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【矢野経済研究所プレスリリース】ポリエチレン市場に関する調査を実施(2021年)~2021年のポリエチレン国内出荷量は前年比101%の236万7,000トンの見込~


株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のポリエチレン市場を調査し、樹脂別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにいたしました。

1.市場概況

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が低迷したため、多くのポリエチレン(以下、PE)需要分野で需要が減少し、2020年の国内PE市場(メーカー出荷数量ベース)は前年比95.6%の234万3,000tとなった。
セグメント別に内訳をみると、HDPEは前年比93.2%の75万tと落ち込みが大きくなった。これは2020年7月から実施されたレジ袋の有料義務化の影響が直撃している。もともとレジ袋は輸入品の動きが活発で、国内生産のレジ袋における輸入PEの使用のほか、レジ袋そのものの輸入量も多い。PEメーカーのなかにはレジ袋国内市場について、国内生産量3割に対し輸入品7割との見方もある。国内生産量3割を巡って、国内生産のPEと輸入PEが競合する状況となっている。

2.注目トピック~PEメーカー各社は、バイオマス化やリサイクルとともに、高機能PE開発を推進

2020年に日本ポリエチレン(JPE)からメタロセン系触媒によるHDPE「ハイフォテックTM」、2021年には長鎖分岐型(LCB)メタロセン系L-LDPE「シンフォテックTM(SYMPHOTECTM)」が上市された。さらに、プライムポリマーが2014年頃から市場開拓してきた「エボリュー(R)E」が2023年からの本格展開を目指し始めている。
また、三井・ダウ ポリケミカルのアイオノマー樹脂「ハイミラン(R)」は食品用のスキンパック包装として注目度が高まっているほか、ENEOS NUCでは超高電圧・高電圧直流送電(HVDC:High Voltage DC transmission)用PEの拡販に取り組んでいる。

PEメーカーの技術力は触媒、重合プロセス、ポリマーの設計力に表れ、そこから生み出される高機能PEこそがPEメーカーの付加価値となる。PEは代表的な汎用樹脂であるが故にマーケットの急拡大は見込みにくいうえ、バイオマス化やリサイクル化に乗り遅れると足元がゆるぎかねない。PEメーカー各社は親会社との連携のもと、バイオマス化やリサイクル化への対応を進めている。しかし、同時にこうした高機能PEによって、PEでなければならないトップエンドの需要領域を拡張し続ける必要があると考える。

3.将来展望

2021年の国内PE市場は前年比101.0%の236万7,000tと、前年とほぼ横ばいとなる見込みである。内訳をみると、落ち込みの大きかったHDPEは前年を上回ると見込だが、レジ袋向けHDPEに関しては今後も需要が減少し続ける見通しである。PEメーカーの多くは、レジ袋の有料義務化以前から、既に別用途での展開を強化している。

※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2771

調査要綱
1.調査期間: 2021年4~7月
2.調査対象: ポリエチレンメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2021年07月30日

お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press

株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/

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配信元企業:株式会社矢野経済研究所
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