KABETORIー画面
KABETORIー対応言語一部抜粋
開発者ー余氏
前編ではKABETORIの概要と開発者である余 氏のキャリアについてご紹介いたします。
■「KABETORI」とは?ー凝らされた工夫と設計
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/442624/LL_img_442624_1.png
KABETORIー画面
外国人労働者向け日報アプリKABETORIは、技能実習生に関する法律で義務化されている『日報』に焦点を当てたアプリです。法律では、『技能実習日誌』として、技能実習指導員の方が毎日記載することが義務付けられています。
ここに着目して、「技能実習生/外国人労働者」と、「企業」のコミュニケーションを促進するためのツールとしてKABETORIを開発しました。
日報を通して、日々の業務/モチベーションの課題を洗い出し、その分析/解決によって、生産性向上を狙うというコンセプトで、いくつかの工夫を行っています。
例えば、KABETORIでは、入力された日報を〈母語の原文・直訳・丁寧な日本語〉という三層構造で保存します。
「翻訳だけ」に頼ると本人の伝えたい意図が変質しかねないという課題を踏まえ、原文を必ず残し、直訳で意味のズレを補正し、最後にAIが日本企業の文化に合った敬語や文体へリライトする。
わずかワンクリックで、この一連のプロセスが実行される仕組みです。
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/442624/LL_img_442624_2.png
KABETORIー対応言語一部抜粋
またUIはユーザー側・管理者側ともに多言語設定が可能。たとえばベトナム人マネジャーがネパール人スタッフの日報を確認する場面でも、お互いの母語に自動翻訳された画面を共有でき、さらに日本語が必ず併記されるため職場が言語で分断されることがありません。AIはカタコト混じりの入力を“丁寧で日報らしい日本語”に整え、管理者の返信も同じく自動補正します。
こうして「母語で能力を最大限発揮しながら、日本語も同時に学べる」という教育的サポートが実現しました。
ログは改ざん不可で保管され、振り返りやトラブル検証にも活用できます。さらに三層データを日次・週次で解析し、翻訳モデルへフィードバックをかけることで精度を継続的に向上させています。
このようなKABETORIの機能には、長年日本語研究を行ってきた余 氏のキャリアが大きく影響しています。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/442624/LL_img_442624_3.png
開発者ー余氏
■アップカルとの出会いと“教育ベース”の開発哲学
博士号取得後、日本語教育を行う先生同士のコミュニティを支援する中でアップカル設立前の杉山氏(現在は代表)と出会い、「教育をベースに開発を進める」という理念に共鳴。アップカルには教育畑出身のメンバーが揃っており、ヒアリングの深さ・共感性・ユーザー体験への配慮がプロダクトの随所に息づいています。
ベースは同じであっても主張が異なる場面はあり、KABETORIの開発過程で様々な議論がなされました。
例えば、日報に対してコメントをしたいので返信/チャット機能をつけたいという要望が出た際には、「チャット機能をつけることでコミュニケーションアプリになってしまう、あくまでもコミュニケーションのベースは現場であるべき」という意見から機能の開発をストップしました。
この議論は「本当に役立つ機能なのか」「この機能を入れると、生産性はどう変化するのか」という『ユーザー体験への配慮』の視点を持っているからこそのものであったと思います。
このように、まず作って試し、対話し、ムダを削るというサイクルを重ねました。教育者として“学習コスト”や“誤解の起きない導線”を徹底的に考える姿勢が、機能過多を避けたシンプルでスピーディーなプロダクトへと結実しています。
■多文化共生の現場へ広がる可能性
KABETORIで培った多言語支援の仕組みは、労働現場だけではなく、保育園や学校での連絡帳、自治体と住民の相談窓口など、あらゆる多文化共生の場面に応用が可能です。将来的には日報データを用いて個別最適化された日本語教育を自動化し、定着支援のエコシステムを拡大させることが目標。その中心には、言語教育の知見とテクノロジーを結びつける余 氏の視点があり続けます。
「母語を尊重しながら、日本語で活躍できる職場をつくる」ーー。
外国人労働者支援の新しい未来が見えてきました。
【会社概要】
商号 : 株式会社アップカル
代表者 : 杉山 満軌
所在地 : 〒914-0264 福井県敦賀市杉津4-7-1
設立 : 2023年12月
事業内容: (1)外国人人材採用・定着・生産性向上のサポート
(2)上記統合システム・アプリケーションの開発及び提供
URL : https://upcul.co.jp/