PANOVA-3試験でゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用したTTフィールドを一次治療として用いた切除不能な局所進行膵腺がん患者の全生存期間が統計的に有意に改善、主要評価項目を達成
アメリカ、EU、日本およびその他の主要国において承認申請を予定
PANOVA-3試験の全結果は、今後の医学学会で発表される予定
スイス、ロート--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --ノボキュア(NASDAQ:NVCR)は、重要な第3相臨床試験であるPANOVA-3試験が主要評価項目を達成し、統計的に有意な全生存期間中央値(mOS)の改善が対照群と比較して示されたことを発表しました。PANOVA-3試験では、切除不能な局所進行膵がんに対する一次治療として、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用した腫瘍治療電場療法(TTフィールド)の使用が評価されました。
「研究者および臨床医として、膵がんの治療法開発における難しさを経験してきました。PANOVA-3試験が全生存期間延長という主要評価項目を達成したことは、この分野にとって画期的な結果であり、非常に喜ばしいことです」と、PANOVA-3試験の治験責任医師である腫瘍内科医のヴィンセント・ピコッツィ医師は述べ、さらに「腫瘍治療電場療法に関するこれらのデータは、特に治療が困難な患者集団において、非常に有望です」と述べました。
ITT集団では、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用してTTフィールド療法を受けた患者のmOSは16.20カ月であり、ゲムシタビンとnab-パクリタキセルのみで治療した患者の14.16カ月と比較すると、統計的に有意な2.0カ月の改善(ハザード比=0.819、P=0.039)(N=571)がみられました。TTフィールド療法で治療した患者の全生存率の改善は、時間の経過とともに増加し、12カ月時点では全生存率が13%改善し、24カ月時点では生存率が33%改善しました。TTフィールド療法は良好な忍容性を示し、安全性プロファイルは過去の臨床試験と一致していました。
ノボキュアのチーフメディカルオフィサー(CMO)であるニコラス・ルパン医師(医学博士)は、「PANOVA-3は、切除不能な局所進行膵がんにおいて、全生存期間で統計的に有意な利益をもたらした最初で唯一の第3相試験であり、過去2年間でノボキュアが実施したポジティブな結果を示した3つ目の第3相臨床試験です」と述べ、さらに「私たちは、この臨床試験に参加してくださった患者様および研究者に感謝いたします。また、今後の医学学会で全データを発表できることを楽しみにしています」と述べました。
ノボキュアは、PANOVA-3の結果に基づき、切除不能な局所進行膵がんに対するTTフィールド療法の承認申請を行う予定であり、PANOVA-3の結果を今後の医学学会で発表する予定です。
ノボキュアは、第2相臨床試験PANOVA-4の患者の追跡調査を継続しており、転移性膵がんの治療におけるアテゾリズマブ、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルとの併用によるTTフィールド療法の有用性を検討しています。PANOVA-4は患者登録を完了しており、2026年にデータが得られる予定です。
PANOVA-3について
PANOVA-3は、局所進行膵臓腺がんの第一選択治療として、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用する腫瘍治療電場療法(TTフィールド)の有効性と安全性を検証するために計画された、前向きな無作為化非盲検第3相臨床試験です。患者は無作為に、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用するTTフィールド療法群とゲムシタビンおよびnab-パクリタキセル併用群に割り付けられています。
主要評価項目は全生存期間です。副次的評価項目には、無増悪生存期間、局所無増悪生存期間、客観的奏効率、1年生存率、生活の質(QOL)、無痛生存期間、無穿刺生存期間、切除可能率、および毒性があります。
合計571人の患者が本臨床試験に登録され、1対1の割合で無作為に割り付けられ、最低18カ月間追跡調査されました。
PANOVA-4について
PANOVA-4は、転移性膵がんの治療を目的として、アテゾリズマブ、ゲムシタビンおよびnab-パクリタキセルと併用した腫瘍治療電場療法(TTフィールド)の安全性と有効性を確認する国際多施設共同第2相臨床試験です。主要評価項目は疾患制御率です。副次的評価項目には、全生存期間、無増悪生存期間、1年生存率、客観的奏効率、6カ月無増悪生存期間、奏効期間、および毒性があります。本試験では76名の患者登録を予定しています。
膵がんについて
膵がんは最も致死率の高いがんのひとつであり、アメリカではがんによる死亡原因の第3位となっています。1がんの罹患率と死亡率は全体的には横ばいか減少傾向にあるものの、膵がんの罹患率と死亡率は増加しています。2アメリカでは毎年約67,000人が膵がんと診断されていると推定されています。3膵がんの5年相対生存率はわずか13%です。4
膵がんの治療には、病期に応じて、外科手術、放射線療法、薬物療法を組み合わせた治療が用いられます。動脈が巻き込まれているものの、膵臓外への転移のない局所進行膵がん患者の場合、標準治療は、外科手術に続いて放射線療法を併用するあるいは併用しない化学療法です。 残念ながら、ほとんどの局所進行膵がんは手術不能な段階で診断されるため、放射線療法を併用するあるいは併用しない化学療法が唯一の治療選択肢となるのが一般的です。
腫瘍治療電場療法について
腫瘍治療電場療法(TTフィールド)は、さまざまな機序でがん細胞を死滅させる物理的な力を発揮する電場です。健康な細胞は、がん細胞とは異なる性質(分裂速度、形態、電気的特性など)を持っているため、TTフィールドが健康な細胞に大きな影響を与えることはありません。TTフィールド療法は、複数の異なる機序が連動して、がん細胞を選択的に標的化して死滅させます。TTフィールド療法は多面的な機序を持つため、承認された適応症のがん治療法に追加することが可能であり、化学療法、放射線療法、免疫チェックポイント阻害剤、標的療法と併用することで、あらゆる種類の固形がんでの効果を高めることが前臨床モデルで実証されています。TTフィールド療法は、臨床的な汎用性があり、さまざまな固形がんの治療における困難に対処できる可能性を持っています。
TTフィールド治療法、がん細胞に対する多面的な効果については、tumortreatingfields.comを参照してください。
ノボキュアについて
ノボキュアは、その革新的な治療法である腫瘍治療電場療法(TTフィールド)の開発と商業化を通じて、最も進行性の高いがんの生存期間を延長することに取り組んでいる世界的なオンコロジー企業です。ノボキュアの製品は、成人の膠芽腫、非小細胞肺がん、悪性胸膜中皮腫を適応として、一部の国で承認されています。ノボキュアは、膠芽腫、非小細胞肺がん、膵がんの治療における腫瘍治療電場療法の使用を調査する複数の臨床試験を実施中または完了しています。
ノボキュアのグローバル本社はスイス・ルートに、アメリカ本社はニューハンプシャー州ポーツマスに、研究開発施設はイスラエル・ハイファに所在しています。さらなる情報についてはNovocure.comをご覧いただき、さらにLinkedInまたはX(ツイッター)で@Novocureをフォローしてください。
将来の見通しに関する記述
本プレスリリースには、過去の事実または現在の状況に関する記述に加え、将来の見通しに関する記述が含まれている場合があります。将来の見通しに関する記述は、将来の出来事に対するノボキュアの現在の予測ないし見通しを示すものです。これら記述には、予想される当社研究プログラムの科学的進展、臨床試験の進展、製品候補の開発、臨床成績の解釈、薬事承認の見込み、製造に関する開発および製造能力、当社製品の市場見通し、保険適用、第三者支払機関からの回収に関する記述や、その他過去の事実でない事柄に関する記述が含まれています。こうした将来の見通しに関する記述は、その記述に使用されている「可能性がある」、「予想する」、「推定する」、「期待する」、「見積もる」、「意図する」、「計画する」、「考える」等の文言やその他同様の意味を持つ単語や表現によって特定できるものもあります。ノボキュアの業績および財務結果は、一般的な金融、経済、環境、規制、政治情勢に加え、その他当社が直面するより特殊なリスクや不確実性(2024年2月22日に米国証券取引委員会へ提出したForm 10-Kによる年次報告書およびその後の提出書類に記載したリスクや不確実性など)から生じる問題により、こうした将来の見通しに関する記述に示す内容とは大きく異なるものとなる可能性があります。これらのリスクや不確実性を踏まえると、将来の見通しに関する記述の一部または全部に誤りがあることが判明する場合もあります。したがって、これらの要因や将来の見通しに関する記述に依拠することのないようご注意ください。また、法律で義務付けられている場合を除き、当社が将来の見通しに関する記述を更新して公表する予定はありません。将来の見通しに関する記述はいずれも本プレスリリースの日付時点のものです。1995年米国民事証券訴訟改革法により本表明が認められています。
1米国癌学会。癌の事実と図表2024。アトランタ:米国癌学会;2024。
2https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9476884/#B4
3米国癌学会。癌の統計と図表2024。アトランタ:米国癌学会;2024。
4米国癌学会。癌の統計と図表2024。アトランタ:米国癌学会;2024。
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