- 米国臨床腫瘍学会(ASCO)および欧州血液学会(EHA)の年次総会において第2相OPTIC試験の中間解析結果を口頭発表
- 奏効に基づくアイクルシグの投与計画が抵抗性/不耐性の慢性期CML患者におけるベネフィット/リスクプロファイルを最適化し得ることを支持する知見
- CMLおよびPh+ALLを対象とする第2相PACE試験の独立審査の判定データも、ASCOおよびEHAでポスター発表
米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は本日、バーチャル形式の第56回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会および第25回欧州血液学会(EHA)年次総会の口頭セッションにおいて、第2相OPTIC試験(Optimizing Ponatinib Treatment In CML、CMLにおけるポナチニブ治療の最適化)の中間解析データを報告すると発表しました。進行中のランダム化非盲検試験であるOPTIC試験は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)による前治療への抵抗性ないし不耐性を示す慢性期の慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者を対象に、アイクルシグ(ポナチニブ)の有効性および安全性を最適化すべく、アイクルシグの奏効に基づく投与計画を3種の開始用量(45mg、30mg、15mg)について前向きに評価するものです。
OPTIC試験の中間解析データは中央値で約21カ月の追跡期間を持つものです。この解析から、CP-CML患者を対象とするアイクルシグの最適なベネフィット/リスクプロファイルは、1日当たり開始用量を45mgとし、BCR-ABL1値1%以下を達成してから15mgに減量することで達成されることが示されました。この投与計画では、動脈閉塞イベント(AOE)の判定発現率は5.3%となりました。
オーガスタ大学のジョージアがんセンターに在籍し、OPTIC試験の治験責任医師を務めるJorge Cortes医師(MD)は、次のように述べています。「これらのデータはTKIによる前治療への抵抗性ないし不耐性を示す慢性期CML患者さんにおけるベネフィット/リスク関係を最適化するアイクルシグ療法について、その理解を向上させることに役立ちます。最適化は、45mgに続けて15mgに減量する場合に、管理可能な安全性プロファイルを維持しながら達成できることが実証されました。また、複数のTKIによる前治療に抵抗性を示すこの患者集団においては3種の開始用量すべてで臨床的利点が観察されたこと、また大多数の患者は直前のTKIに対して血液学的完全寛解よりも良好な奏功を示さなかったことを指摘することも重要です。」
武田薬品はこれらのデータについて米国食品医薬品局(FDA)と協議します。OPTIC試験の完全な中間解析については、後日に実施して発表します。
武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリストファー・アーレントは、次のように述べています。「アイクルシグは2012年にFDAが承認して以来、適切なCML患者にとって効果的な治療選択肢でした。これらのデータは第3世代のBCR-ABL1標的阻害剤であるアイクルシグの安全性プロファイルをめぐって新たな状況をもたらすものであり、また過去においてアイクルシグの患者利用を制限してきたと当社が考えている懸念である動脈塞栓イベントのリスクを低減するための方法について、さらなる指針を提供してくれるかもしれません。当社はOPTIC試験で得られた知見に感激しており、これらのデータを適応追加申請の一環としてできるだけ速やかにFDAに提出するつもりです。」
Interim Analysis (IA) of OPTIC: A Dose Ranging Study of Three Starting Doses of Ponatinib (PON)(OPTICの中間解析(IA):3種のポナチニブ(PON)開始用量を検討する用量範囲探索試験)
Jorge Cortes医師が発表する重要な知見は、下記の通りです。
追跡期間の中央値が約21カ月の中間解析(IA、カットオフ日は2019年7月)では、OPTIC試験における患者の77%(n/N=216/282)が主要評価項目の評価対象となり得た。
OPTIC試験の中間解析から、大部分が抵抗性を示す患者集団(患者の大部分(60%超)が直前の療法に対して血液学的完全寛解(CHR)かそれより劣った奏功を示した)にて、3種の開始用量すべてでポナチニブの利点が示された。
12カ月目で1%以下というBCR-ABL1ISの最小値は1日当たり開始用量45mgのコホート(38.7%)で達成され、奏功は1日当たり15mgに減量しても維持された。
高用量のコホートでは奏功に基づいてプロトコルに従った減量を行い、45mgコホートの患者の75%と30mgコホートの患者の88%が最大2年間にわたり1%以下のBCR-ABL1ISという奏功を維持した。
安全性データは下記の通り。
OPTIC IAのカットオフ日(2019年7月)時点で全患者(N=282)において、治療下で発現した有害事象(TEAE)のうち最も一般的な有害事象(全グレード、全患者の10%以上で発現)は、血小板減少症(39.4%)、好中球減少症(25.2%)、高血圧症(24.1%)、貧血(17.4%)、頭痛(17.0%)、リパーゼ上昇(16.0%)、関節痛(14.2%)、便秘(12.4%)、血小板数の減少(10.6%)、ALT上昇(10.3%)であった。
AOE率には用量依存的な傾向が見られた。
事前判定によるAOEが1日当たり開始用量45 mg、30 mg、15 mgの各コホートで報告されており、それぞれ8.5%(n/N = 8/94)、4.3%(n/N = 4/94)、2.1%(n/N = 2/94)であった。
独立専門家によるAOEの前向き判定は、1日当たり開始用量45 mg、30 mg、15 mgの各コホートでそれぞれ5.3%(n/N = 5/94)、4.3%(n/N = 4/94)、1.1%(n/N = 1/94)であった。
中間解析でAOE関連の死亡は報告されていない。
OPTIC試験のデザイン
第2相OPTIC試験はTKIによる前治療への抵抗性ないし不耐性を示すCP-CML患者を対象に、3種の開始用量にて奏功に基づくアイクルシグの投与計画を前向きに評価するようにデザイン。
主要評価項目は12カ月目におけるBCR-ABL1値1%以下の達成。
本試験では283人の患者を世界規模で組み入れ、1日当たり開始用量45 mg、30 mg、15 mgにランダム割り付け。奏功に基づく減量を試験プロトコルに従って実施。
OPTIC試験のデータに加え、第2相PACE(Ponatinib Ph+ ALL and CML Evaluation、Ph+ ALLとCMLにおけるポナチニブの評価)試験におけるAOEを後ろ向きに独立評価したデータを掲載したポスターもASCOとEHAで発表します。
OPTIC試験について
OPTIC試験(Optimizing Ponatinib Treatment In CML、CMLにおけるポナチニブ治療の最適化)は、抵抗性の慢性期骨髄性白血病(CP-CML)に罹患しているか、種類に関係なくTKIの前治療を受けた後にT315I変異の存在が記録されている患者にてアイクルシグの3種の開始用量(15 mg、30 mg、45 mg)を評価するようにデザインしたランダム化用量範囲探索試験です。奏功に基づく減量を試験プロトコルに従って実施しました。本試験はこれらの患者におけるアイクルシグ(ポナチニブ)の適切な使用法を明らかにするものと期待されています。約283人の患者を世界中の臨床施設で組み入れました。本試験の主要評価項目は12カ月目におけるBCR-ABL1値1%以下の達成となります。
PACE試験について
PACE(Ponatinib Ph+ ALL and CML Evaluation、Ph+ ALLとCMLにおけるポナチニブの評価)試験は、ダサチニブないしニロチニブに抵抗性ないし不耐性を示すか、T315I変異を持つCML患者およびPh+ ALL患者でアイクルシグの有効性および安全性を評価しました。計449人の患者を1日当たり開始用量45 mgのポナチニブで治療しました。推計93%の患者が2種類以上の承認済みTKIの投与を過去に受けており、全患者の56%が3種類以上の承認済みTKIの投与を受けていました。PACE試験における慢性期CML患者集団全体の55%が細胞遺伝学的大寛解(MCyR)(PACE試験におけるCP-CML患者の主要評価項目)を12カ月目までに達成し、T315I+ CP-CML患者の70%がMCyRを達成しました。PACE試験の患者組み入れは2011年10月に完了しました。
CMLとPh+ ALLについて
希少悪性腫瘍の慢性骨髄性白血病(CML)は白血病の主要な4タイプの1つで、赤血球、血小板、大半の種類の白血球を形成する骨髄細胞の初期の未成熟バージョンで生じる遺伝子変異の結果です。続いてBCR-ABL1と呼ばれる異常な遺伝子が形成され、影響を受けた細胞をCML細胞に変えます。CMLは一般的に進行が遅いものの、増殖が速くて治療が困難な急性白血病に変わる場合もあります。
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)は急性リンパ芽球性白血病(ALL)の希少な1種で、米国の成人ALL患者の約25%が罹患しています。フィラデルフィア染色体として知られる異常遺伝子の存在が特徴です。フィラデルフィア染色体陽性(Ph+)患者の場合、異常染色体は9番染色体と22番染色体の断片が入れ替わる時に形成されます。その結果通常より長い9番染色体と短い22番染色体が形成され、BCR-ABL1の発現につながり、Ph+ ALLに結び付きます。
アイクルシグ(ポナチニブ)錠について
アイクルシグはBCR-ABL1を標的とするキナーゼ阻害剤です。BCR-ABL1は慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)で発現する異常なチロシンキナーゼです。アイクルシグはコンピューターと構造に基づく医薬品設計プラットフォームを使用して開発されたがん分子標的治療薬であり、特別にBCR-ABL1およびその変異体の活性を阻害するように設計されています。アイクルシグは、ネイティブのBCR-ABL1に加え、最も抵抗性の強いT315I変異を含め、治療抵抗性のあるBCR-ABL1変異すべてを標的とします。アイクルシグは承認済みのTKIとして唯一、BCR-ABL1のゲートキーパー変異T315Iに対し作用します。同変異は承認済みの他のあらゆるTKIに対する抵抗性と関連しています。アイクルシグは、2016年11月にFDAより完全承認を取得しました。アイクルシグの適応は、慢性期/移行期/急性転化期のCMLまたはPh+ ALLを患い、他のTKI療法が適応とならない成人患者と、T315I陽性CML(慢性期、移行期、急性転化期)またはT315I陽性Ph+ ALLの成人患者の治療となります。アイクルシグは、初発慢性期CML患者の治療を適応としておらず、同患者の治療薬として推奨されません。
重要な安全性情報(米国向け)
注記がある場合を除き、第2相試験の48カ月フォローアップ解析(N=449)に基づく。
警告:動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性
完全な枠組み警告については処方情報の全文をご覧ください。
アイクルシグ(ポナチニブ)による治療を受けている患者の35%以上で、致死的な心筋梗塞、脳卒中、脳大動脈の狭窄、重度の末梢血管疾患、緊急の血行再建術を必要とする事態を含め、動脈閉塞が発現しています。 50歳未満の患者を含め、心血管リスクを持つ患者も持たない患者もこれらのイベントを経験しました。血管閉塞が発現した場合はアイクルシグを即座に中断ないし中止します。リスクとベネフィットの検討に基づき、アイクルシグ治療を再開するかどうか決定します。
静脈血栓塞栓症がアイクルシグ治療を受けた患者の6%で発現しています。血栓塞栓症の証拠につきモニタリングします。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者ではアイクルシグの用量調節または中止を検討します。
死亡例を含む心不全がアイクルシグ治療を受けた患者の9%で発現しています。心機能をモニタリングします。心不全が新規発症ないし悪化した場合はアイクルシグを中断ないし中止します。
肝毒性、肝不全、死亡がアイクルシグ治療を受けている患者で発現しています。肝機能をモニタリングします。肝毒性が疑われる場合はアイクルシグを中断します。
警告および注意
動脈閉塞:枠組み警告に記載された動脈閉塞イベントが患者の35%で報告されており、これらの患者は第1相試験および第2相試験のいずれにも存在しました。第2相試験では、アイクルシグ治療を受けた患者の33%(150/449例)が心血管(21%)、末梢血管(12%)、脳血管(9%)の動脈閉塞イベントを経験し、一部の患者は複数種類のイベントを経験しました。致死的イベントと生命を脅かすイベントは治療開始から2週間以内に1日15 mgの低用量で発現しています。アイクルシグは再発性または多部位の血管閉塞をもたらす場合もあります。患者はこれまで血行再建術が必要でした。最初の動脈閉塞イベントが発現するまでの期間の中央値は193~526日にわたりました。心血管リスク因子を持つ患者も持たない患者も、約50歳以下でも、これらのイベントを経験しています。これらのイベントで最も多く観察されたリスク因子は、高血圧、高脂血症、心疾患の病歴でした。動脈閉塞イベントは年齢が高いほど、虚血、高血圧、糖尿病、高脂血症の病歴を持つ患者ほど、多く発現しました。動脈閉塞イベントの発現が疑われる患者ではアイクルシグの投与を中断または中止します。
静脈血栓塞栓症:静脈血栓塞栓症イベントが患者の6%で発現し、発現率は5%(CP-CML)、4%(AP-CML)、10%(BP-CML)、9%(Ph+ ALL)でした。イベントには深部静脈血栓症、肺塞栓症、表在性血栓性静脈炎、視力喪失を伴う網膜静脈血栓症が含まれます。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者では、アイクルシグの用量調節または投与中止を検討します。
心不全:致死的ないし重篤な心不全または左心室機能不全が、第2相試験における患者の6%で発現しています。最も一般的な心不全イベント(それぞれ患者の3%)は、うっ血性心不全および駆出率低下でした。心不全と一致する兆候や症状につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与中断を含む処置を施します。重篤な心不全が発現した場合は投与中止を検討します。
肝毒性:肝毒性イベントが患者の29%で観察されています(11%がグレード3~4)。重度の肝毒性はあらゆる患者コホートで発現しています。BP-CMLまたはPh+ ALLの患者3人が死亡しており、1人がアイクルシグの投与開始から1週間以内に劇症肝不全で、2人が急性肝不全で死亡しました。最も多かった肝毒性の種類はASTまたはALTの上昇(全グレードが54%、グレード3~4が8%、フォローアップの最終日までに回復しなかった症例が5%)、ビリルビン上昇、アルカリフォスファターゼ上昇でした。肝毒性イベントが発現するまでの期間の中央値は3カ月でした。肝機能検査値をベースライン時に、その後は少なくとも月1回、または臨床上の必要に応じて、モニタリングします。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。
高血圧症:治療下における収縮期/拡張期血圧の上昇が、患者の68%で発現しています。うち12%が重篤で、高血圧性クリーゼを含むものでした。患者は錯乱、頭痛、胸痛、息切れを伴う高血圧症の場合、緊急の臨床的介入を必要とする場合があります。ベースラインにおける血圧が140/90 mm Hg未満の患者では、80%が治療下で高血圧症を発現しました(44%がステージ1、37%がステージ2)。ベースラインでステージ1の高血圧症を有していた患者132人では、67%がステージ2の高血圧症を発現しました。アイクルシグの投与期間中は血圧上昇につきモニタリングと管理を行い、高血圧症を治療して血圧を正常化します。薬物療法によって高血圧症を管理できない場合はアイクルシグの投与を中断、減量、中止します。高血圧の著しい悪化、動揺性または治療抵抗性の高血圧症が認められる場合、治療を中断し、腎動脈狭窄症の評価を検討します。
膵炎:膵炎が患者の7%で発現しています(6%が重篤またはグレード3/4)。これら症例の多くがアイクルシグの投与中断または減量から2週間以内に回復しています。治療下で発現したリパーゼ上昇の発現率は42%でした(16%がグレード3以上)。血清リパーゼ値を、最初の2カ月間は2週間ごと、その後は月1回、または臨床上の必要に応じてチェックします。膵炎またはアルコール乱用の病歴を持つ患者では、これ以外にも血清リパーゼのモニタリングを検討します。投与の中断または減量が必要になることがあります。リパーゼ上昇が腹部症状を伴う場合、アイクルシグの投与を中断して、膵炎につき患者の評価を行います。患者の症状が完全に回復し、リパーゼ値が1.5 x ULN未満になるまでは、アイクルシグの投与再開を検討してはなりません。
初発CP-CMLにおける毒性増大:初発CP-CML患者に対するファーストライン治療としての前向きランダム化臨床試験で、アイクルシグ45 mgの1日1回単独投与はイマチニブ400 mgの1日1回単独投与と比較して重篤有害反応のリスクが2倍に増大しました。治療期間における曝露期間の中央値は6カ月未満でした。試験は安全を理由に2013年10月に中止されました。動脈および静脈の血栓症および閉塞は、イマチニブ群と比較してアイクルシグ群で少なくとも2倍の頻度で発現しました。イマチニブ治療を受けた患者と比較して、アイクルシグ治療を受けた患者は、骨髄抑制、膵炎、肝毒性、心不全、高血圧症、皮膚/皮下組織障害の高い発現率を示しました。アイクルシグは、初発CP-CML患者の治療を適応としておらず、推奨もされません。
神経障害:全体として、患者の20%が末梢神経障害(全グレード)を発現しました(グレード3/4は2%)。最も多く報告された末梢神経障害は、錯感覚(5%)、末梢神経障害(4%)、感覚鈍麻(3%)、味覚障害(2%)、筋脱力(2%)、知覚過敏(1%)でした。脳神経障害がアイクルシグ治療を受けた患者の2%で発現しました(グレード3/4は1%未満)。神経障害を発現した患者のうち、26%(23/90例)は治療開始から1カ月以内に神経症を発現しました。感覚鈍麻、知覚過敏、錯感覚、不快感、灼熱感、神経障害性疼痛、脱力などの神経障害の症状につき、患者をモニタリングします。神経障害が疑われる場合はアイクルシグの投与中断を検討し、評価します。
眼毒性:失明または霧視に至った重篤な眼毒性が患者で発現しています。黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、網膜出血を含む網膜毒性が、患者の2%で発現しています。結膜刺激、角膜びらんまたは角膜剥離、眼乾燥、結膜炎、結膜出血、充血および浮腫、眼痛が患者の14%で発現しています。霧視が患者の6%で発現しています。その他の眼毒性には、白内障、眼窩周囲浮腫、眼瞼炎、緑内障、眼瞼浮腫、眼球充血、虹彩炎、虹彩毛様体炎、潰瘍性角膜炎が含まれます。ベースラインにて、また治療中は定期的に総合的な眼検査を実施します。
出血:出血が患者の28%で発現しています(死亡を含む重篤例は6%)。重篤出血イベントは、AP-CML、BP-CML、Ph+ ALL患者の方が高い発現率を示しました。消化管出血と硬膜下血腫が最も多く報告された重篤出血イベントで、それぞれ患者の1%で発現しています。大半の出血イベントは、グレード4の血小板減少症を持つ患者で発現しています。重篤または重度の出血が生じた場合、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。
体液貯留:体液貯留が患者の31%で発現しています。最も多かった体液貯留イベントは、末梢性浮腫(17%)、胸水(8%)、心嚢液貯留(4%)、末梢腫脹(3%)でした。重篤イベントが4%で発現しています。1例の脳浮腫は致死的でした。治療下で発現した重篤イベントには、胸水(2%)、心嚢液貯留(1%)、末梢性浮腫(1%未満)が含まれます。体液貯留につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて患者を管理します。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。
不整脈:不整脈が患者の19%で発現しました(7%がグレード3以上)。心室性の不整脈が全不整脈の3%で報告され、1例がグレード3以上でした。ペースメーカー植え込みに至った症候性徐脈性不整脈が患者の1%(3/449例)で発現しています。心房細動が最も多く発現した不整脈で、患者の7%で発現し、うち約半数はグレード3ないし4でした。その他のグレード3~4の不整脈イベントには、失神(2.0%)、頻脈および徐脈(それぞれ0.4%)、QT延長、心房粗動、上室性頻拍、心室頻拍、心房頻拍、完全房室ブロック、心肺停止、意識消失、洞結節機能不全(それぞれ0.2%)が含まれています。患者27人で、イベントが入院につながっています。遅い心拍(失神、めまい)または速い心拍(胸痛、動悸、めまい)を示唆する兆候や症状を示す患者では、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。
骨髄抑制:骨髄抑制が患者の59%で報告されています(50%がグレード3/4)。これらのイベントは、CP-CMLの患者よりもAP-CML、BP-CML、Ph+ ALLの患者の方が高い発現率を示しました。重度の骨髄抑制(グレード3ないし4)が治療早期に観察され、発現までの期間の中央値は1カ月(範囲1~40カ月未満)でした。最初の3カ月は2週間ごと、その後は毎月または臨床上の必要に応じて全血算を入手し、推奨事項に従って用量調節を行います。
腫瘍崩壊症候群:アイクルシグ治療を受けた患者2人(1%未満、1人はAP-CML患者、1人はBP-CML患者)が、重篤な腫瘍崩壊症候群を発現しています。高尿酸血症が患者の7%で発現しています。疾患が進行した患者では腫瘍崩壊症候群が発現する可能性があるため、十分な水分補給を必ず行い、アイクルシグ治療開始に先立ち尿酸値上昇の治療を行います。
可逆性後白質脳症症候群(RPLS):市販後調査によるRPLS症例が、アイクルシグ治療を受けた患者で報告されています。RPLSという神経障害は、発作、頭痛、注意力低下、精神機能異常、失明、その他の視力/神経障害などの兆候や症状を示す場合があります。高血圧症を呈している場合が多く、脳の磁気共鳴イメージングにおける支持的所見により診断を下します。RPLSの診断が下されたら、アイクルシグ治療を中断し、症状が回復して、治療継続によるベネフィットがRPLSのリスクを上回る場合にのみ、治療を再開します。
創傷治癒障害および消化管穿孔:創傷治癒障害がアイクルシグの投与を受けた患者で発現しています。選択的手術の前は少なくとも1週間にわたってアイクルシグの投与を中断します。大手術の後は少なくとも2週間にわたり、また創傷が適切に治癒するまで投与を行いません。創傷治癒合併症の快復後にアイクルシグの投与を再開することの安全性は確立していません。消化管穿孔(瘻孔)がアイクルシグの投与を受けた患者で発現しています。消化管穿孔が発現した患者では永久に投与を中止します。
胚・胎児毒性:アイクルシグは、その作用機序と動物実験での所見に基づけば、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。動物を使った生殖試験では、器官形成期の妊娠したラットに対するポナチニブの経口投与は、推奨用量でのヒト曝露量を下回る曝露量で、発達への悪影響をもたらしています。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクにつき助言します。妊娠する可能性がある女性に対しては、アイクルシグ治療期間中と最後の投与後3週間は有効な避妊法を用いるよう助言します。
有害反応
最も多い有害反応:全体として、最も多かった非血液学的有害反応(20%以上)は、腹痛、発疹、便秘、頭痛、乾燥皮膚、疲労、高血圧症、発熱、関節痛、悪心、下痢、リパーゼ上昇、嘔吐、筋痛、四肢疼痛でした。血液学的有害反応には、血小板減少症、貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、白血球減少症が含まれます。
副作用の疑いを報告する場合は武田薬品(1-844-T-1POINT (1-844-817-6468))またはFDA(1-800-FDA-1088またはwww.fda.gov/medwatch)に連絡してください。
薬物相互作用
強力なCYP3A阻害剤:併用を避けるか、併用が避けられない場合はアイクルシグを減量します。
強力なCYP3A誘導剤:併用を避けます。
特定集団における使用
生殖能力を持つ男女:アイクルシグは、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。女性には、アイクルシグ治療期間中および最後の投与後3週間は有効な避妊薬を使用するよう助言します。ポナチニブは女性で生殖能力を損なう可能性があり、その影響が可逆的であるかどうかは不明です。アイクルシグの投与開始に先立ち、生殖能力を持つ女性では妊娠の有無を確認します。
授乳婦:女性にはアイクルシグ治療期間中および最後の投与後6日間は授乳しないよう助言します。
アイクルシグに関する詳細情報については、www.ICLUSIG.comをご覧ください。動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性についての枠組み警告付を含む処方情報についてはhttps://www.iclusig.com/pdf/ICLUSIG-Prescribing-Information.pdfをご覧ください。進行中の研究に関する詳細情報についてはwww.clinicaltrials.govをご覧ください。
武田薬品のオンコロジー領域に対する取り組み
当社の研究開発上の中核的使命は、科学に対する傾倒、画期的イノベーション、患者の生活改善への熱意を通じ、世界中のがん患者に新規医薬品を届けることです。当社の血液疾患治療薬、充実したパイプライン、固形腫瘍治療薬のいずれにおいても、当社は患者に必要な治療を届けるべく、革新的であるとともに競争力のある立場の保持を目指しています。詳細情報についてはwww.takedaoncology.comをご覧ください。
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細情報についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。
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将来に関する見通し情報
本プレスリース及び本プレスリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「保証する(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想されるanticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語、同様の表現、それらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。この書類における将来見通し情報は、この書類の発表日における当社の推定及び前提に基づくものです。かかる将来見通し情報は、当社または当社の役員による、将来の業績に関する保証を表するものではなく、既知及び未知のリスクと不確実性その他の要素を伴います。リスクと不確実性には、日本と米国の一般的な経済条件を含む当社の世界的な事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功または失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び通貨為替レートの変動、市場で販売された製品または製品の安全性または有効性に関するクレームまたは懸念等、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミングが含まれますが、これらに限られません。これらにより、当社の実際の業績、経営結果、財務内容は、将来見通し情報において、明示または暗示された将来の業績、経営結果、財務内容とは、大きく異なる可能性があります。当社の業績、経営結果または財務状況に影響を与え得る事項の詳細に関しては、武田薬品が米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書の”第3項重要事項 - D.リスクファクター”及び他の報告書をご参照ください(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/またはwww.sec.govにおいて閲覧可能)。武田薬品の将来の業績、経営結果又は財務状況は、将来見通し情報において明示又は暗示されたものと大きく異なることがあり得ます。本プレスリリースの受領者は、将来見通し情報に過度に依存するべきではありません。武田薬品は、法律ないし証券取引所規則で要求される場合を除き、本プレスリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本プレスリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想または見積もりではありません。
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