KDDI、楽天モバイル、ボーダフォンがオーラン・アライアンスの理事会に選出
新しくリリースした技術仕様は、O-RANネットワークを発展させるための規格を充実
オーラン・セキュリティー・タスク・グループがオープンRANのセキュリティー面に対処
O-RAN仮想展示会がO-RANの実装を推進している企業についての詳細情報を提供
独ボン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- オーラン・アライアンスは、最初の2年間の運用を成功させ、オープンでインテリジェントな無線アクセスネットワーク(RAN)の標準化で大きな前進を実現しました。
楽天モバイルを新しい通信事業者会員として迎えたオーラン・アライアンスには現在、大手通信事業者27社のリーダーシップが結集しており、これらはRAN業界を真にオープン性とインテリジェント性を備え、仮想化され、完全に相互運用可能なものとするために力を合わせています。貢献組織および貢献学術機関の強力な支援を得ているオーランは現在、230社超の企業がO-RAN技術の規格策定と実現の推進に当たっています。
2020年10月27日に開催された年次総会で、オーラン・アライアンス会員は次期2年間の理事会を選出しました。KDDI、楽天モバイル、ボーダフォンという新しい通信事業者3社が理事会に加わり、定員15社の体制としました。
オーラン・アライアンスの議長とAT&Tの最高技術責任者(CTO)を務めるAndre Fuetschは、次のように述べています。「オーラン・アライアンスは最初の2年間で、オープンでインテリジェントなRANの新規格を実現するために驚異的なペースで進み、オープンソフトウエアをリリースし、具体的なO-RAN規格の実装の統合と試験をサポートすることで、実装の促進に貢献しました。オーラン理事会の新会員を歓迎するとともに、オープン性、相互運用性、インテリジェンス性に基づくグローバル・モバイルネットワーク・エコシステムを推進するすべてのオーラン参加者からの相変わらぬ貢献を期待しています。」
オーラン・アライアンスのCOOでドイツテレコムの技術戦略&革新担当SVPのAlex Jinsung Choiは、次のように述べています。「通信事業者によるコミットメントの拡大は、オープンでインテリジェントなRANの世界的規格を創出することでRAN変革を推進するというオーラン・アライアンスの手法の有効性を示すものです。他の主要な標準開発組織とのエコシステム構築活動の連携、オーラン・ソフトウエア・コミュニティーとの緊密な協力、世界規模のオープン試験統合センターのサポートは、マルチベンダーのRAN準拠技術の商業提供を加速するための具体的な取り組みです。」
KDDI株式会社の執行役員兼技術企画本部長である佐藤達生は、次のように述べています。「私たちは、オープンでインテリジェントなRANネットワークの促進と採用でオーラン・アライアンスのパートナーと協力できることに大変感激しています。O-RANのオープン性とインテリジェンス性により、RANの革新が強化され、コスト効率が高く柔軟性のあるネットワークがもたらされることを期待しています。」
楽天モバイル株式会社の代表取締役副社長兼最高技術責任者(CTO)を務めるタレック・アミンは、次のように述べています。「当社は日本でのモバイルネットワークの活動を通じて、オープン性と相互運用可能性を備えた分散型RANが従来のネットワークアーキテクチャーに取って代わる有効な手段であることを示しました。オーラン・アライアンスの新しい会員として、当社の4G/5G商用ネットワークの構築から学んだ教訓を共有して、完全にオープンなRAN規格の確立を加速し、豊かで多様なベンダーエコシステムの発展に貢献していきたいと思います。」
ボーダフォン・グループのネットワーク責任者であるNadia Benabdallahは、次のように述べています。「オーラン・アライアンスは、オープンRAN構想を実現するための重要な要因になりました。今後数年間で、エンドツーエンドのシステムインテグレーションを確実に行い、お客さまに質の高いサービスを提供しながら、真に変革的なイニシアチブの計画を策定することが不可欠です。これらは達成するのが最も複雑ではあるが最重要の領域です。これらの約束を果たすにはオープンRAN発展の声を1つにまとめる必要があるため、それを実現するためにオーラン・アライアンス内で当社の取り組みを強化できることを非常にうれしく思います。」
2020年6月以降にリリースした20件のO-RAN仕様
新しい仕様セットの追加で、計40規格の73バージョンになります。
2020年下期に公表したO-RAN仕様では、O2インターフェースの一般的な側面と原理の初期バージョン、7.2/8.0スプリットの屋内ピコセル向けHWリファレンスデザインに加え、エンドツーエンドのシステム試験フレームワークを導入しました。
オープン試験統合センター(OTIC)の基準とガイドラインの公表により、O-RANベースのネットワーク機器の試験と統合のためのグローバルプラットフォームが始動します。
他にリリースした15件の仕様は、既存のO-RAN規格に対する新バージョンとして、O-RANアーキテクチャーに従い、新機能でそれらを充実させています。
新しい仕様の詳細については、オーランのブログ記事をご覧ください。
オーラン・セキュリティー・タスク・グループがオープンRANのセキュリティー面に対処
オーランは、O-RANアーキテクチャーのセキュリティー上の検討事項を調査してそれらに対処すべく、セキュリティー・タスク・グループ(STG)を創設しました。最近のブログ記事では、STGがすべてのO-RANインターフェースとO-RANコンポーネントのセキュリティー課題に取り組んでいます。
O-RAN仮想展示会がO-RANの実装を推進している企業についての詳細情報を提供
キャンセルされたMWCロサンゼルス2020の代わりに、O-RAN会員企業は、O-RAN仮想展示会でO-RANベースの機器の最近のデモを発表します。O-RANのオープンでインテリジェントなソリューションの新しいデモ23件が追加されました。
IPLOOKは、エンドツーエンドの5G SA/NSAオープンモバイルコアネットワークのデモを行います。このデモでは、拡張性の高いエンドツーエンドの3G/4G/5Gコンバージドモバイルコアソリューションを展示します。これらのソリューションは、TCOを削減して収益を増やすためのCOTSとMNO/MVNO/WISP/プライベートネットワーク向けクラウドに基づくものです。
エアスパンは、5G仮想エンドツーエンド大規模MIMO Open RANベースのソリューションとなるOpenRANGEのデモを行います。これには、O-RANオープン・フロントホール・ベースの大規模MIMO O-RU、クラウドネイティブのコンテナ化されたvDU/vCU x86ベースのプロトコルスタック、エアスパンのサービス管理・オーケストレーション(SMO)フレームワークが含まれます。
ジュニパーネットワークスは、O-RAN xHaulスライシングに使用できるよう、テレコクラウド/伝送ネットワークドメインでの5Gネットワークスライシングのデモを行います。デモでは、特定ドメイン向けのジュニパー製コントローラー(ContrailおよびNorthstar)で作りだしたネットワークスライスを紹介し、ネットワークスライシングが5Gアプリケーションのサービス保証を実現するために機能する様子について説明します。
ArrayCommは2件のデモを実施します。
(1)NXP製BonnyRiggに基づくエンドツーエンドの5Gソリューション:新しいプラットフォームでのスモールセルソリューションの可能性を証明。
(2)NXP製LX2160A + ザイリンクス製FPGA ZU21DRに基づくエンドツーエンドの5Gソリューション:スループットパフォーマンスの向上を実現し、商業展開の準備ができている。
Comba Telecomは、低レベルの電力消費とより優れたレシーバー感度を維持する先進技術を備えたオープンRANマルチバンドリモート無線ユニットのデモを行います。小型フォームファクターと平均故障間隔性能の向上は、設置・保守経費の削減に貢献します。これらの機能により、O-DUパートナーとのフロントホール統合が容易になります。
ザイリンクスは2件のデモを実施します。
(1)ザイリンクス製T1 テレコムアクセラレーターカードに基づくエッジクラウドでの仮想BBU/O-DU/O-CU FPGAベースのHWアクセラレーション。これにより、標準サーバーがO-RAN 5Gの導入に必要な性能、低遅延、電力効率を備えた仮想ベースバンドユニット(O-DU)に変換される。ザイリンクス製T1カードは、オープンフロントホールインターフェース向けO-RAN MCUSプレーンプロトコルをさらに実装する。
(2)GSPS統合型ADC/DAC(ダイレクトRFサンプリングトランシーバーアーキテクチャー)、32TRXと64TRXの構成、DFE、高EIRP、OMAC HARに記載された要件に従った高TRPを組み込んだザイリンクス製RFSoCデバイスに基づくO-RAN大規模MIMO無線ユニットのリファレンスデザイン。
カルネックスは、正確な計時と同期が重要な技術的課題であり、標準化団体が仕様策定に取り組んでいることをデモで示します。このデモでは、フロントホールとO-RANの計時の適合性試験の手法を紹介します。この手法により、新しい規格と技術の導入を成功させることができます。
NTTドコモ、富士通、NEC、サムスンは、O-RANのオープンフロントホールとX2を備えたマルチベンダーIOTを発表します。これには6GHz以下周波数帯とミリ波帯のNRを備えたマルチベンダーRANによる5G NSAが含まれ、NTTドコモの商用ネットワークが既に運用中です。また、フロントホール分配装置(FHM)およびNR 6GHz以下周波数帯バンド間キャリアアグリゲーションの商用化前の実現も含まれます。
Baicells(北京佰才邦)、QCT、ウインドリバーは、オープンフロントホールおよびオープンクラウドのプラットフォームに基づくE2E屋外マイクロセルソリューションのデモを行います。さらに、O-CU/O-DUと5GCの両方の共同プラットフォームを商用UEで試験し、屋外マイクロAAUでのMU-MIMOピークスループットを示します。
VIAVIは3件のデモを実施します。
(1)TM500 O-RUテスター。広範な試験機能をカバーし、NEMとサービスプロバイダーが適合性、相互運用性、性能の試験で求めるニーズに応える。
(2)O-RAN O-DUの相互運用性と相互作用を試験するための同社のTM500 O-RUエミュレーター。種々の帯域幅の信号品質をモニタリングしながら、マルチUEトラフィックでのCUプレーンの全帯域幅を試験することを含む。
(3)複数のベンダーの複数のO-RANコンポーネントを対象とするエンドツーエンドの5G NSAパフォーマンスシステム試験。TM500ネットワークテスターを使用して、総合的な試験自動化により、完全なO-RANマルチベンダーネットワークのパフォーマンスと相互運用性を検証する。
キーサイトは7件のデモを実施します。
(1)O-DU/O-CUを試験するために商用ハードウエア上で実行される仮想化RUシミュレーター。開発・製造業者、通信事業者、OTICラボによるO-RAN開発・試験の促進に役立つ。
(2)マイクロサービスとして構築され、プライベート/パブリッククラウド環境に導入できるRICテスター。これにより、E2インターフェースに加え、シミュレートされたO-DUおよびO-CUからのKPMレポートにRICが応答する機能が検証される。
(3)5G SA O-RANネットワークのエンドツーエンドの性能検証。MNOはマルチベンダーRANの性能評価が可能になった。
(4)O-RU向けの自動化O-RAN試験ソリューション。この試験スイートにより、NEMの開発・製造業者、通信事業者、OTICラボはO-RU適合性試験の促進が可能。
(5)IxNetworkを使用したxhaul伝送ネットワーク検証ソリューション。これにより、伝送デバイスベンダーと通信事業者は、時間要件の厳しいフロントホールネットワークの伝送性能と合計遅延バジェットをベンチマーク試験できる。
(6)時間要件の厳しいフロントホールネットワーク向けのIxNetwork TSN試験ソリューション。この試験により、伝送デバイスベンダーと通信事業者は、伝送デバイスのフレームプリエンプション機能を検証し、高速無線トラフィックのエンドツーエンドの遅延性能を確保できる。
(7)xHaul伝送向けのIxNetworkセグメントルーティング試験ソリューション。この試験により、伝送デバイスベンダーと通信事業者は、差別化された5Gサービスをサポートする伝送ネットワークスライシングインフラを検証できる。
AT&T、VIAVI、サムスン、ノキアは、多数のオープンソースコンポーネント、すなわちニアRT RICプラットフォーム、トラフィックステアリングxApp、KPIモニタリングxApp、RANシミュレーターに基づいたエンドツーエンドのトラフィックステアリングの使用例のデモを行います。
NECは、オープンフロントホールインターフェースを備えた5G基地局機器、すなわち3.7GHzと4.5GHzの帯域をサポートするマクロセル用のオープンラジオユニット(O-RU)、さらには5G用のオープンフロントホール分配装置(FHM)のデモを行います。
エリクソンは、SMOがO1インターフェースを介してRAN xNF(何らかのネットワーク機能)の自動管理を実行する方法のデモを行います。また、OSC(O-RANソフトウエア・コミュニティー)A1コントローラー機能がA1ポリシーの使用を通じてRANのQoE(体感品質)の改良を支えている様子を実際に示します。
オーラン・アライアンスについて
オーラン・アライアンスは、無線アクセスネットワーク(RAN)分野における230組織以上のモバイル通信事業者、ベンダー、研究・学術機関から成る世界規模のコミュニティーです。RANはあらゆるモバイルネットワークの必須要素となっており、オーラン・アライアンスの使命は当業界を作り替え、インテリジェンス性とオープン性を高め、仮想化を進め、真に相互運用可能なモバイルネットワークを実現することにあります。新しいO-RAN規格により、ユーザー体験を改善するための革新が迅速化され、より競争力と活力のあるRANサプライヤーエコシステムが実現します。また同時にO-RANを基盤とするモバイルネットワークにより、モバイル通信事業者によるRANの導入と運用の効率が改善します。これを達成するため、オーラン・アライアンスは新たなRAN仕様を公表し、RAN向けオープンソフトウエアをリリースするとともに、会員組織によるこれらの導入のインテグレーション活動と試験を支えています。
詳細情報については、www.o-ran.orgをご覧ください。
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