SLDは、世界人口の最大5%に影響を及ぼしており、治療選択肢が限られていることから、大きなアンメット・メディカル・ニーズを抱える分野となっている
フェーズIIのデータでは、efimosferminが、SLDの一種である代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)において肝線維症を改善する可能性を有することが確認されている
efimosferminはその独自の特性により、新たな標準治療となることが期待される
この買収により、脂肪性およびウイルス性の肝疾患の原因に対応することを目的としたGSKの肝疾患領域パイプラインを大幅に拡充し、複数の開発オプションが可能となり、2029年の初回上市が見込まれる
マサチューセッツ州、ケンブリッジ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --深刻な肝疾患を抱える患者に向けた高精度の治療法を開発する、臨床段階にある大手バイオ医薬品企業のGSK plc(グラクソ・スミスクライン)(LSE/NYSE:GSK)とBoston Pharmaceuticalsは、Boston Pharmaceuticalsの主要開発品である「efimosfermin alfa」を、GSKが取得することで合意したことを発表しました。efimosferminは、SLDの治療および進行抑制を目的としており、フェーズIII段階に進む準備が完了している、ベスト・イン・クラスとなる事が見込まれる開発中のスペシャリティ医薬品です。本契約に基づき、GSKは契約締結時に12億ドルを一括で支払い、さらに今後の達成状況に応じて最大8億ドルのマイルストーン・ペイメントが発生します。


efimosferminは、代謝機能障害関連脂肪肝炎の治療を目的として開発中の新規治療薬で、月1回投与型の線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログ治療薬です。肝硬変を含むMASHに加え、今後はアルコール関連肝疾患(ALD)といった疾患への開発も予定されており、いずれもSLDの一種となっています。efimosferminの直接的な抗線維化作用メカニズムと、GSKがヒト遺伝学や疾患表現型解析の研究で培ってきたデータに基づく知見を活用することで、efimosferminは、SLDがさらに進行したステージにも対応できることが見込まれており、また、GSKが開発中のsiRNA治療薬「GSK’990」との併用によって、SLDのその他一部の患者層への治療機会も広がることが期待されています。
efimosferminの買収は、免疫系に関連する科学に重点を置くGSKの研究開発と高い整合性があり、同社が線維化や自己炎症に関する深い理解を基盤に、疾患の進行を食い止め、逆転させる精密な治療法の開発を目指していることをさらに裏付けるものとなります。
SLDは、世界人口のおよそ5%に影響を及ぼしている大きなアンメット・メディカル・ニーズを抱える分野であり、依然として治療選択肢が限られています。1MASHやALDを含むSLDは、肝臓への脂肪蓄積(ステアトーシス)を特徴とし、これに伴って炎症や線維化が生じる疾患です。ALDは、世界で約2600万人の患者に影響を及ぼし、MASHとともに、米国における肝移植の主要な原因となっています。これらは、医療資源に大きな負担とコストをもたらす深刻な疾患群とされています。1,3末期肝疾患には、莫大かつ不均衡な医療コストが伴います。中等度から高度の線維化を抑制し、肝硬変や肝がん、入院、移植への進行を防ぐ治療介入により、今後20年間で米国の医療制度におけるコストを400億〜1000億ドル削減できる可能性があります。4
efimosferminのフェーズII試験から得られた最新データでは、生検で確認された中等度〜高度(F2またはF3)のMASH患者を対象に、月1回の皮下投与による有効性と安全性が評価されました。この試験では、efimosferminが肝線維症を迅速かつ有意に改善し、その進行を抑制する効果を示し、忍容性プロファイルについても管理可能な範囲であることが確認されました。これらのデータは、他の治療アプローチと比較して、より高い線維化の改善効果が期待できる可能性を示しており、また、その効果はグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)療法の併用有無にかかわらず得られることが示唆されています。さらに、efimosferminは中性脂肪の低下や血糖コントロールの改善といった効果も期待されており、心代謝系の併存疾患を抱えることが多いMASH患者にとって、重要な治療上の考慮点となります。efimosferminは、低い免疫原性や長い半減期といった独自の特性を有しており、さらに、月1回の投与スケジュールが可能となり、患者の利便性向上にもつながると期待されています。この試験の詳細なデータは、2024年11月に開催された米国肝臓学会議(AASLD)にて発表されました。5
GSKの最高科学責任者(CSO)であるトニー・ウッドは、次のように述べています。「FGF21クラスの治療薬は、MASHにおいて非常に有望なデータを示しており、なかでも肝硬変の改善という疾患初のエビデンスが確認されています。efimosferminは、月1回の投与と良好な忍容性プロファイルにより、新たな標準治療を確立する可能性を秘めています。また、当社の肝疾患領域におけるパイプラインを大きく拡充し、ベスト・イン・クラスとなり得る新たな医薬品の開発機会をもたらすことが期待されており、上市は2029年を予定しています。さらにefimosferminは、ALDおよびMASHを対象に開発中の『GSK‘990』とも補完的な関係にあり、これによりGSKは、単剤療法および将来的な併用療法の両面から開発を進め、患者の治療成績の向上を図る選択肢を得ることになります。」
Boston Pharmaceuticalsの会長であるエリアス・ゼルフーニ医学博士は、次のように述べました。「私がよく知り、尊敬しているGSKとの今回の合意を大変誇りに思うとともに、ソフィー・コルノウスキー薬学博士のリーダーシップの下で優れた成果を上げたBoston Pharmaceuticalsのチームにも深く感謝しています。特に、これが実現したのは、ベルタレッリ家による最先端の科学およびバイオテクノロジー分野への卓越した、持続的かつ長期的な戦略的取り組みのおかげです。これにより、当該治療領域でトップクラスになり得る治療薬のefimosfermin alfaを開発することができました。そして、efimosferminが世界的に拡大する公衆衛生上の課題およびアンメット・メディカル・ニーズに対応できる可能性を持つことを、世界的リーダーであるGSKが認識してくれたことを、私たちは大変嬉しく思っています。efimosferminがSLD患者にとってベスト・イン・クラスの治療薬となるべく、今後もその歩みをGSKと共に進めていくことを楽しみにしています。」
Boston Pharmaceuticalsの最高経営責任者(CEO)であるソフィー・コルノウスキー薬学博士は、次のように述べました。「この発表は、Boston Pharmaceuticalsおよびefimosfermin alfaにとって重要な節目です。肝疾患領域において実績ある専門知識を持ち、患者に対して共通の強力なコミットメントを有するグローバル企業であるGSKとの新たな章の始まりを迎えることができました。この成果は、efimosferminの開発という使命に対し、強い緊迫感を持って取り組んできたBoston Pharmaceuticalsの献身的なチームのおかげで実現しました。この数年間にわたり、揺るぎない支援と専門的知見を惜しみなく提供していただいたエルネスト・ベルタレッリには、特に深く感謝しています。」
efimosferminの加⼊により、線維化を伴う肝疾患の原因となるウイルス性(慢性B型肝炎)およびSLDの両方に対応するためのスペシャリティ医薬品において、GSKの肝疾患領域におけるパイプラインがさらに強化されます。
財務面の取り決めについて
本契約の条件に基づき、GSKはefimosferminの取得を目的として、Boston Pharmaceuticalsの子会社であるBP Asset IX, Inc.を買収します。GSKは、総額最大20億ドルの現金対価を支払う予定であり、その内訳は契約時の一括前払い金12億ドルと、今後の達成状況に応じた最大8億ドルのマイルストーン・ペイメントで構成されます。また、GSKはefimosferminに関して、ノバルティス ファーマに支払う成功ベースのマイルストーン・ペイメントおよび段階的ロイヤリティについても責任を負います。
GSKは本取引を企業結合し、会計処理を行います。本取引は、米国におけるハート・スコット・ロディノ法に基づく関連規制当局の承認を含む、通常の条件を満たすことが前提となります。
GSKに関しては、Evercore Partners International LLPが専属財務アドバイザーを務め、Cleary Gottlieb Steen &Hamilton LLPが法務アドバイザーを担当します。
Boston Pharmaceuticalsに関しては、Centerview Partners LLCが専属財務アドバイザーを務め、Sullivan &Cromwell LLPが法務アドバイザーを担当します。
efimosfermin alfaについて
efimosferminは、月1回皮下投与の開発段階にある長時間作用型FGF21(線維芽細胞増殖因子21)の変異体であり、MASH患者を対象に、主要な代謝経路を調節することで、肝脂肪を減少し、肝炎症を改善させ、肝線維症を逆転する設計となっています。efimosferminは現在、中等度から高度の線維化(肝硬変を含む)を対象とした臨床試験段階にあり、世界のいかなる国・地域においても処方は承認されていません。
Boston Pharmaceuticalsについて
Boston Pharmaceuticalsは、臨床段階にあるバイオ医薬品企業です。同社は、経験豊富かつ献身的な医薬品開発チームを活用し、深刻な肝疾患における重要なアンメット・メディカル・ニーズに対応し得る、高い差別化を有する治療薬の開発を推進しています。Boston Pharmaceuticalsは、ベルタレッリ家に関連する資金と投資を運用する民間の起業家系投資会社であるB-Flexionのポートフォリオ企業です。また、Boston Pharmaceuticalsは、高度な資本パートナーと協力しながら、世代を超えて卓越した価値を創出するという共通の目標のもと、社会に対しても積極的に貢献することを目指しています。
GSKについて
GSKは、科学・技術・人材を結集し、病に立ち向かうことを使命とするグローバルなバイオ医薬品企業です。詳細は、gsk.comをご覧ください。
将来の見通しに関する記述についての注意
GSKは投資家に対し、本発表を含むGSKによる将来の見通しに関する記述や予測は、実際の結果が大きく異なる可能性のあるリスクや不確実性を伴うことをあらかじめご承知おきいただくよう注意喚起しています。これらの要因には、2024年版Form 20-Fの年次報告書および2025年第1・四半期決算報告書の「リスク要因」セクションに記載されている内容が含まれますが、それらに限定されるものではありません。
イングランドおよびウェールズ登録番号:
3888792
登録事務所:
79 New Oxford Street
London
WC1A 1DG
参考情報
1. 2017年世界疾病負担研究 肝硬変共同研究者による報告。2020年。
2. Allen他。「Postgraduate Medicine」。2024年、第136巻 第3号、229~245ページ。
3. Younossi他。「Hepatology Communications」。2023年12月22日発行、第8巻 第1号、e0352。
4. Wallace, Carolyn他。「Journal of Hepatology」、第0巻 第0号
5. 「Hepatology」(2004年)レイトブレーキング・アブストラクト抄録別冊 28~30ページTLM2024LBA_20241115A.pdf
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