8月25日~9月14日までテアトル新宿にて開催される 『OP PICTURES+フェス 2018』。 出品作『つないだ手をはなして』 主演・川上奈々美さんインタビュー
- 2018年08月21日 18:00:00
- マネー
- Dream News
『OP PICTURES+ フェス 2018』
『つないだ手をはなして』主演・川上奈々美インタビュー
8月25日~9月14日までテアトル新宿にて開催される新時代のピンク映画の上映企画『OP PICTURES+ フェス 2018』。本イベントに出品される『つないだ手をはなして』の主演を務める川上奈々美さんに、作品の見どころや、今年で4年目を迎えるフェスへの思い、さらに自身の女優としての向き合い方などを大いに語っていただき、
主催の大蔵映画が、8月21日に公開しました。
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――川上さんが主演を務めた『つないだ手をはなして』が『OP PICTURES+ フェス 2018』に出品されますね。
川上:テアトル新宿さんで上映してほしかったので、めちゃくちゃ嬉しいです。昨年、古川いおりちゃんが(『悦楽交差点』の上映で)テアトル新宿の舞台挨拶に立っていたのを観ていたので「ぜひ私も!」という思いが強かったんです。
――では、本作を撮影しているときから、期待はあったのですか?
川上:撮影したあとに、ファンの方から「テアトル新宿で上映されるんじゃない?」という話を聞いて、そのときから「絶対上映してほしい」という思いは強かったです。
――テアトル新宿という劇場には思い入れがあるのですか?
川上:以前、内田英治監督の『下衆の愛』という映画に出演させていただいたとき、テアトル新宿で舞台挨拶を行ったのですが、そのときすごく楽しくて「映画続けていきたいな」という思いが強くなったんです。内田監督の現場はとても厳しかったのですが、テアトル新宿で上映されたとき、本当に幸せな気持ちになれました。私にとってテアトル新宿は、すごく思い出深い劇場なんです。
――そんな劇場で上映される『つないだ手をはなして』ですが、どんな経緯で出演することになったのでしょうか?
川上:いまの事務所マインズに所属したときから「お芝居をしたい」という話をしていて、そのチャンスを模索していました。そんななか、竹洞哲也監督から、お誘いを受けているとマネージャーさんから言われたので「絶対出たい!」と手を挙げさせていただきました。
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――ピンク映画というジャンルにはどんな印象をお持ちだったのですか?
川上:私が生まれるずっと前の時代から続く歴史ある作品群だなという漠然とした印象はありました。私は平成生まれですが、昭和の混とんとした時代が大好きで、アナログ的な文化に憧れているんです。いまの時代では味わえないような、人と人とのつながりや空気感には惹かれるものがありました。
――具体的にはどんなイメージが?
川上:単純なイメージだと、すごくエッチなお姉さんが、誘惑したり誘ったりして、ねちっこい濡れ場を見せるような感じかな(笑)。
――今回、川上さんが主演を務めた『つないだ手をはなして』で演じた千夏は、好きな先輩を一途に思う純粋な女性でした。ご自身の持つピンクのイメージとは違ったのでは?
川上:そうなんですよ!台本を読ませていただいて、すごく甘酸っぱい青春ストーリーだったので「これはピンク映画なのか?」と思ってしまいました(笑)。私が演じた千夏は、先輩を思い続けているということ以外、心の揺れがない。ある意味で、どう役柄に向き合ったら良いのか分からず、すごくプレッシャーでした。
――竹洞監督からどんな演出があったのですか?
川上:それがまったくなかったんです。あまり役者にあれこれ言う監督ではないとは聞いていたのですが、「一回見せて」と言うだけで、なにも演出らしい演出はなかったです。
――それは相当難易度が高いですね。
川上:はい……。顔合わせのとき「この台本面白い?千夏って本当に先輩のこと好きなのかな」と聞かれて「そうだと思います」と答えただけ……。あとは現場でどう演じてもOKもNGもないので、相当悩みました。撮影二日目の朝、集中力が切れてしまい、3行ぐらいのセリフが飛んでしまったんです。そのとき竹洞監督から「一回寝る?」と言われてしまって……。ダメだなと落ち込みました。
――内田監督、竹洞監督と難しい監督が続きますね。
川上:映画監督なんて、いい意味で変な人だと思っているので、まったく大丈夫です。逆に「いいね、可愛いね」なんて言う人よりはいいです!私も面倒くさいタイプなので(笑)。
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――出来上がった作品を観たときは、どんな感想を持ちましたか?
川上:初めて観たときは、一瞬「隙がなくてよかったのかな」と思ったのですが、結構悪い評価もいただいて「待てよ、自分は客観的に作品を観ることができていないのかも」と改めて見返すと、反省点しか出てこなかったです。まず「良かったかも」と思ったことも驕りですし、「しっかり集中できていた」なんていうのも間違いでした。監督さんにとって良い役者というのは、監督の想像を超える表情や芝居を見せたときだと思うのですが、本作の私が、果たして竹洞監督の想像を超えるようなものを出せていたのかと考えると、それはNOだと思うんです。こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、とても勉強になった現場ですし、課題もたくさん見えてきました。
――お話を聞いていると、かなりストイックに自分を追い込む方なのかなと。
川上:自分に自信がないからでしょうね。これまでの人生、自信を持ってやれたことはあまりないんです。でも、だからこそ、これまでやってこられたとも思っているんですけれどね。
――今回のフェスでは、R15+として広く作品を観ていただける機会が得られましたね。
川上:ピンク映画という世界を知らない人にもぜひ観てもらいたいです。私は浅草ロック座でストリップもやらせていただいているのですが、今回ピンク映画に出演して、ロック座とピンク映画ってどこか似ているなと感じる部分があったんです。普段、触れることがない人への間口も広がったということで、変な先入観を捨てて、劇場に足を運んでいただきたいです。
――川上さんを通して、ピンク映画の世界が多くの人に広がっていくことも期待されているのではないでしょうか。
川上:30代のAV監督に、タイガー小堺さんという方がいるのですが、彼は高校生のとき、ピンク大賞を観て、ステージ上の女優さんの華やかさが今でも忘れられないと話していたんです。そういう出会いもあると思うので、誰かに、なにかが伝わればいいなと思っています。
――川上さんにとって印象に残っているピンク映画はありますか?
川上:林由美香さん主演の『たまもの』はすごかったです。いまおかしんじ監督は天才なんだなって思いながら観ていました。林由美香さんはしゃべらないのに、あれだけ伝わってくる。覚悟みたいなものを感じましたし、海外で評価(ドイツのライプツィヒ国際映画祭などに招待)されるのも納得の作品だなと。しかも近年、一番好きな映画が『苦役列車』という作品なのですが、この映画の脚本を書いているのもいまおかさんなんですよね。
――不思議なつながりですね。
川上:この仕事のすごいところって、人とのつながりで広がっていくところですよね。『メイクルーム』という映画がゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲ったのですが、そのときのつながりで、内田監督やプロデューサーのアダム・トレルと出会いました。そこから『下衆の愛』という映画で声を掛けてもらい、海外の映画祭や、東京国際映画祭のレッドカーペットも歩くことができました。広がっていくんですよね、映画って。
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――今後はどんな目標を?
川上:皆さんに「難しい」と言われますが、現役AV女優をやりながら、役者もやっていきたいです。もちろんストリップも続けていきたい。無理だったら無理でも構わないのですが、どちらも両立していきたいんです。
――両立へのこだわりが強いのですか?
川上:大きな話になってしまいますが、AV業界やロック座もそうですが、いろいろな事情があって一般社会で働けない女の子ってたくさんいるんです。客寄せパンダでも、矢面に立たされてもいいので、なんとなく切り開いていきたいという思いがあるんです。私は恵比寿マスカッツというグループに呼んでいただいて、地上に出られたなという感じがしました。この経験が次に続く人につながればいいなと。もちろんAV女優だからという壁が大きいと思いますが、泥臭く、なんでもやって前に進んでいきたいです。
――『つないだ手をはなして』の注目ポイントを
川上:いろいろな見どころはあると思いますが、食事のシーンですね。いくつかパターンかあるのですが、表情、仕草、セリフを含めて全部細かく観てほしいです。
――ご自身の作品以外の、『OP PICTURES+ フェス 2018』出品作品で注目している映画は?
川上:女優さんで言えば、涼川絢音さん(『赤いふうせん』/『再会の浜辺』/『ひまわりDays』/『ミカヨのクレヨン』/『ヤーニンジュの島』)はとてもいい雰囲気だなと思いましたし、朝倉ことみさん(『しあわせ配達人・ユリ子』)も好きです。
「OP PICTURES+フェス2018」開催概要
【日程】8月25日(土)~9月14日(金) ※9月8日(土)休映
【会場】テアトル新宿 東京都新宿区新宿3-14-20 新宿テアトルビルB1
【作品】18作品上映
豪華ゲストによる舞台挨拶&トークショーも続々、決定。詳しくは、公式HPをチェック!
http://www.okura-movie.co.jp/op_pictures_plus/
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