再照合技術フィールド実験
時系列DeepLearning技術
ユースケース例
NTT Comは、監視精度の向上・サービス化に向け、ALSOKなどと更なる連携を強化し、同様の実験・検討を継続して参ります。
1.背景
近年、オフィス商業ビルをはじめとした都市空間や大規模イベント会場等、不特定多数の人が集まる環境下では、施設・空間におけるインシデント(事故)発生時の対処・被害拡大防止に加え、犯罪等の予兆検知・未然防止の必要性が高まってきています。
また、昨今の国際情勢を受け、比較的警備が厳重でないソフトターゲットにおけるテロ等への脅威に対し、警戒・警備の強化が求められています。
こうした状況を踏まえ、NTT Comは新たにAIを活用した動作検知技術や再照合技術を取り入れることで、不審者の検出や人物特徴に基づく画像検索精度を向上させ、ALSOKなどと共に警備品質の向上を目指します。
2.実証実験・映像解析技術の概要
NTT Comは、ALSOKとの共同実証実験において、以下2つの技術について高い精度での検知を実現しました。
(1) 再照合技術(*1)
1枚の画像から特定人物の特徴をAIを利用して抽出し、複数のカメラを跨いだ映像から、同一人物の候補を推定し、提示する。(技術協力:Preferred Networks社)
<フィールド実験の様子>
ALSOKとの共同検証において、ある人物が、エスカレーターを使って複数のフロアを移動した映像から、同一人物の候補を100%の確率で抽出することに成功。
・再照合技術フィールド実験
https://www.atpress.ne.jp/releases/96466/img_96466_1.jpg
動画: https://www.youtube.com/watch?v=LYPtDSz67TM&feature=youtu.be
(2) 時系列Deep Learning技術(*2)
映像データの解析により、人の動作を高精度に識別できる技術。あらかじめ検知したい「きょろきょろする」「荷物を置く」などの動作をAIに学習させておき、映像データからそれらの動作を自動検知する。
・時系列DeepLearning技術
https://www.atpress.ne.jp/releases/96466/img_96466_2.jpg
動画: https://www.youtube.com/watch?v=69i8oLSwk-g
3.ユースケース例
(1) 再照合技術
何らかの犯罪行為が発生した際に、不審人物の画像をもとに施設間/施設内のカメラを跨いで同一人物の行動を追跡。
(2) 動作検知技術
商業施設等において、該当の動作を行う人物を自動検知し、警備員に発報。
(例:荷物を置いた瞬間を検知)
・ユースケース例
https://www.atpress.ne.jp/releases/96466/img_96466_3.jpg
4.今後の取組み
大型のオフィス商業ビル、大規模イベント、空港・税関等の重要施設、公共交通機関や大規模集客施設などのそれぞれのユースケースに応じ、NTT ComはALSOKと共に2016年度も引き続き実証実験等を通じて有用性を確認するとともに、導入を進めて参ります。
NTT Comは映像データの解析を可能とする「映像解析プラットフォームサービス」(仮称)の提供を検討しています。店舗や製造工場における不審行動の検出、2020年に向けて観光客の増加が見込まれる多くの施設における防犯対策などに応用できるサービス開発を今後も進めて参ります。
*1 AIによる複数カメラを跨いだ不審者検出(再照合技術)の検証結果映像
https://www.youtube.com/watch?v=LYPtDSz67TM&feature=youtu.be
*2 報道発表「人間の「動作」を理解する新しい人工知能(AI)「時系列Deep Learning」を開発、8割強の精度で識別に成功」(2015.10.7)
http://www.ntt.com/release/monthNEWS/detail/20151007_4.html
「時系列Deep Learning」検証結果映像
https://www.youtube.com/watch?v=69i8oLSwk-g