市場規模は一部重複する形で算出している。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000279069&id=bodyimage1

2.注目トピック~冷凍宅配食市場の動向

本調査対象の在宅配食サービス市場には含めていないが、冷凍弁当・惣菜を配食する「冷凍宅配食」市場が注目を集めている。同市場には様々な業種・業態の事業者が参入しており、大手企業の事業展開もあるが、比較的中小規模の事業者の新規参入が多い。
冷凍宅配食は、供給・需要側双方にとって利点が多い。供給側の事業者は冷凍にすることで事業運営の効率化が図れ、デリバリーコストも削減できる。需要側の利用者は安くまとめ買いをしてストックできるため、毎日受け取る必要がないなど利便性が向上する。加えて、冷凍食品に対するマイナスイメージもなくなりつつあり、抵抗を感じる人が少ないことも冷凍宅配食市場の拡大を後押ししている。さらに、介護食や治療食も含めて商品ラインナップが充実してきている。

2020年度の冷凍宅配食市場規模(事業者売上高ベース)は、300億円を超えたと推計しており、2030年度には常温やチルド配食に冷凍の宅配食を合算した在宅配食サービス市場全体のうち、冷凍宅配食が4分の1以上を占める見込みである。

3.将来展望

ニュートリション市場は少子高齢化を背景に、主として病院や高齢者施設で提供される介護食や病者食が市場拡大を牽引してきた。しかし、昨今、国を挙げて在宅医療・在宅介護を推進しており、食事についても自宅で安心して必要な栄養素をまかなうことが出来るように、在宅配食サービスや補食用途で利用する栄養補給食品などの需要が拡大する見込みである。
一方で、若年世代はライフスタイルが多様化し、個々の健康課題に合わせて手軽にセルフケアできる製品やサービスを志向しており、フェムケアフードや完全栄養食、パーソナライズフード市場が引き続き成長する見通しである。

ニュートリションの市場規模(10市場計)は、2025年度には1兆8,089億円に成長し、2030年度には1兆9,895億円まで拡大すると予測する。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3257

調査要綱
1.調査期間: 2022年12月~2023年3月
2.調査対象: ニュートリション関連企業及び団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による調査、ならびにアンケート調査併用
4.発刊日: 2023年03月28日

お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press

株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/



配信元企業:株式会社矢野経済研究所
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