コンシューマーエレクトロニクスやモノのインターネットの分野が新製品にeSIM技術を導入、世界で90社以上のモバイル企業が消費者向けデバイスのGSMA
eSIM仕様をサポート
スペイン・バルセロナ--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --
GSMAは本日、中国のモバイル通信事業者、ベンダー、メーカーによるリモートSIMプロビジョニング技術およびeSIM技術の導入が著しく進んでいることを浮き彫りにした新報告書の公表を発表しました。GSMAインテリジェンスが通信端末産業フォーラム協会(TAF)との提携によりまとめた「eSIM
in China: the road ahead(中国におけるeSIM:今後の道程) 」と題された詳細な報告書は、中国のモバイル通信事業者3社、すなわち中国移動通信(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)、中国聯通(チャイナユニコム)のほか、より幅広いモバイルエコシステム1に属する企業に関する最新の詳細情報を明らかにするとともに、特にコンシューマーエレクトロニクス分野とIoT分野の動向に光を当てています。
GSMAのアレックス・シンクレア最技術責任者(CTO)は、次のように述べています。「中国を含む世界でのeSIM技術の目覚ましい浸透は、断片化を低減し、一貫性のある消費者体験を実現するための相互運用可能な共通のGSMA仕様に支えられてきました。コンシューマーエレクトロニクス業界から自動車業界に至るまで、接続性のメリットを生かし、消費者に選択肢を提供する多種多様な製品が市場に投入されています。」
スマートウオッチがeSIMの導入を独占、スマートフォンでの採用には時間が必要
中国ではeSIM技術を搭載したスマートウオッチが多数のベンダーによる製品に支えられ、勢いを得ています。スマートウオッチの所有数全体に占めるeSIMスマートウオッチの割合はまだ小さなものにすぎませんが、これから拡大していくものと思われます。また、中国の通信事業者は、その普及を促すために、消費者が1件のモバイル契約でスマートウオッチを2台目のデバイスとして使用できるようにしています。中国は世界市場向けのスマートフォンを生み出しているにもかかわらず、国内市場ではeSIM技術が正式には採用されていません。正式な採用には、適切な規制に加え、製造、物流、サプライチェーンの新たなプロセスが必要になるからです。世界では50社を超えるモバイル通信事業者が既にスマートフォンのeSIM機能をサポートしています。
TAFのXie
Yi会長は次のように述べています。「中国は、規模と収益成長率の両面で独特なモバイル市場を有しており、モバイル開発と技術革新におけるリーダーシップはこれまでにない水準に達しています。中国は技術革新をますます実際に行って見せており、新たな技術を試行して導入するための有力な世界的市場としての姿を示しています。中国においてeSIMの安定的な発展を推進することにより、消費者市場と産業市場の双方の発展を支えることができます。TAFは、国内の諸条件を前提とした上で、共同産業チェーンおよびGSMAとの協力にかかわる全当事者に、この目的達成に向けて最大限の努力をすることを確約しています。」
中国が基盤を構築
本報告書は、中国におけるeSIMの発展を促す上で、通信事業者、政府、規制当局を巻き込んだ業界全体による協力が果たす役割を明らかにしています。中国移動通信、中国電信、中国聯通の3社はいずれもeSIMソリューションを開発しており、セルラーM2M/IoT
eSIMプラットフォームを発表しています。中国のeSIM市場は未だ開発の初期段階にあり、一部の専有ソリューションがGSMA仕様と共存しています。しかし、市場が成熟するための移行期間があると予想され、やがてはGSMA仕様でまとまるものと考えられます。
eSIM採用の鍵は規制
本報告書は、中国でeSIM導入のための有益な規制枠組みの構築を支えるべく、大きな努力が払われていることを明らかにしています。eSIM技術の導入と市場普及を加速させるには、手続きを合理化し、消費者・産業向けデバイスのeSIM要件に関して明確で統一されたルールを定めることが不可欠です。これには認証情報の管理、ルート証明書の発行とセキュリティーの指定、国境を越えた相互運用性が含まれます。また、本報告書は、政府がeSIMサービス、特に初期段階にある産業用IoTの試行を促進し、開かれたeSIMエコシステムを推進すべきことを推奨しています。
eSIM技術の世界的な採用
本報告書は、過去2年間に世界のeSIMエコシステムに大きな進展があり、世界中でモバイル業界の有力企業90社以上が消費者向けデバイスのリモートSIMプロビジョニングを規定するGSMAの仕様をサポートするようになったことを明かしています。これらの企業はいずれも、業界の断片化と相互運用性の問題を回避し、世界的な発展を促進して消費者の選択を実現するという、単一の事実上のアプローチを軸に足並みを揃えています。この技術が初めて採用された大衆製品はスマートウオッチでしたが、現在ではタブレット、ラップトップ、ノートパソコン、スマートフォン(グーグルやアップルなど)でのeSIM機能の導入が拡大しています。自動車産業もeSIM導入の最前線にあり、欧州では欧州緊急通報(eCall)制度によってネットワーク接続機能を自動車に搭載することが仕様要件となりました。
MWC19におけるeSIM
GSMAは、2月28日(木)午前9時~11時にMWC19においてeSIMに関するセミナーを開催します。セッションには専門家の発題者らを招き、セキュリティー、拡張性、接続性などのトピックを含め、eSIMの導入とデバイスの市場投入にあたっての課題を探り、討論を行います。詳細については、https://www.mwcbarcelona.com/session/esim-seminar-from-specification-to-live-products/をご覧ください。
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編集者への注記
1.
本報告書の作成で協力を得た企業は、アウディ、中国移動通信、中国電信、中国聯通、中国・ASEAN情報港(CAIH)、ジェムアルト、Giesecke+Devrient(G+D)、Gotell、ヘンバオ、HPE、ファーウェイ、インフィニオン・テクノロジーズ、リトル・ジニアス、マイクロソフト、モブボイ、レッドティー・モバイル、サムスン、Showmac、Validです。
GSMAについて
GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、750社を超えるモバイル事業者を結集しています。そのうち400社以上は携帯電話機および端末メーカー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参加しています。GSMAは、バルセロナ、ロサンゼルス、上海で毎年開催する業界有数のMWCイベントのほか、地域カンファレンスのモバイル360シリーズを実施しています。
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